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これから始まる夏にピッタリなストーリー&煌めきが詰まった『南国トムソーヤ』

南国トムソーヤ

子供時代に楽しかった夏の思い出&ファンタジーが融合

先週末から梅雨明けニュースを目にするようになり、気づけば猛暑日に注意という話題が連日続き、今年も夏到来という時期に。そこで暑さには十分気をつけつつも「夏」を感じられる作品が何か読みたい、ということで『南国トムソーヤ』(新潮社)を紹介したい。

本作の作者は、『大東京トイボックス』などで知られるうめ(小沢高広・妹尾朝子)。東京から羽照那島に転校してきたワケあり少年・狩野千晴が、慣れない島の生活に悪戦苦闘する中、島の少年・竜胆と出会うことで次第に生活が変わっていく……というストーリーが描かれる。

沖縄付近にある島をモチーフにした場所が物語の舞台と、まさに夏にふさわしく、しかも都会からやって来た少年と島に暮らす地元の少年が出会い、ちょっとした冒険譚がくり広げられるというのは、王道テイストではあるものの、こちらも夏らしさを感じさせてくれ、呼んでいて清涼感を堪能できる。

島に眠ると言われている翼竜の化石を探索といった子供時代ならではの煌めきもあれば、沖縄離島をモデルにした文化や風習、食といった生活面のディティールを細かく描写し、楽しさだけでなく地に足がついた日常の模様も盛り込まれ、物珍しさを相まってキラキラ見えるのは素敵だ。

そんな“リアルジュブナイル”的なノリが痛快でありながら、さらに伝承や遺跡をはじめとする考古学や民俗学をベースにした要素、はたまた超常現象までファンタジー展開もつぎ込み、南国の離島というエキゾチックさとの相性は言うまでもなく、バランス良く読み手を攻め立ててくれる。

コマ割りや作画のテイスト、そして構築されたドラマの内容から、ちょっとした映画を鑑賞したような気分にも。とにかく夏を感じることができる、爽快な一作。テンポ感もあって巧妙にまとめられており、全3巻で完結済みなので気軽に一気読みできるのも良い。欲を言えば、もっともっと広がりそうな気配があるだけに、もう少し物語に浸っていたかったと思わせてくれるのも、それだけ色濃いストーリーだからだろう。夏作品はまだまだあるので、また紹介したい。
 


南国トムソーヤ

著者:うめ/新潮社

南国トムソーヤ

3巻まで発売中

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

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