ダブル・サスペクツのクチコミ・レビュー

クチコミ・レビューFilmarks

2.8

観た人
187

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586

投稿者:yuusai 2020年11月05日

第72回カンヌ映画祭で印象的だったのは中国の単独、或いは合作が各セグメントで目に付いた。「シネフォンダシオン」映画学校の生徒の作品も上映するが、2000作の応募の内、17作を選出。一部はYouTubeでも見れるが、彼らも中国ウイルスで映画祭が翌年無く為るとは想像出来無かったろう。2020年はオフィシャルセレクションとして、日本から河瀬直美監督「朝が来る」が選出。本作も公式出展作品。

Arnaud Desplechin。フランスの俳優なら一度は出たいと思う映画監督。代表作「キングス&クイーン」「あの頃エッフェル塔の下で」来歴から言えば私のテリトリー(ミステリー、スリラー)から縁遠い監督ですが、WOWOW放送時のタイトル「ルーベ、嘆きの光」ふむ、監督らしい。しかし、Lea Seydouxが「スペクター」に続いて「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」に出演が決まり、アルバトロスが急遽DVD化。タイトルも「ダブル・サスペクツ」に変更。あの監督がサスペンスを撮るのか?と訝しく思った貴方、勘が冴えてます。

舞台はフランスのルーベ。自転車のロードレースで有名で、一流選手を何人も輩出してる。他にはLVMH+Christian Dior会長もこの町の出身。信じられないだろうが、節税の為に祖国を捨てベルギー国籍を企てた。そして監督の出身地で有る。日本で言えばフランス国ノール県リール郡ルーベ町、人口は9万人。ベルギーとの国境沿いで、オランダ語とフランス語が混在。フランスで最も貧しい街と煽ってるが、EUの国境沿いの街は何処も貧しく治安も悪い。加えて移民問題が頭を擡げる。

監督の故郷で起きた実際の事件に着想を得て、自ら脚本も手掛けた。アラブ系フランス人の警察署長(良い存在感)の目を通して、故郷の今を描くが冒頭の「映画の中で起きる小さな事件も大きな事件も事実で有る」からして、ハリウッド的娯楽作品で無い事が分る。フランス映画に詳しい方なら、プロデューサーPascal Caucheteux「わたしは、ダニエル・ブレイク」を手掛けたと分るので、サスペンスで無い事もハッキリする。サスペンスなら、カンヌ映画祭審査員賞「パリ警視庁 未成年保護部隊」がお薦め。

スクリプトの前半は推理小説で言う「モジュラー型」、往年の刑事ドラマを彷彿とさせる展開で、署長を軸に様々な事件が勃発し平行する。内容も雑多で署長の姪の失踪事件まで有る。フランスらしい「じっとり感」が味わえるが、後半に為るとダブル・サスペクツが出て来る。英米のロジック的捜査と言うより、フランスを代表する推理作家Georges Simenonの代表作「メグレ警視」の様に、人間を観察する視点が重視され、監督の演出も粘りを見せる。ミステリー的に言えば紐解く鍵は「共依存」ですが、それに留まらない魅力が本作には有る。

Lea Seydouxの活躍、と言うか美形に期待されると困る。彼女はスッピン(多分)で終始出続けるので「スペクター」で見せた典型的なフランス美女の影も形も無い、メイクしないと本田翼に似てるな・・と思わなくも無い(笑)、DVDの発売日が「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」を想定したので、公開延期はセールス的には痛い。同じカンヌ出展作「レ・ミゼラブル」の方が社会派として良く出来てるし「パリ警視庁 未成年保護部隊」の方が時事問題に深く切り込んでるので名監督、と言う枕詞で悪戯に持ち上げてる感も無くはない。

観る前に「アレ?」と思ったのは、監督の作品にしては上映時間が短い事。やはり、と言うべきか前半の事件を説明するシーンは、もう少し時間を割いて欲しかった。フランスらしく物的証拠では無く、心理分析で迫る展開は悪くないが、ハリウッドの「どんでん返し」を期待すると×。監督の作品はコマーシャルベースで面白い、と言う範疇を超えてるので「地味なサスペンス」と言われても仕方ない。

人の絆が消えた町ルーベ「嘆きの光」は署長を指すのだろう。フランス映画がお好きなら。

投稿者:eriiko 2020年10月28日

個人的には嫌いではなかったなぁ。ずーっとどっちが嘘ついてるのか分からない感じ。レアセドゥは魅力的な役者さんだとは思う。

投稿者:ジエノー 2020年10月27日

本作を観終えるまでに4日かかりました。
観ると寝てしまう"観る睡眠薬"が本作にも入っているようです。

ババアが強盗に入られて殺されて、その容疑者が女二人ってことでダブルサスペクツってお話。

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ダブル・サスペクツ

本編再生
チャプター
セットアップ
日本版予告
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って起きたら画面に映し出されてるわけですよ。
映画終わってメインメニューに戻ってるんですわ。

寝落ちしてるから念の為記憶が曖昧なところはもう一度観るんですがそれでも寝落ち。
起きてる間、つまり仕事中もまぁまぁ忙しくフィルマを開けず。
その間に劇場版鬼滅の刃が興行収入100億円を突破。
迷子になっていた警察犬が見つかる。
などなど世間は進むも本作は中々観終わらず。
昨日は休みでしたが片付けをして疲れて晩ごはんも食べず15時間寝て朝を迎えました。

え?本作の感想ですか?
「2人の女が事件を迷宮へと誘う」って書いてますけどよくある話が食い違ってたってだけです。
その間に訳わからんガキを捕まえたり話聞いてたりしましたけど全然関係なかったですよね・・・
つまりってことです。
紛れもないクソ映画です。

2020年455本目

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クチコミ・レビューTSUTAYA DISCAS

シロクロはっきりさせたい人には 悩ましいかも

投稿者:kazupon 2020年09月21日

監督:アルノー・デプレシャン(2019年・仏・119分)
原題:ROUBAIX,UNE RUMIERE(ルーベ、嘆きの光)


ベルギー国境に近いフランス北部の町・ルーベを舞台とする物語。
多様な民族が暮らし、強盗・麻薬密売など凶悪犯罪が蔓延っており、75%が問題区域に指定され、45%が貧困にあえいでいる。
そんな町のルーベ署の署長・ダウード(ロシュディ・ぜム)は、クリスマスだというのに放火事件の捜査だ。
通報者は、クロード(レア・セドゥ)というシングルマザーで、マリー(サラ・フォレスティエ)という同居人がいる。
クロードの証言は曖昧で、捜査線上に浮上した男たちには、それぞれアリバイがあり空振りに終わっていた。
そんな矢先、再びクロードが通報して来る。今度は、隣家の家のドアをこじ開けようとしている不審者がいるという。
これはただの物取りではなく、殺人事件に発展する。この家の老婦人が絞殺体で発見されたのだ。
「放火」と「殺人」これで、やっと映画のタイトル通り、ダブル・サスペクツになった。
メインとなる事件以外にも、自分の車に火をつけた男の話、家出少女、パン屋に押し入った暴漢など、ルーベ署内や刑事たちの様子が映し出される。
署長のダウードは、署員たちに捜査を振り分けながらも冷静に事件と容疑者を観察し、プロファイリングの精度は高いと感じた。
ダウードが出した結論は、「放火も殺人もクロードたちが犯人」
クロードとマリーを別々の場所で尋問するが、彼女たちの証言は食い違う。
ダウードは冷静に、刑事たちは怒鳴りつける様に彼女たちを追い詰めて行く。
二人一緒に立ち会わせての現場検証では、二人の力関係が垣間見えて、マリーがクロードの証言に寄せて行ってるように見えた。
クロードを演じるレア・セドゥ。観る度に(役毎に)印象が違って戸惑う。(と言うより面白い)
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の女殺し屋の役(当時26歳)では颯爽とカッコよかった。
『美女と野獣(2014)』ではベル役(当時29歳)を演じていた。
本作公開時は34歳。ほとんどスッピンで生活に疲れた貧しいシングルマザーを好演していた。
劇中、クロードは署員たちから「あの美人」と呼ばれていたが、どうだろう?
一瞬、キャシー・ベイツに見えた時もあったけど。(ゴメン。どちらに謝ってるのか分からない。笑)
ラストまで観て、多分、こうだったのだろう。と予想は出来るが、事件の全容は示されないので、モヤモヤが残る人が多いだろうと思う。
私は、かなり面白かったと思うけどね。

“謎”ってやつには、豊饒な味わいがあるのです。

投稿者:ポッシュ 2020年08月26日

これもレア・セドゥ狙いで鑑賞。
アルノー・デプレシャン監督作と知って、「え、なんか意外」・・・と思ったら、
作品の舞台になってるフランス北部の貧困街ルーベって、監督さんの出身地みたいですね。
で、本作の事件は、元ネタがあって実話ベースらしい。

レアはもう30代半ばでしょうか。なんと強盗殺人事件の容疑者役です。
このジャケ写だし、タイトルだし、普段の自分だったら絶対借りない・・・。(^^;
ところが、これがメチャクチャ面白かった。

いわゆる“警察もの”って言うのかな、「警察24時」みたいなリアルな雰囲気が
この手のジャンルは門外漢な自分には、面白く感じられ。
いやフランスの警察内部のリアルがどんなだかは全く知らんけど。

容疑者を拘束して留置所に入れる前に、ベルトや紐を外させて(女性はブラまで取るんですね)、
指紋と掌紋をとって・・・なんて警察の「お仕事」の様子が、興味深かった。
普通こんなシーン、いちいち描かないと思うんだけど。

クロード(レア・セドゥ)と同居人のマリー(サラ・フォレスティエ)は、
老女を殺害した容疑で取り調べを受けるのですが、2人の供述が食い違うので、捜査は難航する。
どっちがウソをついてるのか、或いは2人ともが嘘つきなのか、別々に取り調べをしてる時と、
2人一緒に供述させる時で、また話が微妙に変わったり。

こういうところに2人の人間関係、もっと言えば力関係が見えて、なんというか
人間の弱さ、醜さ、狡さ・・・うーん、ひっくるめて罪深さと言っていいかなぁ、
そんなものが見えて、胸苦しくなってしまうのです。
それも彼女たちの生来の性格ゆえと言うよりは、たぶん、育ってきた環境、貧しく、恵まれない、
不遇な生活の延長線上で、こういう事が起きて、こういう仕草で精いっぱい自分を守ることしか出来ない、
そんな、やるせなさが伝わってくるからさー。
オバサンは固唾をのんで見守ってしまったよ。一瞬たりとも退屈なんかしなかった。

そして実況見分というのでしょうか、2人を現場に連れていって実際にどう動いたかをやらせるのですね。
普通はこういう時、ヴォイスオーヴァーで再現フィルムみたいな過去映像が出てきて
「答え合わせ」しちゃうと思うのだけど、それが一切ない。
ガチの現場検証です。緊張感ハンパない~。
そこでも、また、2人の言動がコロコロ変わって、もう何が真実なのか訳が分からなくて、
当の本人たちも困惑して混乱して、全くのカオスになってしまう。女優2人の迫真の演技が、白眉。
なんだ、これ?って感じ。(←いい意味の驚き)

そして帰りの護送車の中で、クロードとマリーはチラチラっと視線を交わす。
この時の2人のビミョーーーーーな表情!
なになになになになに???それ、どういう顔?どういう意味??って、笑いがこみ上げてきちゃいました。
この「分からなさ」は、ヘタにドンピシャな答えを示されるよりも、各段に楽しい。

これは、小説を読んでるような面白さ・・・かなぁ。
“謎”ってやつには、豊饒な味わいがあるのです。
「人間の分からなさ」に眩暈(めまい)がする、そのクラクラっと身体が揺れる感覚が楽しいというか。

最後に。

主役の署長のザイード(ロシュディ・ゼム)というキャラを褒めさせてください。
渋くて優しくて度量が大きくて胆力があって、んもう、イイっ!!!
かっこいいとは、こういう男のことよ。(言い切る)
彼は生粋のフランス人ではなく北アフリカからの移民。自身がマイノリティだからこその「深さ」「強さ」でしょうか。
「弱み」(出自を否定して言ってるのではありませんので、誤解なきよう)があるからこその「強さ」って、
まさにレジリエンス、しなやかな強さ、なのですよね。

警察捜査の闇

投稿者:なゆ(21)デンゲリ 2020年08月22日

 わかっていたことでもあるのだが、フランス映画って暗いよね。なんか雰囲気がどんよりしている。

 そんな今作は放火と殺人。暴力、麻薬、貧民街。もう重苦しいテーマしかない。

 冒頭の取り調べからして暗雲が。
 被害者がはっきり覚えていないのはわかるし、証言が曖昧で二転三転するのもわかるんだ。人間ってそういうものだから。
 それを保険金詐欺だとかすぐそっちにいくんだね、この警察。そういうのが多い土地なんだろうけど。
 もう、こういう病んでいる状況からの事件ですよ。
 捜査もなんだかな……ですよ。
 基本的には疑わしい人を捕まえて自白させる。証拠があるとか言って強要していく。とんだ警察だ。こんな捜査でいいのか。
 こんな捜査で解決できるとかどうかしてる。迷宮入り方向に進んで当然だろ。どうなってるんだ、このストーリー。

 薬物もあって妄想もあるから真実がもうちんぷんかんぷん。

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