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濃密な一気読みの痛快さがクセに。仕掛けと長さ、そして面白さのバランスが絶妙な『彼方のアストラ』

彼方のアストラ

マンガの多面的な魅力を改めて教えてくれる良作

日々、いろいろな作品が生まれているマンガだが、長編には長編の、短編には短編の、それぞれ良さというものがある。どれほどの長さのストーリーを短編と呼ぶかはさておき、今回紹介する『彼方のアストラ』は、全5巻ながら仕掛けから回収に至るまでのストーリー、ステレオタイプのように見せかけつつもその“さらに一歩先”をいくキャラクターなど、すべての要素がまるで神業のように素敵な化学反応を起こしているのが素晴らしい。

描写の密度はさておき、本作はSFテイストもあるため、その時点で“読まず嫌い”してしまった人もいるかもしれない。ただ、本作においてSF要素はあくまでドラマを彩るための一要素。そういう意味では、ファンタジーな世界観やキャラクターたちの軽妙なやり取りといったものも、「起承転結」の転、そして結へと至るための“味付け”とも呼べる要素になっている。この“味付け”があるからこそ、ストーリーが進むにつれて変えていく表情が、格段に興味深い内容となっているのは、改めて読み直してみた再確認した。

エンタメにジャンル分けは必要なものではあるが、今作のようにコメディー的なノリの話から、次第に犯人捜し要素も加わり、さらにはラブな一手も出てくると、それこそジャンルレス。それでいてテンポ感ある見せ方に読む手は止まらず、短編という良さを最大限に生かした形で物語がクライマックスを迎える。全5巻でまとまる作品と聞くと、少々物足りなさを感じる人も出てくるかもしれないが、その点、本作は“濃度”&“密度”が抜群。盛り上げ方も締めくくり方も、心の底から納得いく読後感というのがすがすがしい。

なにより、ラストまで読み切ったとき、きっと第1話から読み返したくなるはず。読めば読むほど味わいが出て、かつ深みも増してくる作風というのは、本当に出合うのが難しい。総合力の高さと物語の熱量を確かめてみてほしい。短編一気読みの楽しさにハマりそうだ。


彼方のアストラ

著者:篠原健太/出版社:集英社

彼方のアストラ

全5巻レンタル・発売中

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

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アーティスト情報

篠原健太

生年月日1974年1月9日(48歳)
星座やぎ座
出生地千葉県

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