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3巻収録の短編。ラストに明かされる衝撃すぎる真実!!『夢見が丘ワンダーランド(3巻) 』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】


3巻収録の短編。ラストに明かされる衝撃すぎる真実!!『夢見が丘ワンダーランド(3巻) 』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

「ただ一人の君に」に含まれた本当の意味とは?
オムニバス『夢見が丘ワンダーランド(3巻)』に収録された衝撃の短編

『夢見が丘ワンダーランド』は突然「なんでも願いが叶う」ようになった世界で、夢と欲望の狭間で揺れ動く様をそれぞれの人物の目線で描いた短編オムニバス作品だ。

あるいはラブコメ、あるいは感動の人間ドラマ、あるいは恐怖を覚えるような怖い話、あるいは考察を楽しめるミステリー。
『実は私は』『透明人間の作り方』『さくらDISCORD』『週刊少年ハチ』と多ジャンルに渡り名作を生み出してきた増田英二先生だからこそ描ける、まるでジェットコースターのように激しく気持ちを揺さぶられるオムニバスとなっている。
またその短編ひとつひとつに連作の要素があり、そこからこの世界そのものの考察が楽しめるのも非常に強い魅力のひとつだろう。

そんな『夢見が丘ワンダーランド』の最新3巻が発売された。
その3巻に収録された「ただ一人の君に」という話がある。
他の短編達と大きく毛色の違うこの「ただ一人の君に」はドッペルゲンガーをテーマに描かれた1作なのだが、この短編は読んだものの記憶に残り続けてしまうような凄い話になっている。
いわゆるラストにその話の世界そのものが文字通りひっくり返ってしまう、小説ではよく“どんでん返し”と言われるそれなのだが……この作品は「漫画」だ。
叙実トリックのような、先入観を利用した読者の誤った解釈でそれを起こすことは不可能な表現方法であり、そういう仕掛けめいたものとは全く違う衝撃なのだ。

結論を言えばこのどんでん返しはとんでもなく恐ろしく……読む者の心を蝕むほどの衝撃なのだ。

願い事がなんでも叶う世界での「願わないアイドル」の物語

「ただ一人の君に」は、願い事が何でも叶う世界で願い事に頼らず願に依存しない強い意志を持つアイドル、リナリアとそんな彼女を支える高校の同級生竜胆の2人を中心に描かれる物語だ。

リナリアはある時、駅の向かい側のホームに立つ自分自身を見てしまう。
そんなもう一人の彼女は、どんどんとリナリアという存在に変わっていくかのように彼女として行動していく。特には彼女自身すらまだ知らない新曲を発表したり、時には先に自宅にいて包丁を持ち追いかけて来たり……。

いわゆるドッペルゲンガーを題材に描かれた本作は、彼女のファンであり同時に近しい存在である竜胆の言葉で何とか前を向き、そんな中でもなんとかリナリアとして生きようとする彼女の姿がまさに等身大のアイドルとして描かれていく。

しかしこの全てが予想も出来ないような物語「そのもの」だったことに読者は最後の最後に気が付く事になる。

『夢見が丘ワンダーランド』は連作短編として全編を通した謎も種明かしが進み非常に面白い展開になって来ている。
まさに今読むのをオススメしたい作品だ。

(文:仕掛け番長)

仕掛け番長のおすすめ本

夢見が丘ワンダーランド(3巻)

夢見が丘ワンダーランド(3巻)

出版年月:2021年11月
著者:増田英二
出版:秋田書店

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。絶版書の復刊プロデュースを数多く仕掛け、ヒット本を発掘することで知られ、読者や出版業界関係者に「仕掛け番長」の愛称で呼ばれる本が大好きな日本男児。

仕掛け番長の記事一覧 Twitter(@maron_rikiya)

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