男女入れ替わったまま成長していく2人の恋の物語『思春期ビターチェンジ』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│中学生になり高校生になっても二人が元に戻る事はなくお互いがお互いとして生きていく日々が続いていく。

小学4年生の木村佑太が木から落ちて、下にいた同級生の少女、大塚結衣とぶつかってしまう。ケガは二人ともなかったものの、その衝撃で二人の心が入れ替わってしまう。
いわゆる男女入れ替わりものの本作。
二人はいつ入れ替わってしまった心が元の形に戻ってもいいように、佑太は結衣として、結衣は佑太としてお互いの状況を報告しながら生活をしていくようになるのだが…。

男女入れ替わりものの多くはその入れ替わり期間は人生のある一瞬で、例えば頭をぶつけて入れ替わったならもう一度同じ衝撃を与えれば~という様な解決法で元に戻ったりするが、この『思春期ビターチェンジ』はそんな事はなく中学生になり高校生になっても二人が元に戻る事はなく、佑太は結衣として、結衣は佑太として生きていく日々が続いていく。

│お互いの想い人との恋とそれぞれを好きになる周りの人間の気持ちが複雑に絡み合い、切ない思いが積もっていく…。

この作品には、思春期ならではのお互いの想い人との恋とそれぞれを好きになる周りの人間の気持ちが複雑に絡み合い、これが心の深いところに刺さるような切なさを生み出している。
佑太の気持ちと結衣の気持ち、お互いがお互いの方を向いていればきっとこの『思春期ビターチェンジ』は全く違った物語になっていたと思う。
しかしそんな都合のいい事はなく、結衣の気持ちは全く別の二人の親友に向いていた。
それは結衣が佑太となった後も変わらずに残り続けている。
その姿を見る結衣となった佑太の気持ち。

8巻に収められているとある事件から佑太が結衣に気持ちをぶつけてしまうシーン、そしてそこから9巻ラストまでの展開はもう涙なしでは読めないものになっている…。

巻末に収められたエピローグで二人は大人になっても入れ替わったままでいる事がわかるようになっているが、その時の二人の心境の変化こそこの作品にとってのハッピーエンドそのものだと私は思った。

『思春期ビターチェンジ』は全9巻。
しっかりと物語の完結まで描かれた一気読み推奨の作品だ。
小学4年生で入れ替わってしまった佑太と結衣がその入れ替わったままで過ごす毎日。そして二人はどんな成長をしてどんな未来を迎えるのか。

とてもいい作品なのでぜひ気になった方は読んでいただけたらと思う。

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

思春期ビターチェンジ

全9巻発売中

著者:将良
出版社:フレックスコミックス

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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