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3つのメディアで “結末”が異なる『キャラクター』小説&マンガで映画を“補完”

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(c)2021 映画「キャラクター」製作委員会

マンガ原作のドラマや映画、はたまた映画版のノベライズなど、1つの作品は複数のメディアで展開するという手法は昔からあるが、今回取り上げたいのは『キャラクター』。俳優の菅田将暉が主演を務め、「SEKAI NO OWARI」のボーカル・Fukaseの俳優デビュー作としても話題を集め現在、映画が公開中なのだが、実はそれぞれ“結末”が異なる仕掛けが。ネタバレに気をつけつつ、味わいや楽しみの違いをみていきたい。

マンガ版『キャラクター』はマイルドだが意外性あり

『キャラクター』は、マンガ家・浦沢直樹の作品を数多く手がけてきたストーリー共同制作者・長崎尚志が、“構想10年”で練り上げた企画。「もしも売れない漫画家が殺人犯の顔を見てしまったら? しかも、その顔を“キャラクター”化して漫画を描いて売れてしまったとしたら??」というアイデアが基軸の物語なのだが、設定からしてなかなか魅力的だ。

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そんなダークエンターテインメントな作品の中から最初に目にしたのはマンガ版『キャラクター』。「僕の顔見ちゃったよね」という意味深なセリフから幕を開け、売れない漫画家・山城が殺人鬼・両角と遭遇したことで彼をモチーフにしたマンガを描き始めるのだが、第1話にしてあっさり容疑者として辺見という男が逮捕される。山城が両角をイメージして描いていることを読者である我々は知っているので、あくまでも警察側の失態に見えるのだが…辺見が口にしているセリフの数々を、結末を知ってから読み返すと、いろいろと裏側が想像できて面白い。

全1巻で完結しているので、必要最低限の情報と展開でドラマが進行していくため、全体的な印象としてはマイルド。とはいえ仕掛けの巧妙さと結末に至る展開は意外性で、しっかり楽しめる。ダークさ薄めなので、強いて言うなら“万人向け”という印象か。

小説版『キャラクター』はちょっとした“イヤミス”感も

キャラクター

続いては小説版。個人的な意見ではあるが、もし可能なら映画版を観てから読む方が、いろいろな角度から味わえるかもしれない。基本的なストーリーは共通なのだが、次第に方向がずれていくだけでなく、なによりも山城というキャラクターがマンガ版とは大いに異なる。その点だけを持ってしても、マンガ版にはない“不穏な空気感”というものが、たえず漂っているような気がする。

山城、両角、辺見、そして刑事の清田。主要な登場人物はどのメディアでも共通なのだが、いわゆる“役割”のようなものが違っており、そのため見え方や結末が変動。やはり興味深いギミックと言える。マンガ版を読んでいたにも関わらず先が気になり、そしてある意味で「そうくるか」といったテイストの結末は、なんだかんだで嫌いじゃない。ダークな雰囲気が好きな人は、マンガ版より小説版の方がオススメかも。

映画版『キャラクター』…3メディアの違いとは?

マンガ&小説のいずれも読了してから映画版を鑑賞。キャスト陣の演技力もあるのだろうし、演出や構成も良く、最初から最後まで引きつけられたのは◎。ミステリーやサスペンス系の映像作品は何かとハードルが高く、満足感を得るのが難しい一面も否めないが、どうしてなかなか。伏線回収からゾッとするようなクライマックスの描写まで、しっかりと堪能できた。ダークさ&エグさは、映画版が一番強い印象だ。

全『キャラクター』を堪能した結果、どれをどの順で楽しむかは「卵が先か、鶏が先か」に近く、どれからでもOK。ただ一つだけ言っておくと、小説版は映画の細かな描写を補足しているような雰囲気もあるので、映画を奥深くと思うなら小説を先に、あとから自身の考察の答え合わせをしたいという人は小説を後に読むがいいかもしれない。マンガ版はもっともテイストが違うので、いつ読んでもいいと思う。個人的には小説版のノリが好きかも。こういった試みは、作り手側にとっては大変だろうが、今後もまた体感したい。

キャラクター(コミック)

著者:いわや晃、長崎尚志/出版:小学館

キャラクター(コミック)

キャラクター(小説)

著者:長崎尚志/出版:小学館

キャラクター(小説)

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

執筆記事一覧

アーティスト情報

菅田将暉

生年月日1993年2月21日(28歳)
星座うお座
出生地大阪府大阪市

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長崎尚志

生年月日1956年1月14日(65歳)
星座やぎ座
出生地宮城県仙台市

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