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現代に生きる魔法使いの物語は何とも言えない不穏当さがクセに――『魔法のつかいかた』

魔法のつかいかた

独特な世界観と空気感にどっぷりハマる

魔法が使えたら……なんてことを考えたことがある人もいるだろうが、本作には魔法使いとその弟子が登場。ただその出会いがなかなか強烈。魔法使いである塚上泉太郎(つかがみ・せんたろう)が、魔法で見つけた“探しもの”である、ある事情で死を望んでいた小学生の少年・春生(はるき)を“誘拐”して共に暮らすようになるのだ。物語はそんな2人の共同生活を軸として展開していく。

いろいろと謎めいた世界観の作品なのだが、なかでも特に興味深いのが魔法使いの定義。本作では悪魔と契約した能力を使って社会の暗部で活動するのが魔法使いであり、使用できる魔法も、契約した悪魔が持っている魔法の中から1種類と探しものに関する魔法だけ。しかも自分のために魔法を使うことできないというのだから、なかなか縛りが大きい。そして社会の暗部と書いたが、その通り、物語はおよそファンタジックとはかけ離れたサスペンスフルなテイストを帯びているのも面白い。

とはいえ、基本的には泉太郎と春生の何とも言えない優しくも温かい日常を描いていく。その合間に謎深き魔法使いのストーリーが差し挟まれていき、テンポはゆったりとしているものの、どこか言葉にはしづらい不穏さが漂う作風がクセになる。丁寧に紡がれていくのとは反対に、良い意味ですべてを語り尽くさないのも思わせぶりで○。衝撃的な描写がないにも関わらず、ジワジワと迫り来るような恐怖感にヒヤリとさせられるのもたまらない。作風やジャンルを伝えるのがなかなか難しい作品だが、ひとたびページを開けばその手は止まらなくなるはずだ。


魔法のつかいかた

著者:草間さかえ/出版社:新書館

魔法のつかいかた

5巻まで発売中

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

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