映画『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』、戸田奈津子が故ロビン・ウィリアムズ氏との秘話を大放出

戸田奈津子氏

戸田奈津子氏

ベン・スティラーやロビン・ウィリアムズら豪華キャスト出演、深夜の博物館を舞台にしたシリーズ最新作『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』が3月20日公開。都内で開かれた試写会に、実写作品では遺作となってしまった故・ロビン・ウィリアムズ氏とも親交の深かった映画字幕翻訳家の戸田奈津子氏が、自身「黄金コンビ」と語る映画パーソナリティの襟川クロ氏と熱いトークに花を咲かせた。

この『ナイト ミュージアム』シリーズでは、博物館の展示物や、主人公・ラリー(ベン・スティラー)の父親的存在でもある第26代合衆国大統領セオドア・“テディ”・ルーズベルトを演じたロビン。戸田が語る彼の素顔とは…?

襟川(以下 襟):ロビンとの出会いは?
戸田(以下 戸):『いまを生きる』の宣伝でお会いして、ロビンのコメディアンぶりは天才だったけど、しっとりとした内容の濃い映画にもたくさん出ていましたね。

戸田さん思い出の写真(『いまを生きる』)

戸田さん思い出の写真(『いまを生きる』)

襟:最初からロビンはいつも楽しく明るい人でした?
戸:映画はとてもシリアスだったけど、彼自身は生まれ持ったエンターテイナー。普段はとても物静かだけど、そこに3人知らない人が加わったら、その3人は彼にとってオーディエンス。すぐそこで彼らを楽しませようとする。彼がなくなたっと気には「犬が相手でもエンターテイナー」と書いてあったくらい。それくらい。天才コメディアンの性というか、そういうことを感じさせるから、ほんっとうに面白いの。で、明るくてね。時々ハイテンションでしょう?あれがすぐ出ちゃう。プライベートは違うけど、スイッチがパッと切り替わるのね。そうするとワーッと騒いじゃって。

襟:家でも家族に対してもやっていたそうですが?
戸:子供が3人いて、とても可愛がっていた。ロビンが子供に向かってする話は、声色から全部やって。仕草もつけて。それが本当に楽しかったって子供が言うのね。偲ぶ会で子供たちが語っていましたけど、夜寝るときに彼が楽しい話をしてくれたと。

襟:沢山ネタを持っていたわけですね?
戸:ネタというよりは即興ね。俳優の前はスタンダップコメディアンだったから。他の人は大抵台本があって、それを覚えるんだけど、ロビンには全然そんな人はいないし、即興なの。あの頭の回転の早さは「頭のなかを切ってみたい」とみんなが言ってましたよ。「アクターズ・スタジオ・インタビュー」観た? 客席にいたお客さんからスカーフを借りて、それを使ってあらゆる国の人の真似をするの。あれはもう伝説的な番組でしたけど。

遺作となってしまった『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』

遺作となってしまった『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』

襟:いろいろ楽しませてくれるということは、絶対裏側に何かないと…
戸:彼があまりにサービスするから、私は「やりすぎないでいいから静かにしていて」と言ったことがあるけど、彼の口癖は「僕は人の笑いで生きている」だったしね。本当に彼は天才ですから、それはフランシス・フォード・コッポラも「彼は天才だ」って書いてるわけ。あの天才が。

襟:ロビンってある種特殊な存在だったですよね? あんなに笑わせてくれる記者会見は一個もなかった。
戸:だからね、記者会見があんまり面白いから、記者から入場料取れって言ったの。お金払って聞かなきゃ勿体無い。
襟:マスコミの方もね、メモるの大変ですよね、でもメモすると面白く無いですよね。
戸:そうですね。

襟:戸田さんはロビンさんと来日の度に会っていたんですよね? プライベートでも旅行に行ったとか?
戸:そういうことが続いて、とにかく良い方なので、本当に私も大好きになって。向こうも頼りにしてくれて、家族を連れてくることがあったりしたときは一緒に京都に行ったりとか。家族ぐるみで付き合うと本当に親しくなっちゃうわけね。3回か4回は京都、奈良をご一緒して。家族とも全部知り合ったし、ものすごくいい思い出がありますね。

戸田さん思い出の写真(京都にて)

戸田さん思い出の写真(京都にて)

襟:その時は通訳さんという立場で?
戸:通訳件ガイドで。旅をアレンジして。京都には俵屋っていう素晴らしい旅館があって。日本一素晴らしいと思っている。スティーブ・ジョブスも世界で一番だって言ったくらい素晴らしい旅館があって、そこに泊まるわけ。本当にそれを楽しんでいて。子供たちと一緒にお風呂に使ったりとか。
襟:裸のお付き合いしてる~
戸:ま、彼は毛深いから。(お客さんに向かって)ロビンの毛深さ知ってる? とにかくスゴイのよ。シャツ着てるみたいに毛があるの。そこに蚊が入ってくると逃げられないっていうわけ。それくらい毛深い人。
襟:まさか本作が実写版として最後になるとは思わないですよね?
戸:もちろんそうですよ。彼自身だって思っていなかったと思うし、でも遺してくれて良かったと思う。
襟:本当に大事な役ですよね。ずーっとシリーズ通して出てくる。

襟:ロビンとの最後の思い出は?
戸:亡くなる一年前くらいにたまたまNYに遊びに行ったの。ロビンはカーネギー・ホールとかメトロポリタンの舞台にたつほどのスタンダップコメディアン。でも、ブロードウェイでの芝居はやったことがなかった。それを初めてやるという時に伺って。反戦ドラマの濃いドラマで。たまたま連絡したら「明日、通し稽古があるから見においで」と言われて、行った。リハーサルが終わって、別れをしたのが最後でした。
襟:別の顔を見ました?
戸:少し笑わせるんですけど、シリアスでしたね。
襟:彼の訃報は世界中の人がびっくりですよね。
戸:予想以上にすごい反響でしたね。いかに大勢の人に愛されていたかということですよね。
襟:ハンサムとかイケメンではないのに
戸:ハート? 善良なハート?「人を楽しませる」っていう善意? この人は「善」っていうものが歩いているくらい。
襟:怒ったことないんじゃないですかね?
戸:私は見たことないですけどね、もちろんあるんでしょうね。ましてフラストレーションもあったでしょうけど。いつ見ても大ゴキゲン。ゴキゲンそのもの。
襟:私達にとっては幸せな時間をプレゼントしてくれるんですよね。
戸:いい映画を沢山遺してくれるしね。こういうコメディもあれば、私は『フィッシャー・キング』が大好き。『いまを生きる』もそうだけど。
襟:『いまを生きる』を最近ひさしぶりに観て、素晴らしいなって。

襟:戸田さんはハリウッド何人かの人とは個人的な長い付き合いをしてらしゃるんですよね?
戸:それはもちろん人だから、意気投合する人は何度も会えば親しくなりますよね。
襟:その関係が20、30年って続くじゃないですか。
戸:30年ってザラですからね。
襟:それはご自身が足を運んで会いに行く、出会いの場を作るのも大事ですよね?
戸:そんなにしょっちゅうではないけど…。例えば、ハリソン・フォードなんて最初のスター・ウォーズから知っているから、もう三十何年でしょ?そういう人いっぱいいますよ。長いから、こっちから会いに行かなくても、来てくれたりするんです。

襟:アメリカでロビンを偲ぶ会があったそうですが?
戸:ええ。彼は不幸な結末を迎えたわけでしょ? 私も大ショックで「まさか彼が…」と思っていたら、一月位して奥様から「本当に親しい人だけで偲ぶ会をするからいらっしゃい」と呼んでいただいて。本当に親しい人と言いながらね、大劇場ですよ。ミュージカルやるような大劇場を貸しきって、そこが満員になるくらい友人たちが詰めかけていて。司会が、大親友のビリー・クリスタル。最初にウーピー・ゴールドバーグが出てきて、他10人位コメディアンが出てきて彼との思い出を話すの。イギリスのモンティ・パイソンの人達も来ていましたね。最後はスティーヴィー・ワンダーが歌をうたうっていう会で。ウーピーはやっぱりコメディアンだから、最初笑わせようとするんだけど、そのうちロビンのことを思い出して泣けてきちゃうの。ウーピーは最後言葉が出なくて泣いたまま下がっちゃたくらい。それくらい感動的な場所だったし、もう社会人になっている子供たちが3人出てきて、それぞれがお父さんの思い出を語った時は、全員泣いていましたね。

襟川クロと戸田奈津子のゴールデンコンビが織りなす熱いクロストーク

襟川クロと戸田奈津子のゴールデンコンビが織りなす熱いクロストーク

会場では、クリス・コロンバスが編集した映像が流れていて。これは家族の意志で「内輪の会だから、絶対ネットには流さないでくれ」という条件付きなんです。誰一人として写真を撮る人はいませんでしたけどね。この頃みんな携帯持っているから、撮るでしょう? 誰もそれをしなかったのは、ロビンに対する敬意ですよ。偲ぶ会が静かに終わって、奥さんがさらに親しい人を集めてロビンが行っていた中華料理屋に招待して。そこで丸テーブルを囲みましたね。そこにはベン・スティラーもいて。とっても小柄な人でびっくりして。私は彼と初対面だから自己紹介して、彼も「言葉にならない」と言ってましたね。あと、私が好きなジェフ・ブリッジスもいて。ジェフ大好きだったからずっと見てました(笑)
襟:ロビンが会わせてくれたんですよ。
戸:そうかしら。追っかけと化して見ていましたよ。

最後まで戸田のペースは一向に変わらず、集まった観客の間でさまざまなエピソードを語ってくれた。なお、現在、Twitterではロビンを偲び「#ありがとうロビン」というハッシュタグに多くの投稿が寄せられている。


映画『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』
3月20日(金) TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー

監督:ショーン・レヴィ
出演:ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ、オーウェン・ウィルソン、ダン・スティーヴンス、ベン・キングズレー
配給:20世紀フォックス映画

ナイト ミュージアム2

ナイト ミュージアム2

出演者 ベン・スティラー  エイミー・アダムス  ロビン・ウィリアムズ  オーウェン・ウィルソン  リッキー・ジャーヴェイス  クリストファー・ゲスト  ハンク・アザリア  アラン・シャバ  ビル・ヘイダー  スティーブ クーガン
監督 ショーン・レヴィ
製作総指揮 トーマス・ハーメル  ジョシュ・マクラグレン  マーク・ラドクリフ
脚本 ロバート・ベン・ガラント  トーマス・レノン
音楽 アラン・シルヴェストリ
概要 ベン・スティラー主演の大ヒット・ファンタジー・コメディの続編。今回は、ワシントンDCにある世界最大の博物館スミソニアンへ舞台を移し、“魔法の石板”でまたしても大混乱となった博物館の事態収拾に奔走するラリーの活躍を描く。ニューヨークの自然史博物館で起きた展示物たちの大騒動から数年後、元警備員のラリーは息子との絆も取り戻し多忙な日々を送っていた。一方、自然史博物館の改装により、“魔法の石板”の効力で毎晩自由に動き回っていた展示物たちはワシントンのスミソニアン博物館へ移送されることに。しかし、石板も一緒に運ばれてしまったため、今度はスミソニアンの展示物まで甦る事態となってしまい、ラリーのもとにSOSの電話が入るが…。

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アーティスト情報

ベン・スティラー

生年月日1965年11月30日(53歳)
星座いて座
出生地米・ニューヨーク

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エイミー・アダムス

生年月日1974年8月20日(44歳)
星座しし座
出生地

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