ブリグズビー・ベアのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

4.0

観た人
13194

観たい人
15782

投稿者:たけべ 2020年10月31日

形式ばった行為で距離を詰めるのは難しくって、まずはお互いを認める、理解する事からだよね
後半の家族でハグするシーンが冒頭との対比も相まって特に好きでした、静かに2回くらい泣いた

隠者みたいな格好で選ばれし者がどうとかハイパードライブの効果とか マークハミルが出てる映画でやってるのかなりツボ
スペンサーのTシャツも堂々とスターウォーズにしてほしかった

投稿者:hiroue 2020年10月29日

とにかく心地良い映画。

地下のシェルターで暮らす、「ブリグズビー・ベア」という教育ビデオだけを見て育った主人公。25歳の時に警察が押し掛け、両親と思っていた2人は誘拐犯で、地下に監禁されていたという事実を知る。

外の世界に出て本当の家族と出会うが、ブリグズビーベアへの想いは強く、仲間と続編の映画製作に挑んでいくお話。

とても優しい世界だった。外界に出て色々な問題が起こると思うけど、主人公も家族もすんなりと受け入れていく。ジェームズが希望を持っている強い人間だから成り立っていて、とにかく前向きだから周りも引っ張られる。

映画製作のシーンはとても好き。家族や仲間たちと打ち解けていく過程が丁寧に描かれてる。

刑事さんがもう1テイク良いか?って演技にのめり込んでいったり、マーク・ハミル演じる古い父が脚本を読む時の声の切り替えだったり、クスッと笑える。

テンポも良く90分で見れる、一本の映画として綺麗にまとまっている作品でした。

投稿者:笹ちよ 2020年10月27日

「創作に対する好奇心と愛情」と人生の全てとも言える「友情と呼ぶにふさわしい思い出」が見事にクロスする素晴らしい作品。
劇中の世界でもこの映画を見る我々をも鷲掴みにするブリグズビーベアーを作ってくれてありがとう。皆さんも映画が好きなら気に入って頂けるはずです。

この設定、アイディアが激ヤバであらすじは伏せます。
以降ネタバレ含みますのでご注意下さい。






出会う人全ていい人達で本当にほっこりする。映画撮影を協力してくれる仲間が出来た時はラストに裏切られるんじゃないかとか思ったりしていました。

監禁された生活やビデオで施された教育がどの程度がわかりませんが、彼は素直で対人関係もとてもフラット。別に偽りの人生も恨んでもいないし後悔もなさそう。ただあるのは「ブリグズビー・ベアーはオレのバイブル!そんでもってむっちゃオモロー!」という事実のみ。

監禁する為の核となる道具とのちに彼が目指すブリグズビーベアーはオレが撮って映画にするという夢。純粋無垢なものと洗脳に近い邪悪なものという相反する関係が非常に良くできている。これによって保護下のオトナ達は全員「治療」だの「妄信」だのこの世界のよりよい人間に型はめてふさぎ込んでくる。これはまさに最初にも申した「創作に対する好奇心や愛情」というテーマを侮辱していることになる。

彼にとってただ好きなだけなんだ。ラストの上映後にクマが頷いてくれる。オレの人生はこいつとの友情から始まったんだ。そんな思い出を取り戻して終える最高のカット。幸せすぎる。

作中のブリグズビーベアー全カット見させてくれ!頼む!!新作は自叙伝的な展開も含むんだろ!?お前の部屋に貼ってあった構想見たぜ!?

てかなんで偽親から脈々と受け継がれるんだよ!!!監禁の真相や陰謀もどう処理するか気になってわいたんだけど明かさねぇのもいいんだよな。何面会で声吹き込んでんだよ!!!全員憎めねぇし最高だ!!!

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

受け容れること

投稿者:さっちゃん 2020年05月16日

 うーん。さすがぴよさん、今回も一筋縄ではいかない作品でしたね。
 開巻間もなく両親が警察に逮捕されたと思ったら、実は彼らが主人公を幼児のころに誘拐して25歳まで他人に気づかれないように育てていたという設定。しかし、その後の展開も予想を裏切るものでした。
 主人公ジェームズが幼少期から見せられていたビデオテープの番組「ブリグスビー・ベア」。実はそれは誘拐犯のテッドが撮影したものでした。ジェームズは大好きな番組がもう観られないことを知りますが、妹オーブリーの友人、SF映画ファンのスペンスと知り合うと自分で「ブリグズビー・ベア」を映画にしようとします。
 自分を保護した刑事ヴォーゲルからこっそりと渡されたブリグスビー・ベアのヌイグルミや小道具。最初は警戒していたオーブリーもスペンスと一緒に兄の映画作りに協力するようになります。しかし、撮影の際に起こした爆発により警察に逮捕されるジェームズ。彼が「ブリグズビー・ベア」にのめり込むことが社会復帰の障害だと考える両親。さあ、どうなる?
 というのが前半のあらすじというところですが、この映画の面白さは物語だけでなく登場人物たちの関わり合いからかもし出される独特なユーモアや映像の美しさ。家族や社会がジェームズを受け容れる姿勢だと思います。
 まぁ、上の「解説・あらすじ・ストーリー」でもハートフルコメディと紹介されているのでコメディなんでしょうが私自身はユーモアを散りばめたシリアスな物語だと受け止めました。ジェームズがスペンスの家で交わすおかしな会話やらヴォーゲル刑事が、昔、演劇をやっていたことから「ブリグズビー・ベア」に出演することになりますが、演技に納得がいかないのかリテイクを要求する件や精神病院に入院して周りの環境に何の関心も持てないようなジェームズにも友人ができて、彼がなにげなくジェームズに優しくするやり方とか、思わずくすっと笑ってしまう場面があります。
 撮影もジェームズの内心を表現しているようで、警察に保護されて本当の両親のもとに連れてこられる場面では彼の不安を感じさせる陰影を強調した映像になっていますし、スマイル姉妹を探す路は乾いた風景で、逆に青い空の下、広い野原で撮影している場面では明るくやわらかな映像になっています。
 そして、ジェームズの夢がさまざまな人を巻き込んでいき、最初は彼がブリグズビー・ベアにのめり込んでいくのを快く思っていなかった両親が彼を受け容れていき家族として一つになる過程が心地いい。観終わって振り返ると本作には悪意のある人間がいないんですよね。テッドとエイプリルの夫婦にしても、やったことは悪いことだけどジェームズを愛情を持って育てたことは確かですから。
 私が一番、嬉しかったのがマーク・ハミルがテッド役で出演していたことです。彼は『スリップストリーム/風の惑星(だったっけ?)』以来、髭のある役が多いような気がします。ラスト近くでジェームズが彼に会い、ベアの声を吹き込む場面は、ある種の和解というか許しの印なのかなと思います。それがラストの大団円に深みを与えています。

(ykk1976さんの映画会 第105回)

ライナスの毛布はライナスのもの。

投稿者:ぴよさん 2020年05月16日

(ネタバレあり)
 ニセ父のマーク・ハミルはこちらでも親子関係に難アリだ(否応無くあの一族を連想しちゃう)
妻が盗んできた子供を育てることに決めた彼は、自分の子育て方法を試すことになる。それは
あまりに残酷で滑稽で、どこか哀しさも感じられるものだった。

「ライナスの毛布」という言葉がある。幼児期に執着するグッズや習慣、それらからなかなか
離れられないこと。ジェームスにとってのライナスの毛布が、ブリグズビー・ベアというキャラ
であり、物語世界であった。軟禁され外界との繋がりも絶たれた状態で、唯一の価値観をブリグ
ズビーによって育まれることになるジェームス。製作していた当のニセ親さえ「ブリグズビーに
ばかり執着するのはよくない」(←お前が言うな!)なんて言うぐらいだから、よほど強烈な
刷り込みになってしまったということだ。
 周りの大人達は、あの忌まわしいクマをすぐにでも奪わなければいけないと思った。愚かな
カウンセラーはアレを取り除けば問題は解決すると思った。しかしライナスの毛布は、強引に
奪ってしまってはいけない。自ら、出来れば自然に手放せさせないと。

 ジェームスが、そもそもの元凶であるニセの母親との面会が叶わないのは、おそらく彼女が
精神の均衡を崩していることを示唆していて、 そのことをもってして彼女は罰せられたと、
この脚本は言っている。
ジェームスが周囲に恵まれすぎていてドラマが安易に見えてしまうが、真親の長年の苦しみとか
これからのジェームスの苦労とか、省略した部分が水面下に沈められたアンカーになっている。

 ニセ父はどこか罪悪感は薄いのだが、キャラの一人に「太陽泥棒」と名付けてるあたり自責の
念はあるのだろう。そして作品を仕上げるにあたって、ジェームスがニセ父を責めることなく、
最後の「依頼」をするのが、なんといっても泣かせるのだ。
 そう、城達也のアレで妖怪人間が開幕するように、永井一郎によって1stガンダムが語られ
始めるように、「あの役」は作品を決定づける。そして主人公やほとんどのキャラの声。それ
を変えてしまうことは作品の印象をまったく変えてしまうことだ。ハミル父さんの特徴的な声は
ブリグズビーに欠くことの出来ない要素だったのだ。

 この物語は、自分で何かをクリエイトすることの興奮を呼び起こさせる。狂った前提から
始まるが、「映画というものは自分で作れるんだ」と気づいたジェームスの喜びを共有して、
ワクワクもする。ジェームスはしばらくは毛布を手放せないだろう。もしかしたら、この先
ずっと離れられないかもしれない。

 ただ、歳をとってきた私は、それほどに愛し続けられる対象があることを、素晴らしいこと
じゃないかと思う。ライナスの毛布は大人になってから新たに復活することもあるという。
そんな大人をみっともないなんて、私は思わない。むしろ羨む。



             (YKK1976さんの映画会 第105回 )


私たちが虚構にいのちを吹き込むとき、それは私たちと世界とを変える

投稿者:ロキュータス 2020年05月16日

( ネタばれあり )
 
 見始めてしばらくは、どうなることか、おっかなびっくりで観ていました。
 最近のハリウッド映画でコメディというと、下ネタとか、卑猥語・侮蔑語など下品さにうんざりさせられることが多いし、あるいはオタク度が度を越してイタイ作品を観させられるのではないかと心配だったのです。
 結果、杞憂に終わり、とても心地よい、心あたたたまる作品でした。

 1980年代、90年代がもはや「 なつかしい 」のですね。
 ネット配信やDVDではなく、ビデオテープというのがそうですし、作品のテイストがそう。 ゲイリー・マーシャル、ペニー・マーシャルやハーバート・ロスとかの作品を思い出しました。

 オタク、ひきこもり、サブカルのカルト的作品への思い入れということになると、わが身のありさまに多分にあてはまります。
 客観的に見れば、常識的に見れば、それは現実逃避の一言で斬られてしまうのですが、開き直って言えば、現実だけがその人の人生ではないですしね。
 宗教にせよ、アートにせよ、あるいは音楽やアニメやゲームにせよ、もうひとつの世界がなければ、人はみな・・・それが言い過ぎなら少なくとも僕は・・・生きてはいけない

 繰り返しの主張になりますが、非現実・虚構での全能感と現実での無力感のはざまで人は生きているわけです。
主人公ジェームズはブリグズビー・ベアの世界を発信し、それは現実世界の中で受け入れられていき、そしてブリグズビー・ベアの世界もまた現実世界を受け入れ、双方が変化し、つながる新たな世界を創り出していくのです。

印象的なのは、双子のスマイル姉妹は実在せず、ホイットニーはウェイトレスとして働く二人の子の母親でしたが、ジェームズへのいたわりはホンモノであり、そして彼がつくる作品の中でスマイルとして復活しいのちを宿します。
なぜか『 オズの魔法使い 』を思い出してしまいました。

ウソから出たマコトというものは実際にあり、これもまたその一つ。
私たちが虚構にいのちを吹き込むとき、それは私たちと世界とを変えるのですね。
ボッシュさんがおっしゃるように、肯定感に満ち溢れた、琴線にふれるいい作品でした。

( ykk1976さんの映画会 第105回のレビュー )

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