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トランスジェンダーの少女がフラを通して自分のいる場所をみつける『ホオナニ、フラおどります』

ホオナニ、フラおどります

自分を信じて、つよく、しっかりと。ありのままの自分を表現する、ホオナニの強さに拍手!

私は日本で長年フラを勉強していますが、踊りを通してハワイの奥深い文化や叡智もともに学べます。そして、踊りのテクニックだけではなく、自分の中でのさまざまな成長を感じることができるのが大きな魅力でもあります。

この『ホオナニ、フラおどります』は、共にフラを学ぶ私のフラシスターに「読んでみて!」とおすすめされた絵本です。大人になってからはあまり絵本を読まなくなっていた私も思わず感動して涙。主人公のホオナニに拍手を送りたくなりました。

「自分は男と女のまんなかにいる」そう思っている、両性を自認する12歳の少女ホオナニ。

トランスジェンダーの先生クム・ヒナのもとで、ホオナニはハワイの伝統文化である男性の古典フラのオーディションにチャレンジします。男の子たちの中でもしっかりと、フラを通して「ありのままの自分」を表現しようとします。自分の居場所を求めて、みずからの手でつかみとるまでの姿を描いています。

周りから「女の子じゃ、やっぱりだめだ」と言われるのではないかという不安や、「女の子だから女の子らしくして」と言ってくるお姉さんのカナ。そういうこともきちんと受け止めた上で、それでも“自分を信じて、つよく、しっかりと。”フラに向かい合うホオナニの姿は、まさにフラダンサーの鑑。
フラを踊るときには、軸を取ることがとても大事と言われますが、それは体の軸だけじゃなくて、心の軸もです。ホオナニはすでにそれができている素晴らしいフラダンサーだと思いました。

実はこの絵本、ホオナニと先生のクム・ヒナには実際にモデルがいて、実話に基づく物語となっています。

ハワイ・ポリネシアの文化圏において、「トランスジェンダー」は西洋文化とはまた違った捉え方があります。太古のハワイ王国では、男性と女性のほかに、男性と女性の両方を持ち合わせる「マフー」と呼ばれる人たちがいて、マフーは癒やしの力を持ち、伝統文化を伝える人たちとしても、とても尊敬されていました。
そんな現代の「マフー」でもある指導者:クム・ヒナは、すべての子供が安心して、自分がいる場所だと思えるような学校を作ろうと一生懸命に努力されているのだそうです。

すべての人が、そのままで受け入れられて、認められ、居場所がある、世界中のこどもたちみんながホオナニのように自分のいる場所をみつけられるといいなぁ、そんなことを思いながら読みました。

フラやハワイのことを知らなくても、こどもだけじゃなくて、大人にもオススメできる素敵な絵本です。

作品はこちら

ホオナニ、フラおどります

『ホオナニ、フラおどります』

著出版年月:2021年2月
出版社:さえら書房
著者:ヘザー・ゲイル
イラスト:ミカ・ソング
翻訳:クウレイナニ橋本
nanayae

【Editor】nanayae

好きなものにはサブカルの香りがすこし。カルチャーに囲まれ、カルチャーとともに生きている。大切なものは「土曜ソリトン SIDE-B」に教わった気がする。おもいっきり昭和生まれ。好きな音楽ジャンルは、90年代の音楽全般(特に渋谷系とその周辺)、日本のフォーク&ロック、テクノポップ、シティポップ、ソフトロック、AOR、ジャズ、ソウル、ラテンもの。I LOVE 柴犬。TSUTAYA MUSIC PLAYLISTでも執筆(⇒記事はこちら)。

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