堤幸彦監督、自分でも「すごいものが出来た」と驚き―東野圭吾原作映画『天空の蜂』完成報告記者会見

(左から)堤幸彦監督、仲間由紀恵、江口洋介、本木雅弘、綾野剛
最新鋭にして日本最大のヘリコプター〈ビッグB〉を乗っ取り、原子力発電所の真上に静止させるという“原発テロ”事件と、その危機に立ち向かう人々の8時間の攻防を描く、東野圭吾が1995年に発表した長編小説「天空の蜂」。長年“映像化不可能”とされ続けてきたこの作品を、『20世紀少年』シリーズや『悼む人』等を手掛ける堤幸彦監督の手により映画化。となる本作の完成披露会見が行われ、主演の江口洋介、本木雅弘、共演の仲間由紀恵、綾野剛、監督の堤が登壇した。
こう言うのもなんですが、自分でもすごいものを作ることが出来た
会場では冒頭13分の映像が上映され、興奮冷めやらぬなか会見がスタート。「こう言うのもなんですが、自分でもすごいものを作ることが出来た」と確かな手応えを感じていた堤。「テロという現代的な脅威や、3.11を通じて目にした原発の脅威だけではなく、いろんな切り口がある作品。様々なテーマが含まれているし、日本で映画にすべき題材だった」と重さと身近さが合わさった作品でありつつ、中でも一番注力したのは「親子の話」だったとか。

お互い父でもあり、主演の二人
自身が父親でもある江口は「ある種の生き方のようなものを映画の中で息子に見せるというか、内側の部分をどれだけ強く伝えるかという思いを意識して演じました」と思いを語れば、同じく父の本木も「小説の中でも現実でも良い父親になるのは難しいんだなと思った」と再認識したそう。また、本木は昨年の梅雨に渋谷が冠水したことを話しだし、その時の江口の対応が迅速かつ細やかで難を逃れたことに「さすが、元サーファーは頼りがいが違うなと(笑)」と冗談交じりで関心しきり。これには江口も「ありがとうございます」と照れた表情で応えた。

仲間「ムチャぶりはなかったです」
堤と「トリック」シリーズで15年来の付き合いとなる仲間は「地味で目立たないような女性像だったので。監督と話をして役作りをして。印象的だったのは、ホテルのシーン。すごく上質な大人のラブシーンで、今までのようなムチャぶりというか困った要求は一切ありませんでした(笑)」と今までとは違うテイストを楽しんだようだ。

監督絶賛の綾野
本作で堤組初参加となった綾野について堤は「役の成り立ちや表現などをやりすぎて欲しいと思っていたけど、彼なりの理解と瞬発的な力の解放で、凝縮して出してくれた。瞬間的なミサイルのように入り込んでくる、この映画の見せ場にもなったと思う」と絶賛。綾野は「日本で生活をしていくことはどういうことかと、この作品を通して感じたことがたくさんあった。人が人であるために、本質的にちゃんと向き合いたいなと思えた」と振り返った。
なお、会見当日には原作者の東野圭吾氏もコメントを寄せ、内容が伝えられた。
東野圭吾氏コメント
映画化など、絶対に不可能だと思っておりましたが、執筆中に思い描いていた以上の映像に圧倒されました。監督や俳優の皆さん、その他多くの方々の熱い想いが伝わってくる骨太の素晴らしい映画だと思います。私自身の血も、この小説に取り組んでいた20年前のように騒ぎました。きっと多くの人々の心を揺さぶることだと思います。

映画『天空の蜂』9月12日(土)より全国公開。
映画『天空の蜂』
9月12日(土) 全国ロードショー
出演:江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、佐藤二朗、石橋蓮司、向井理、國村隼、柄本明
監督:堤幸彦
原作:東野圭吾「天空の蜂」(講談社文庫)
脚本:楠野一郎
音楽:リチャード・プリン
制作:オフィスクレッシェンド
企画/配給:松竹
(C)2015「天空の蜂」製作委員会
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- J'Lit | Authors : Keigo Higashino | Books from Japan (English)
- フォーライフミュージックエンタテイメント 江口洋介ディスコグラフィ紹介
- Eguchi Yōsuke at the Internet Movie Database
- オフィスクレッシェンド:クリエイター/堤幸彦(オフィスクレッシェンドのプロフィール)
- 堤幸彦の2012日記(現ブログ)
- 堤幸彦のページ(前ブログ)(日記と空趣味写真)
- NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(2008年5月13日放送・堤幸彦)
- 堤幸彦 - 日本映画データベース
- 堤幸彦 - allcinema
- 堤幸彦 - KINENOTE
- 堤幸彦(ツツミユキヒコ,Yukihiko Tsutsumi,堤ユキヒコ)|Movie Walker
- Official website
- Yukihiko Tsutsumi at the Internet Movie Database
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