いのちの紐のクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

3.6

観た人
58

観たい人
172

投稿者:ならず者ヨヘイ 2021年03月16日

いのちの電話にかかってきた一本の電話。
電話主の女”インガ”は睡眠薬での自殺を計っており、死までのタイムリミットが迫る。
彼女の居場所を聞き出すために必死に会話を続ける”アラン”。
果たしてインガを救うことは出来るのかー

顔も素性も分からない2人の会話と、過去から現在に至るインガの回想シーンは、さながらサスペンスにも似た作りとなっており、観る側を飽きさせない構造となっている。
これを成功させたのは言うまでもなく、本作の肝である”電話”であろう。

助けを求めているはずのインガの電話はまるで脅迫電話のようにも感じ、不思議な感覚に陥る。

回想シーンでのインガの自殺の動機自体は大してどうでも良く(と言ったら語弊はあるが)、本作の面白さは”電話”と”タイムリミット”にあり。

作り手のセンスを感じる作品。

投稿者:しろくろテレビ 2021年01月18日

題材は重いものの、かっこいい映画でした。ジャズが似合いそうな白がちの白黒に音楽はクインシージョーンズ。
ポワチエとアンバンクロフトが好演!
うまい!
ポワチエとサバラスとの声に出さない会話の緊張感。電話局、警察シーンのスピード感。ドキドキをあおる。
シドニーポラック若き日の作品。かっこよくイキってしまうよねー。
なかなかのお宝ものでした。

投稿者:ピクサートイストーリー 2020年12月20日

いのちのダイヤル

電話越しのアンバンクロフトは自殺志願者の声としてリアル、対応する学生役シドニーポワチエとのやりとりはなかなか良かった
回想シーンはもっと少ない方が良かったのでは?

音楽はクインシージョーンズ
   のちに彼はマイケルジャクソンのアルバムのプロデューサーになる

似ている映画にデンマークのギルティがありますが、回想シーンは無しです

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

小品ながら名優2人の好演

投稿者:趣味は洋画 2021年03月28日

いのちの紐(1965年・アメリカ、モノクロ、98分)

空中から映し出されたシアトル市の全景、やがてカメラは徐々に降下し、街のシンボルであるスペース・ニードル・タワーを捉える。更にカメラは地上に接近、ひとり寂しそうに佇む女性が目に入る。

画面は一転、鞄を小脇に抱えたまま、片手で自転車を走らす黒人青年の姿。足が長く、颯爽とした風貌に思わず見入ってしまう。やがて彼は自転車を降り、大型アメ車に乗り換え走り行く。

女性はアン・バンクロフト、男性はシドニー・ポワチエであるが、この2人、最初から最後まで同じ画面に登場することはない。つまり、共演とはいうものの、その関連性は「電話」による声の繋がりだけなのだ。

シアトル市立自殺防止協会の電話窓口でボランティアをしているアラン・ニューウェル(シドニー・ポワチエ)は、責任者のコヴァーン博士(テリー・サバラス)が外出した為、電話窓口はアランに任された。そこへインガ(アン・バンクロフト)と名乗る女性から電話が入る。インガは致死量の睡眠剤を服用したとのことで、居場所は勿論、主たる要因も分からない。アランは彼女の意識を繋ぎ止める為、具体的に何があったのかを聞き出そうとする。インガとアランは1本の電話線で繋がっているだけで、彼女の命運はアランに託されたも同然だった...。

映画はアランとインガの電話でのやりとりに加え、インガに起った出来事(回想シーン)、そして警察当局の必死の捜索ぶり、この3つが同時進行の形で描かれていく。
焦点がボケることなく、単純明快でサスペンスフルな展開に目が離せない。
フォードのパトカーをはじめとした昔のクルマ、警察内部の電話逆探知のメカニズム、頭と腰を激しく振りながらディスコで踊る若者たち...60年代を懐かしむに十分な映像が興味深い。

ローバジェットで小品ながら、粋でスパイスの効いた本作を手掛けたのは、映画初監督となるシドニー・ポラック。初とはいってもTV作品の経験が生きており、本作後には数多くの名作を監督し、プロデューサーとしてもヒット作を作り続けていくことになる。

脚色は74年「タワーリング・インフェルノ」のスターリング・シリファント。
67年「夜の大捜査線」、68年「まごころを君に」、72年「センチュリアン」、76年「ダーティハリー3」なども彼の脚本である。

シドニー・ポワチエの出演作品を観るのは本作が16本目で、既に63年「野のユリ」でアカデミー賞・主演男優賞を受賞しており、貫禄は十分。本作出演時は37歳~38歳くらいで、さすがに大学生には見えなかったが、足の長さと身のこなしの軽さで十分カバーしている。

一方のアン・バンクロフトも62年「奇跡の人」のサリバン女史役が絶賛され、アカデミー賞・主演女優賞を獲得済。アクターズ・スタジオ出身に加え、ブロードウェイの舞台経験の豊富さは、彼女の女優人生を揺るぎないものにしている。

クレジット3位のテリー・サバラスがどのような役柄なのか注目して観ていたが、意外にもおとなしい。
依って記述するほどの材料がない中、やはり頭髪部分には注目(笑)。
61年「恐怖の岬」の頃は、まだ頭髪が確認できていたが、この4年間ほどの間に、‘もういっそのこと...’と思い切ったのだろう。

尚、冒頭に記したスペース・ニードル・タワーが舞台となった映画で、74年「パララックス・ビュー」(アラン・J・パクラ監督)があった。ウォーレン・ベイティ主演の社会派サスペンスの傑作だったので、機会があれば再見してみたい。

シドニー・ポラック監督初の長編映画

投稿者:飛べない魔女 2021年02月27日

『ライフ』誌に掲載された実話を基に
それまでTVシリーズを手がけてきたシドニー・ポラック監督が
初めて長編映画としてメガホンと取った作品です。

いのちの紐とは電話の回線のこと。
自殺予防協会でアルバイトをするハンサムな黒人青年アラン。
インガと名乗る女性から睡眠薬を飲んだ、もうすぐ死ぬと電話が入ります。
だんだん意識が朦朧とするインガから、何とか居場所を聞き出そうと奮闘するアラン。
インガから薬を飲むに至った経緯に丁寧に耳を傾けながらも
一方で警察や所長の博士に連絡をとり、逆探知を依頼します。
若き黒人青年が、必死で一人の命を救おうとする様が感動的でした。

インガ役のアン・バンクロフトが当時30代前半ぐらいでしょうか、実に綺麗です。
アップのシーンが多い中、モノクロ作品ということもありますが
うっとりするくらいの美しさに溜息が出ました。
不貞のために生まれた息子の出生の秘密を夫に知られることになり
絶望するインガ役を、妖艶な声もあって、見事に演じていました。

若きテリー・サバラスも博士の役で出演していました。
とはいえ、既に頭は刑事コジャック状態でしたが(笑)

ポワチエの秀作群の1角を占める好感作。

投稿者:CCR 2020年12月02日

自分が洋画にはまっていくきっかけを作ったのは映画好きの親の影響で幼少時にテレビで付き合わされた毎週金曜日に高島忠夫が解説していた「ゴールデン洋画劇場」で放送されたスタンリー・クレイマーの「手錠のままの脱獄」を観てからである。ここで初めて主役だったシドニー・ポワチエを認識してラスト、同じ脱走犯で最初はいがみ合っていたトニー・カーティスと繋がれた手錠を漸く外せてラスト、自分だけならそのまま逃げられた走行する陸橋上の貨物列車上からその後ろをカーティスが必死で走りながら追いすがるが、足をケガをしていてどうしても列車に飛び乗れない彼に必死で手を差し伸べて掴もうとするのだが敵わず、敢えて自分も彼と一緒に列車から土手を転げ落ちた彼の心意気に痺れた。以後、彼の作品を注目して追う様になる。当然ビデオなど影も形も無い時代にテレビもしくは名画座で偶然遭遇するしかなかった中で彼の作品を「いつか見た青い空」「野のユリ」「夜の大捜査線」そして本作と徐々に観ていって何れも秀作なので益々彼を追いかけ、1作ずつ観る毎に彼の演じる役のチョイスは凄いなと思う様になった。(吹替えは絶対田中信夫しか有り得ない。) ゴツイ風貌の多い黒人の中で彼とモハメド・アリは非常にきれいなハンサム顔をしていて体型もスマートでカッコ良かった。当時からポワチエの事を白人におもねった黒人と、黒人の一部からさえも裏切り者扱いをして侮蔑的な事を抜かす輩(これは彼にとって本当辛い仕打ちだと思う。) がいる風潮も知っていたがアメリカで当時人種差別真っ盛りの時代で孤軍奮闘して誰も開拓していないその道を切り開いていった彼がどれだけ苦労と努力をしてきたかは想像もつかないがそんな逆境を全く感じさせない、常に作品でクールで知的で爽やかな笑顔の彼は自分にとって好感度抜群だった。(黒人俳優正統派の本流で彼の後継者とも云えるデンゼル・ワシントンも彼の事を尊敬している旨のコメントを読んだ記憶があってこれは嬉しかった。) 
本作はこんな古い作品でありながら今、こんな世の中で益々その存在感を増している元祖「いのちの電話」をテーマにした秀作である。たまたま夜の宿直当番だったバイトの学生、ポワチエが偶然電話応対した自殺願望の一人の女性、薬を飲んでタイムリミットが設定されたアン・バンクロフトとの会話劇だけで何とか彼女の居所を掴んで救出しようとスリリングに進行する脚本が上手い。(ポワチエのボスがギャングの親分みたいな風貌のテリー・サバラスというのも意外性があって面白い。 監督もこれがデビュー作だったシドニー・ポラックなのもその後の活躍を暗示している。) ポワチエの全作品中、心残りは未だソフト化されていない盟友ラルフ・ネルソンと後期に組んだマイケル・ケイン共演の「ケープタウン」と監督2作目の「12月の熱い涙」を当時見逃してしまった事だ。(監督1作目で大物歌手ハリー・ベラフォンテと組んだ「ブラック・ライダー」がソフト化されていないのに突然NHKBS平日午後1時に放送している「プレミアム シネマ」で放映されたのは嬉しかった。(この番組は時々エリア・カザンの「アメリカアメリカ」みたいな珍しい作品を放送するので油断出来ない。「ブラックライダー」は黒人版「明日に向かって撃て!」みたいな作品で白人がもろ悪役になっている。この時期、アメリカン・ニューシネマの勢いもあってアメリカン・インディアンを擁護し騎兵隊を徹底的に叩いたラルフ・ネルソンの「ソルジャー・ブルー」といった既成の西部劇と異なる作品が登場してきて面白かった。ジョン・ウェインやボブ・ホープは苦々しく思ってたろうな。) 私生活でも「冒険者たち」で人気が出てポワチエと「失われた男」で共演したジョアンナ・シムカスと即結婚して彼女が主婦業に専念して表舞台から完全に消えて彼を支えているのもいい感じである。(先日も偶然、ユーチューブで過去のアカデミー授賞式関係の映像を見ていたら「夜の大捜査線」の年の主演男優賞候補だったロッド・スタイガーが当日発表待ちの会場楽屋で、ポワチエが彼の連絡世話係の様に楽屋と会場を行ったり来たりして彼を気遣って動いている映像を見て益々好感を持った。昔はこの作品は主演はポワチエであって、スタイガーは助演ではないかと不満だったが、その後何度も観る内にスタイガーの役の比重も主演と同レベルのウェイトだなと思い直した。)

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