妻と一緒にタイムリープ! 衝撃!? のラブコメどんでん返し『幼馴染だった妻と高二の夏にタイムリープした。17歳の妻がやっぱりかわいい。』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│可愛い幼馴染だった妻ともう一度17歳をやり直す!?
まったりラブコメかと思いきやまさかの展開が待ち受ける本格ラブコメ!? SFミステリー!

31歳、男性が高校時代にタイムリープして人生をやり直す。
これが今回紹介したい作品の主人公だ。よくあるタイムリープものを思わせる設定だと思う方は多いかもしれない。
しかし少しそういった他作品と違うのは、彼が特に今に不満が無く幼馴染の可愛い妻と結婚し、人間関係にも恵まれ仕事も順風満帆。特に人生をやり直す理由も思いつかないような人間である事。
そしてタイトルの通り、タイムリープは彼一人ではなくその幼馴染の妻も一緒に17歳になり、高校時代に戻っているという事だ。

それを聞くとラブラブな夫婦の二人が高校生に戻りまたイチャこらする系のまったりラブコメなんだろうな~と想像するのだが、この作品実は『第6回 カクヨムweb小説コンテスト どんでん返し部門』で特別賞を取り書籍化された作品なのである。

そんな賞を取った作品が読者の想像を裏切らないハズは無く、結論から言えばこの作品はなかなか凝った作りのSFラブコメミステリーとなっているのだ。

│目次にあるのは「出題編」そして「解答編」

ラノベではあまり見ない特徴的なポイントに、この作品には「出題編」「回答編」が存在している。そしてタイムリープも明確に1周目、2周目、3周目~と別れており、これは読者に謎解き要素を楽しんでもらう狙いがあるのだろうと私は感じた。
そのため、私は最初から「出題編」の伏線は見逃さないように~と思って読み込み、この作品が提示してくる謎に挑んだ。ラノベである以上本格ミステリーのような面白さはもちろん求めてはいけない。しかしどんでん返しと聞いたらハードルを上げて読んでしまうのが読者心というものだろう。
結論、この作品の結末、真相はラブコメとして100点満点だったのだ。
SFミステリー要素を楽しもうと読んでいたのに、結果はラブコメとして楽しまされてしまう。そんな不思議なミステリー要素の使い方がこの作品には用意られているのだ。
これは実際読んで理解して欲しいとしか言えないが、なかなか他の小説では感じられないものになっている。

また、この作品には多くの他作品を知ってるからこそわかる細かな仕掛けがある。
例えば出だし、いきなり「夢を見ていた」から始まる。
もうこれは「五等分の花嫁」を思い出さずにはいられない。
そして五等分の花嫁と言えば「愛があれば~」というあの言葉が連想されるが、この作品も……と思わずニヤリとしてしまうのだ。
こういった要素が細部に隠れているのも非常に面白いポイントだろう。

最後に「あとがき」まで読んで知ることが出来る面白さがこの作品にはある。
2周目から3周目の出来事があとがきを読む前と後で大きく印象が変わるのだ。

とても読みやすく1時間から2時間程度で読めてしまう作品なので、普段ラノベを読まないという方も気になったらぜひ一度読んで見て欲しい。
きっと楽しんでもらえる作品だと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

幼馴染だった妻と高二の夏にタイムリープした。17歳の妻がやっぱりかわいい。

発売中

著者:kattern
イラスト:にゅむ
出版社:KADOKAWA

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

一覧に戻る