激あまっ! 新婚ラブコメディ『マリッジグレー』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│「なんでその年まで独身だったと思います?」「正解は私と出会って結婚するからだよ」

出会いは半年前。
主人公である会社員34歳・槌岡直継の働く会社に短期バイトで来た21歳・専門学生の憙乃。容姿、要領、愛想が良く会社で大人気な彼女。
そんな二人は憙乃の短期バイト最終日の帰りに飲みに来た場で仲良くなり、あれよあれよという間に結婚。この『マリッジグレー』はなんでこんなかわいい子が自分の嫁に!? と幸せの中で不安を抱える夫と、そんな夫が大好きすぎる嫁の新婚さんラブコメディーだ。

そもそもバイトの最終日に飲みに誘ったのは憙乃で、しかもその場で直継が34歳と聞いて「なんでその年まで独身だったと思います?」「正解は私と出会って結婚するからだよ」とグイグイ攻めており、もう直継への愛がだだ漏れ。
さらにその後の展開でわかるのだが、彼女の容姿などはもちろん、彼女の行動全てが「直継と結婚したい」という想いからのものだったりする。

実は直継と憙乃の初めての出会いは憙乃が短期バイトで彼の会社に来た時ではなく、今の憙乃からは想像できないもっさり女子高生だった頃。
なにげない出会いで直継と出会った彼女は、思いがけない理由から「直継に撫でられたい!」と思うようになる。そこから真っ直ぐに(?)彼に撫でられるために自分磨きを始めた彼女は、元々高かったポテンシャルととんでもない熱量でみるみる内に可愛くなっていく。
そして親友と話しているうちに自分の願いは直継と結婚する事だと気づき、さらに突き進みついにそれを叶えたのがこの『マリッジグレー』本編なのだ。

│お互い好きなゆえにすれ違う想いの可愛さがこの作品の最大の魅力!

直継はそんな憙乃の可愛すぎる姿に常に不安を抱えているわけなのだが、例えばいつもオシャレをしている彼女に心を開いてもらえてないのでは? と直継は思うのだが、実は憙乃は結婚してからも毎日直継とのデート気分でおめかししちゃう、という理由からで単純に憙乃が直継を好きすぎるゆえにというものだったりする。

このお互い好きなゆえにすれ違う想いがこの作品の最大の魅力で、二人の内心を知っている読者は思わずニヤニヤしながらそんな二人のやり取りを楽しんでしまうこと間違いなしだ。

少しずつ描かれていく憙乃の過去の直継と結婚するまでの行動や想いと二人の幸せな結婚生活。この2つが織りなす独特のリズムとドキドキが癖になり読む者を虜にする『マリッジグレー』。

最新2巻が4月に発売したばかり。
今読み始めるのに非常にオススメの作品だ。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

マリッジグレー

1巻レンタル、2巻まで発売中

著者:轍平
出版社:集英社

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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