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『チ。―地球の運動について―』は読み進めるほどにタイトルに込められた“意味”に気づかされるのが痛快

チ。 地球の運動について

好奇心や探究心を刺激してくるストーリーがGood

意味深だったりキャッチーだったり、作品タイトルに引かれて観たり聴いたり読んだり、といった経験をしたことがある人は少なくないはず。本作のタイトル『チ。』もまた、なかなかに興味深く、サブタイトルの「地球の運動について」も含め、どのような物語が紡がれていくのか、一瞬にして気になってしまう。

本作には、「命を捨てても曲げられない信念があるか?」「世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?」というキャッチコピーが掲げられているのだが、さすが公式がつけただけあり、言い得て妙。ただし、ここでいう「真理」とは、どちらかというと「自ら信じるもの」や「己を熱くさせるもの」といった意味合いが強めだ。

物語は、異端な思想を持つ人間が迫害されていた15世紀のヨーロッパを舞台に、主人公・ラファウが謎の男と出会い、異端思想の“ある真理”に魅入られてしまうところからスタート。12歳で大学に入学するほどの神童であるラファウは、合理性を重んじる性格だが、すべてをなげうってでも「真理に迫りたい」という情熱にあらがえない姿は、危うさを感じさせつつも、どこか魅力的で目が離せない。

彼がとりつかれた“ある真理”は「チ」を成す一つであり、本作には至るところに「チ」を織りなす要素が散りばめられている。つまり、読み進めれば進めるほど「チ」の世界が広がっていくことを体感でき、そんな読書体験がまた新鮮で面白い。

熱量の高いセリフや緩急自在の演出、コマ割りやストーリー構造に至るまで、それらすべてが物語世界により深みを与え、とにかく先へ先へと読み進めたくなる。知的好奇心をくすぐるだけでなく、センセーショナルな展開も用意されており、マンガ作品として楽しませてくれる仕掛けもバッチリ。本当は前情報を入れずに読む方がいいのだろうが、もし本コラムを読んで気になった人がいたら、即座に読み始めてもらうことをオススメしたい。


チ。 地球の運動について

著者:魚豊/出版社:小学館

チ。 地球の運動について

4巻までレンタル・発売中

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

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