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親しく想うものを殺してしまう。残酷で悲しいヴァンパイア物語。【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

悲恋の物語として描かれることの多いヴァンパイアの恋物語。
ヴァンパイアをテーマにしたヒット作は多く存在する。
小説や漫画、映画など色々な形で表現されてきたヴァンパイア。
そんなヴァンパイアとの恋愛について描かれた作品に私は惹かれる。異性の血を吸うというヴァンパイアが、生きるために必要な食事はその対象を傷つけなければならない。
好きな人が出来たヴァンパイアには好きな人を傷つけてしまってもその人の血を吸うか、好きな人以外の誰かの血を吸うという事を選ばせる展開が多い。
これは、「好きな人は守りたいモノであると同時に傷つけたいモノである」という人の恋愛に対する内面的な気持ちと、「好きでもない人の血を吸うという背徳感」と、どちらを選んでもそこに暗いものが残るという所になんとも言えない魅力があるからだと思う。
1日の恋人を繰り返す事でしか生きられないヴァンパイアの少女。
今回紹介したい漫画は『私の恋で死んでくれ』
この作品はヴァンパイアの少女の物語なのだが、この作品のヴァンパイアの特徴は血を吸うわけではなく人の精気を吸ってしまう。
親しい人と接した時にその絆を通して精気を吸う。
彼女はこの事に赤ん坊だった弟を抱いていた時に弟を殺してしまった事で知った。
彼女に父はいない。
そして、自分の周りでは人の死が多かった。
その理由を彼女は一番悲しい形で知る事になったのだ。
精気を吸わなければ死んでしまうヴァンパイア。
それから彼女は1日デートをしたその日だけの恋人を繰り返し作り精気を吸い殺す事で生きる残酷な日々を過ごしてきた。
そんな彼女と彼女を気にかける男性教師の物語がこの『私の恋で死んでくれ』だ。
物語の中で淡々と語られる彼女の過去を知りながら冷えきっていた彼女の世界が少しずつ男性教師によって暖かさを取り戻していくのだが…。
ヴァンパイアと人間。教師と少女。
色々な関係性やどうしようもないハードルがもどかしく、非情に彼女の前には存在する。
この物語が迎える結末は一体どんなものなのか。
少女と少女がこの世界に見つけた小さな希望である彼ががこの残酷な日常を変える事が出来るのか。
タイトルに込められた意味を考えながら次巻の発売を楽しみに待っている。
(文:仕掛け番長)
仕掛け番長のおすすめ本

【コンシェルジュ】仕掛け番長
栗俣力也(くりまた・りきや)。小説、特にミステリーとマンガが好きな書店員。絶版書の復刊プロデュースを数多く仕掛け、ヒット本を発掘することで知られ、読者や出版業界関係者に「仕掛け番長」の愛称で呼ばれる本が大好きな日本男児。
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