話題の春アニメ原作『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│ヒロインの可愛い見た目とは裏腹に心が痛む…。
神待ちを思い出させる歪な出会いと、大人とは何かを考えさせられる成長の物語

春アニメ放送開始後に話題になっている作品はいくつかあるが、その中でもヒロインの可愛い見た目とは裏腹の心が痛むようなストーリーで話題になっている作品がある。

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』
この作品のヒロイン沙優は家出をし自分の体と引き換えに宿を転々としてきた少女だ。
社会問題ととらえる声も多い「神待ち」。
家出少女たちがSNSなどで宿や食事を無償で提供してくれる男性を探す。
そんな神待ちを思い起こされる家出少女の沙優。彼女とサラリーマンである吉田との出会いからこの物語は始まるのだ。

IT企業に勤めるサラリーマン吉田は片想いをしていた相手に振られ派手にやけ酒をして家に帰る途中、路上に座り込む一人の少女と出会う。酔っていたこともあり家に沙優を迎えてしまう吉田。
しかし吉田には下心は無く本当に彼女を泊めただけ。「何かして欲しいことはない?」と尋ねる沙優に、酔ってフラフラな吉田が伝えたのは「味噌汁が飲みたい」というなんだか気が抜けるようなお願いだった。

翌朝起きると、吉田には沙優を迎え入れた記憶はなく、「何で女子高生が家にいるんだ」と混乱をしてしまう。しかし家出をしていき場のない彼女を追い出すことは出来ず、吉田は家事をすることを条件として沙優を家に住まわせることにするのだが…。

この物語の捉え方はとても難しいと思う。
吉田が彼女を家に住まわせるという行動は、決して褒められたものではないことは間違いない。しかしそんな吉田は沙優にとって唯一の子供でいていい場所となっていく。
それが沙優にとってどれだけ救いとなっているのかを考えることは容易い。

家出を選んだ彼女の歩んできた過去や彼女に対しての吉田の想いや考え。

大人とは何か? という悩みから逃げずにまっすぐ居ようとする吉田。
そしてそんな吉田により変わっていく沙優。

原作のライトノベルはもちろん、コミックスも非常に丁寧に描かれ物語をしっかりととらえ厚みのあるストーリーを大いに引き出し魅力的なコミカライズとなっている。

気になった方はぜひお手に取っていただければと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

4巻まで発売中

著者:しめさば、足立いまる、ぶーた
出版社:KADOKAWA

 

<コミック>ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

5巻まで発売中

著者:足立いまる、しめさば
出版:KADOKAWA

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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