映画『真夜中の五分前』、映画公開前に早稲田大学で特別課外授業を開催!

監督の行定勲と主演の三浦春馬

第27回早稲田映画祭りの特別イベント<課外授業・国境を越える五分前>で『真夜中の五分前』が上映され、監督の行定勲と主演の三浦春馬がゲストとして登場。当日集まった700人の観客とのひと時を楽しんだ。

行定監督

中国圏の監督の活躍が影響を与えてくれた(行定)

「観ていただいた分かると思うんですけど、スピード感が違う」という本作。行定いわく「展開が早くて明快な映画ではない」。もともと日本の設定でやろうとしていたというが、諸事情で「アジア映画にしようと思った」とか。その裏には、自身が多大な影響を受けたという“80~90年代の台湾ニューウェーブと呼ばれるアジア映画の素晴らしい作品”があったり、「ウォン・カーウァイ監督を中心とした中国圏の監督の活躍が影響を与えてくれた」と話す。

海外の仲間が興味を持ってくれ、話が進む中で尖閣の件が起きたりしたが、それでも中国側のプロデューサーは「やろう」と言ってくれたという。「こういう時代だからこそ、隣国の歴史的背景がありながら、何かを乗り越えて作らなければいけない」と決意を新たにしたと行定。「やらなかったら“出来なかった”で終わり。でも我々は一緒にやって、一つの映画が完成した。この作品には僕らのメッセージがある」とも話している。

三浦春馬

監督はNGの理由を教えてくれない(三浦)

この国をまたいだプロジェクトに三浦は「ワクワク感が一番に来た」と言い、そのワクワク感について「行定監督と仕事ができるという喜び。それと、物語の深層を見て、その中で繊細に描けること、表現できることががあるんじゃないかと思った」とコメント。行定との仕事では「撮影で凄く印象的だったのは、監督が“もう一回やってみよう(=NG)”と言うのですが、その理由を言ってくれない。だから自問自答することで、良い方向に行くんじゃないかなと感じた。後はなんといっても監督のこの作品に対する熱意を現場で感じることが出来た」という。

三浦の真摯な発言に「良いコメントです(笑)」と笑わせる行定は「(三浦の役を)日本人っぽくやろうというところはお互い一致していた。三浦春馬の日本人としての情緒みたいなものとか、生活スタイルとか、考え方はそのものが出ると良いなと思っていた」と一度持ち上げたあとに「映画のトーンがゆっくりだったり静かになったのは三浦春馬のせいで、俺はもっとこう、テンポの良いさ、サスペンスを目指したかったんだよ(笑)」と言うと会場は大爆笑に包まれた。

ここで、課外授業よろしく質疑応答コーナーへ。

学生との質疑応答

―中国語で演技するのに、日本語の時との違いを感じる?
三浦:あまり感じないかもしれない。というのは言語が違うんだけど、文化の違いもある。芝居では台詞は決まっているけど、思いは通じ合っているので、根底に流れているお芝居の“地”があったとしたら、それは変わらないと思う。

―言葉のせいで葛藤したりする部分はなかった?
三浦:通訳さんも自分とは感じ方が違ったりするので、伝わりかたが変わってしまうことは多々あった。でも、そこで突き放してしまってはいけない。丁寧に時間をかけてやったからこそ、届けたかったものが届けられている。すごく繊細なところも全力でやってきたつもり。

行定:ぶつかりまくりです。言葉の壁もあるし、考え方も違う。僕は目を見て日本語でしゃべっていましたね。言葉が分からなくても、現場では役者の表情がやたら入ってくる。顔の表情がものすごい。日本だと台詞だけ聞いていて顔を見ていないことも多いけど、その逆という感じ。言葉で伝えなくてもだんだん伝わっていく現場だった。

行定監督と三浦春馬

―海外を見据えた作品作りは?
行定:アジアの友人が多く、彼らの作品に日々刺激されている。例えば僕が憧れていた巨匠・ドウ・ドゥチーがサウンドデザインをしているけど、音がとにかく素晴らしく、この映画には静けさがある。一緒にできたことが凄く幸せ。キャストもそう。日本・中国・台湾でこれからを担っていく人が関わっている。この映画ができたことは、中国で4,000スクリーンで新作としてかかったこともそうだけど“次の扉が開かれた”かもしれないし、この先に何かある気もする。でも一番はやはり“アジアの才能と仕事がしたい”ということ。

―どうして中国を選んだか。撮影の前と後で印象は変わったか?
行定:自分は一番友人の多い台湾でのロケを想定したけど、プロデューサーに頼まれて上海にした。きちんと現地に入って中を見た上で作品を作りたかったから、相当歩いた。野外上映も本当にやっていて、ロケハンしていなかったら取り入れていなかった。中国人は、日々生きているパワーがすごい。撮影中も中国のスタッフは笑顔で嬉しかった。日本のスタッフはみんな眉間にしわを寄せていたからね(笑)。

三浦:僕も凄く好きになりました。いろんな文化が交わって出来ている素敵な街並み。そんな雰囲気がとても好きです。あと食べ物も(笑)。

最期にそれぞれ「忙しい日々から抜け出して満喫し、愛という形を、どういうものがあって、何が正しいのかとか含めて考えてもらえる作品になっていると思う」(三浦)、「こういう映画があっても良いんじゃないかと思って作っている。ラブストーりーだけどミステリーでもサスペンスでもある。ラストの受け取り方をゆだねているので、語り合ってほしい」(行定)と映画をしっかりアピールし、この日の課外授業は幕を閉じた。


映画『真夜中の五分前』
12月27日(土)より全国ロードショー

監督:行定勲『世界の中心で、愛をさけぶ』『春の雪』『北の零年』『今度は愛妻家』『カメリア』『パレード』
『つやのよる』、『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』
原作:本多孝好『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A/side-B』(新潮文庫刊)
出演:三浦春馬(日本)、リウ・シーシー(中国)、チャン・シャオチュアン(台湾)

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