1. TSUTAYAトップ
  2. TSUTAYA News
  3. 本・コミック
  4. 人工知能が神様である理想の世界を描いた『楽園のアダム』。果たして本当に平和が訪れるのか?【さあ、どんでん返しだ。キャンペーン】

人工知能が神様である理想の世界を描いた『楽園のアダム』。果たして本当に平和が訪れるのか?【さあ、どんでん返しだ。キャンペーン】

人工知能が神様である理想の世界を描いた『楽園のアダム』。果たして本当に平和が訪れるのか?【さあ、どんでん返しだ。キャンペーン】【ミステリ作家対談第五弾】周木律先生×麻耶雄嵩先生

みなさん、ミステリはお好きですか?
実は今、講談社文芸第三出版部から発売されるミステリ小説8作品の発売を記念したキャンペーンが開催されています。その名も、「さあ、どんでん返しだ。」キャンペーン。
TSUTAYAでは対象商品購入者に向けた豪華プレゼント企画に加えて、今回TSUTAYA News編集部が「全作家へのオンライン取材&映像化」を実施します。

人工知能が神様である理想の世界を描いた『楽園のアダム』。果たして本当に平和が訪れるのか?【さあ、どんでん返しだ。キャンペーン】

第五回目のオンライン取材では、禁断の小説という帯の通り驚愕の一冊『楽園のアダム』を発売した周木律先生とあの大人気メルカトルシリーズの新作『メルカトル悪人狩り』を発売した麻耶雄嵩先生をゲストにお招きいたしました!ぜひこちら映像でお楽しみください!!
そして、本記事では周木先生に『楽園のアダム』の禁断の世界について迫った取材内容を記事にしましたので、映像と一緒にお楽しみくださいませ。

※「さあ、どんでん返しだ。」キャンペーンの概要はこちら
https://tsutaya.tsite.jp/news/book/41575535/

※周木律先生と麻耶雄嵩先生の取材映像はこちら

「だから『楽園のアダム』の世界が訪れようとも、その世界で”当たり前”の秩序が守られている限り、平和で困ることのない世界が続くと考えています」(周木先生)

人工知能が神様である理想の世界を描いた『楽園のアダム』。果たして本当に平和が訪れるのか?【さあ、どんでん返しだ。キャンペーン】

栗俣(インタビュアー):今回『楽園のアダム』を読んでいて、本作が描く世界が現実に存在したらどうなってしまうのかと妄想を楽しんでいました。周木先生は、この世界がもし『楽園のアダム』の世界が現実となったらどうなってしまうと思いますか。

周木先生:『楽園のアダム』の世界は人工的につくられた”ユートピア”でもあり、”ディストピア” でもありますが、実は現実世界とさほど変わらないように思います。『楽園のアダム』の世界では人工知能カーネという存在に仕事や家族などのすべてを制御されていますが、同じように私たちの世界にも同じような機能、つまり「法令」が存在しています。法令を遵守して生活を送っているからこそ、日本は平和なわけですよね。だから『楽園のアダム』の世界が訪れようとも、その世界で”当たり前”の秩序が守られている限り、平和で困ることのない世界が続くと考えています。

栗俣:私も平和な世界が訪れるだろうと考える一方で、ここまで安心して暮らせるのか、カーネの制御下に置かれることに違和感を持つものはいないのかと考えてしまいます。

周木先生:そうですね、実際に『楽園のアダム』の世界が訪れれば、私も違和感を覚えると思います。人は文化的・政治的な見解の違いから個人の価値観でその世界を判断してしまうため、実際には「これが本当に平和なのか?」という疑問を抱く人が出てきて、衝突が起こるだろうと予想されます。正直私は勘弁してくれと思いますね(笑)。

栗俣:その衝突も現代社会における戦争などとはまったく異なる争いが生まれる可能性があるなと個人的には予想しています。『楽園のアダム』は物語やどんでん返しというミステリ小説の楽しみに加えて、今の自分の世界の平和や常識について考えるきっかけをくれた作品でした。

周木先生:その読後感が狙いでもありました。もしもこのような世界が訪れれば争いはなくなるのではないか。しかし、おそらく平和になるだろうだと思っていた世界でも、私たちが想像もし得ないような諍いは起こってしまう。そんな理想の世界の一つを描いたのが『楽園のアダム』だと考えています。

栗俣:まさにタイトル通り「楽園」ですよね。

「もう、世界を制御する存在に作戦が筒抜けという状態に読者としてはハラハラしてしまいました」(麻耶先生)

人工知能が神様である理想の世界を描いた『楽園のアダム』。果たして本当に平和が訪れるのか?【さあ、どんでん返しだ。キャンペーン】

栗俣:さて、麻耶先生はもしも『楽園のアダム』の世界が訪れたらどうなってしまうと思いますか?

麻耶先生:難しい質問ですね(笑)。この世界がユートピアとして成立しているのは、人口抑制というある種のディストピアが併存しているからなのだと思います。あらゆるものの需要と供給のバランスが釣り合っていて、人々が豊かな生活をすることができているわけです。このバランスが少しでも崩れてしまうと、一気に奪い合いが起きてしまう。だからすべてにおいて平和が訪れる理想の世界だとは言い難いところがあります。もしも一切の争いが起きないようであれば、一種の洗脳された世界と言っていいかもしれませんね。

栗俣:『楽園のアダム』の世界では人工知能・カーネの存在が大きいですよね。

麻耶先生:はい。この世界の人たちはカーネの存在をまったく疑う素振りがない。そういう教育を受けてきたのでしょう。物語の中で主人公がある出来事に反旗を翻すシーンがあるのですが、そのシーンでカーネにいろいろと相談するわけです。もう、世界を制御する存在に作戦が筒抜けという状態に読者としてはハラハラしてしまいました。

周木先生:この世界の人々が疑うのは目の前にあるこの世の謎だけ。世界の成り立ちや本質について600年間疑うことはありませんでした。カーネは神様のような存在であり、噓をつくことはないと信じて疑わない素直さを持っています。私たちが当然のように疑うようなことでさえ、疑うことはありません。それらの部分を疑うような話にしてしまうと物語が成立しなかったという裏話もありますが、ここだけの話にしておいてください(笑)。

栗俣:実は私も当然のようにこの世界のルールを受け入れていました。カーネは神に近い存在で、恋愛・家族などすべてを決める存在であると認識する世界観のどっぷりハマり、その読み味は他では味わえないものでした。

周木先生:かつて、武士たちは切腹することを厭いませんでした。今の時代の僕らからしたら、なぜ自ら命を落とすのかと疑問ですが、当時はそれが常識であり、当たり前の世界だったのですよね。そんな違う価値観の世界で起きるミステリを、ぜひ『楽園のアダム』で味わっていただければと思います。

いかがでしたでしょうか。
禁断の世界と言われる『楽園のアダム』。その世界は理想であるとはいえ、現代社会と何ら変わらない、何を当たり前とするのかという価値観の違いのみが存在する世界であることがわかりました。世界の平和や当たり前の日常について深く考えるきっかけをくれる一冊と言っていいかもしれませんね。
また、本編動画では『楽園のアダム』がいかにして生まれたのかという誕生秘話にも触れています。ぜひ、ご覧ください。

この対談の本編映像はYouTubeで視聴可能ですので、ぜひ観てみてくださいね。

次回の出演者は『メルカトル悪人狩り』の麻耶雄嵩先生と『居酒屋「一服亭」の四季』の東川篤哉先生です。大人気メルカトルシリーズの作品づくりやお互いの探偵像などについて語り合ってもらいました。ぜひ、次回もお楽しみに。

マジカルストーリーテラーが描く最新作『楽園のアダム』はこちらからお買い求めいただけます。 

楽園のアダム

楽園のアダム

出版年月:2021年9月
著者:周木律
出版社:講談社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。絶版書の復刊プロデュースを数多く仕掛け、ヒット本を発掘することで知られ、読者や出版業界関係者に「仕掛け番長」の愛称で呼ばれる本が大好きな日本男児。

仕掛け番長の記事一覧 Twitter(@maron_rikiya)

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

麻耶雄嵩

生年月日1969年5月29日(52歳)
星座ふたご座
出生地三重県上野市

麻耶雄嵩の関連作品一覧

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST