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自分の人生を売ることができたら? そんな“if”を描いた物語から人生の“価値”を考えさせられた――『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』

寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。

自分の命の値段、知りたいですか?

なかなかに刺激的なタイトルが目を引く本作は、三秋縋の小説『三日間の幸福』をコミカライズした作品。毎日を無気力に過ごす青年・クスノキが、寿命を買い取ってくれる不思議な店の噂を聞きつけ、金に困って寿命の大半を売り払った結果、余命3カ月を「監視員」のミヤギと共に過ごす……というストーリーがくり広げられる。「自分の残りの寿命がわかったら?」「もしも命を換金できたら?」など、ちょっと背筋がゾクッとするような“if”を扱った作風が意欲的だ。

設定だけ聞くとやや不謹慎さ漂わすファンタジー的なノリに感じるかもしれないが、実際のところ真摯かつリアリティーを持って描いているのが◎。なにより、作品タイトルにもあるように寿命の値段が「1年につき1万円」というのが切なすぎる。作中では「最低の買取価格」と表現されているのだが、自分の価値を数字、しかも金額で提示されたら、いったいどんな気持ちになるのだろうか。

そんなある種の絶望から始まる物語なのだが、余命を共に過ごすミヤギによる人生の“答え合わせ”も衝撃的。そのエピソードを読んでどう感じるかは人それぞれだろうが、クスノキの気持ちもわからなくはない。そうした中、残された時間をどう生きていくかを丁寧に見せつつ、自分の価値をどう高めるかという点についてもさりげなく盛り込んでいるのが目を引く。

生きることにどう価値を見いだすか。はたまた、何に価値を持って生きていくか。切なくてはかなく、それでいて尊さもある。ストーリーの結末が、心の奥底にしみじみと響いてくる。


寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。

著者:三秋縋・田口囁一/出版社:集英社

寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。

全3巻レンタル・発売中

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

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