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『チ。地球の運動について』命をかけても守りたい真理はあるか?心を燃やす、何かが欲しくなる一作。※ネタバレ有【TSUTAYAプレミアムでコミック三昧】

チ。地球の運動について

『チ。地球の運動について』

『TSUTAYAプレミアムでコミック三昧』は、定額サービス『TSUTAYAプレミアム』を活用し、気になるコミックの1~3巻を読み、あらすじや感想をざっくり紹介していく記事シリーズです(※紹介上、ある程度のネタバレに触れざるを得ないためご注意を)。

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2021年9月22日のタイトル『チ。地球の運動について』

読む前の感想:「チ。って何だ…!?」思わずレンタルしちゃった強烈なジャケ。

本日は、本企画最初の1本目の作品ということで、店舗でどうしても気になった『チ。地球の運動について』をチョイス。

実は私自身が沢山マンガを読んで育ったわけではなく、読んだことがあるのは映像化もされた定番の作品ばかり。
そんな中で本企画を始めるにあたって、改めて店内で何を借りようか…と探しているうちにどうしても惹かれてしまったのがこちらの作品。

マンガのジャケをまじまじと見るのは久しぶりのことでしたが、大きく書かれている“チ。”の文字。「チ。って何…!? 何のチだ…?」と気になってしまったので思わず手に取りレンタルしてしまいました。まんまとジャケ借りです。

1~3巻までのあらすじと感想

第1巻のあらすじ・感想「命に変えてでも守りたい真理を貫く、狂気的な主人公が圧巻」

神が創造した地球が宇宙の中心という考え方の天動説。それを否定することは神への冒涜であり、否定につながる理論を研究するものは異端者である。『チ。地球の運動について』は、異端思想が過激に弾圧されていた中世ヨーロッパを舞台に描かれている歴史漫画です。

15世紀前期、中世ヨーロッパのとある国、P国。そこではC教という宗教が力を持ち、彼らが唱える天動説が信じられていました。P国で暮らす、主人公・ラファウは、12歳にも関わらず大学に合格するほどの優秀な子供。なによりも合理性に従って生きれば世界はチョロいとなめている、ちょっと嫌味な奴。
そんな中、「地動説」を研究して異端者として投獄されていた天文学研究者のフベルトと出会い、宇宙の真理である地動説の存在を知ることに。しかし、C教に観測内容が見つかりフベルトはラファウをかばって焼かれ死に、その後ラファウも改心を促されるも彼が出した答えは、たとえどんなことがあっても地動説を信じること=フベルトに教わった真理を命をかけても貫くことでした。

今まで「合理的な選択をすれば、この世は快適に過ごせる」「合理的なものは、常に美しいのだ」と思っていたラファウが、その理屈に『地動説を信じたい』という直感が勝ってしまい変化していく姿に魅せられるのがこの1巻。
異端である人に対しての拷問は耐えられないぐらい痛そうで、苦しそう。でも、そんな中でも自分を貫く姿は、残酷だけど美しくて熱がこもっていて面白いんだと思う。

第2巻のあらすじ・感想「希望を捨てず自分を貫いた人の姿を見て、絶望を希望に変化させる瞬間」

2巻の舞台は1巻目でラファウが行った「決断」から10年後のこと。
フベルトからラファウに託された研究資料のもとに、下級市民のオクジーとグラスが辿り着いたのです。
そこには、2つの手紙があり、その手紙の表には「地」と書かれていたのですが、下級市民の2人は文字が十分に読めず、グラスの知り合いの修道士を訪ねます。
その途中、グラスはオクジ―に今までの記録を託すことに。オクジーはグラスから託された火星の観測記録と首飾りを持ってバデーニのもとに向かい、バデーニもこれまでの資料を目にすると、地動説の資料であるとすぐさま理解し、そして、世界を動かすことを決意するのでした。

2巻は主にオクジ―の話が中心になるのですが、10年前にラファウが残した真理をオクジ―たちが受け継ぎ、その真理を追求していく姿に、歴史は意志ある人たちが受け継いでいくんだなと感じる。特に今まで自分が諦めていた世界に対し、希望を捨てずに意志を貫いた人の姿を見て、世界に諦めを持っていたオクジ―がこの世界も美しいんだと気づく瞬間のシーンは本当に揺さぶられます。
そして、この作品では登場人物の意識改革が行われるシーンにも注目してほしい!
“絶望の中に光が差す”という言葉がありますが、本当にそのとおりで、天空や光が綺麗に表現されて一瞬時が止まったかのように見える作画によってよりストーリーが心に刺さります。

第3巻のあらすじ・感想「あるある…と思わず頷いてしまった差別的社会。それでも諦めない心に胸が打たれる」

3巻目のメインキャラクターは女性研究者のヨレンタ。
今の時代でも問題視されるような、差別や女性蔑視があり、天動説を研究する研究機関で働いているがまともに天文の研究もさせてもらえない状況にいた彼女。それでも自分で頑張って作った論文を上司に名前を変えて発表されてしまっていました。
そんな時、ヨレンタの暮らす街の掲示板に、天文についてのある問題が貼り出されました。ヨレンタは、半日でこの問題を回答。
実はこの問題は、研究資料を探し求め、上級国民に近づくために2巻で出てきたバデーニとオグジ―が貼り出したものでした。

ヨレンタの過ごす社会は、「女なんだから」という差別が前提にある世界。読みながら、ダイバーシティを呼びかける現代社会と似ている部分があるなあ…と頷いていました。上司も悪気はなく、むしろ差別から部下を守る良い行いをしていると信じてナチュラルに差別をするタイプの人間なのですが、「それが一番キツいやつやん…」と読みながら思わず呟いてしまうほど。

ヨレンタが、本当に良い子すぎて心がもどかしい気持ちになりながらも、だんだん意識が変わり、「世の中で上手く生きるよりも、世の中を動かしたい!」と宣言するシーンには、かなりグッときました。
文字が読めるヨレンタと出会ったオグジ―が研究を進め、何百年もの時を超えて文字で研究結果や歴史を残していってくれることに期待。

1~3巻を読み終えての感想:自分に命にかけても守りたい真理があるのか? と問いかける作品にアツくなる

読み始める前に想像してたよりも、かなり重たい。そしてその分心動かされるストーリーに圧巻。
「チ。とは何なのか?」と思って読み始めたが、チとは地、また血であり、そして知でもあるんじゃないかと読み進めるほどにわかっていく作品でした。

また、緩急つけた絵の切り出し方や、キャラクターの言葉のセンスも秀逸。
研究が間違っていても「不正解は無意味を意味しない」とか、「怖い。だが怖くない人生などその本質を欠く」など、心に響くワードが沢山。

そして出てくる登場人物たちが、最初は世界に対して諦めていたり、人生うまく乗り切ることが一番だと感じているような、
心に希望を持てていない人なのですが、全員の意識がそれぞれのターンで変わるのがポイント。
知性のあるそれぞれの登場人物が、「地球って、もしかして動いているのでは…!?」と気づいてしまった瞬間に、
自分でなにがなんでもそれを確かめたい。この真理を、自分が貫きたい。命をかけてもやり遂げたい。と思うものを見つけることで、キャラクターたちの表情が変わっていくことに注目です。

血の描写はちょっとグロめだし、出てくる言葉や哲学者の名前を知っているほうが楽しめるので、完全に大人向けの作品ではありますが、歴史系漫画が好きな人はもちろんのこと、何かにアツくなりたい…と思っている人全員にオススメしたい作品です。


チ。地球の運動について

『チ。-地球の運動について-』

著者:魚豊

【あらすじ】
命を捨ててもまげられない信念があるか?世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?
異端思想が過激に弾圧されていた中世ヨーロッパ。主人公の天才児ラファウは、「合理性」に従ってさえいれば世界をチョロいとナメていた。
しかしある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある心理だった」―――。

■出典:チ。-地球の運動について-1巻帯

あみゅう/橋本あやか

【Editor】あみゅう/橋本あやか

橋本あやか(はしもと・あやか)。インターネットと美容やファッション等のガールズカルチャー、そして音楽が好きな26歳。主に映画や書籍について執筆します。美容や雑貨などについての記事も書いていきたいと考え中。

あみゅう執筆の記事一覧 Twitter(@ayam6719)

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