ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリーのクチコミ・レビュー

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映画の名シーンの数々が、《ハロルドの絵コンテ》から生まれた。

投稿者:カマンベール 2018年08月30日

2015年(アメリカ)製作・総指揮ダニー・デヴィート。

素晴らしいハリウッド映画製作の裏話満載です。

1950年代からおよそ50年間に渡り、100本以上の絵コンテ(夫のハロルドさん)、そして映画リサーチ(妻のリリアンさん)を担った名物夫婦を追ったドキュメンタリー映画です。

アルフレッド・ヒッチコック監督の「鳥」
マイク・ニコルズ監督の「卒業」
ハロルドの絵コンテからそのまま生まれたシーンが余りに映画そっくりで驚きます。
映画に確かなイメージと方向性を示す絵コンテはハロルド・マイケルソンの類稀な才能を現していて驚嘆します。

この映画はハロルドを支え、自身は映画資料のライブラリーで、
これまた映画の細部にリアリティーと正確さを与える仕事・・・
《映像リサーチ》に50年携わった妻のリリアン。
そのリリアンさんのインタビュー映像で進行して行きます。

親から虐待を受けて孤児院で大きくなったリリアンさん。
ハロルドさんとの出会い、結婚。
そして3人の息子の母親となりますが、長男のアランは自閉症。
その忙しい私生活の中でも、女性として《映像リサーチ》の仕事に、
手は抜きません。
リリアンさんの仕事は目に見えず、映画でもノンクレジットのことが殆どでした。
でもその分、夫のハロルドさんは、絵コンテ作家からプロダクション・デザイナーそして呼び名は、やがて美術監督となり、「スター・トレック」「愛と追憶の日々」でアカデミー賞にノミネートされるまでになるのです。

映画の名シーンの数々、そしてフランシス・フォード・コッポラ監督や、
ダニー・デヴィートさんのインタビューなど、非常に興味深い上に、
リリアンさんの語る私生活の話し。
中でもハロルドさんがセットの崩落で片脚の切断を危惧するほどの大怪我を負い、失意の中の2年間。
そして受けたテッド・ハワース監督からの「戦争のはらわた」への仕事のオファー。
結局はユーゴースラヴィアまで出向きながら反故にされる顛末は、
実にテッド・ハワース監督のゲスぶりがすごくて、実に強烈なエピソードです。

映画に愛され、映画を愛したハロルドとリリアン夫妻の、心温まり、
そして60年間愛し合った夫婦の物語は、本当に素晴らしいです。

映画を愛する多くの皆さんに観て頂きたいです。


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