映画『エール!』フランスが生んだ天才、エリック・ラルティゴ監督の魅力

(C)2014-Jerico-Mars Films-France 2 Cinéma-Quarante 12 Films-VendÔme Production-Nexus Factory-Umedia

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先日開催されたフランス映画祭2015のオープニング作品に選出され、見事観客賞を受賞した映画『エール!』(※観客賞は、観客の皆様のアンケートから、満足度の平均点で決定)。

本作は、フランスの田舎町を舞台に、耳の聴こえない家族の中で、唯一聴こえる少女ポーラが自身の歌の才能を見出され、自分の夢を選ぶか、家族を選ぶか葛藤しながら成長し、彼女の歌声が起こす最高の奇跡と家族の絆を描く作品。2014年12月17日にフランスで公開されるやいなや、4週連続 1位を獲得、12週連続でTOP10入りを果たし驚異的な大ヒットを記録、750万人が笑って涙した話題作が、10月31日(土)に日本公開を迎える。

本作のメガホンを取ったのは、エリック・ラルティゴ監督。彼は家族をテーマにした作品を書き始めていた際に、プロデューサーから本作の脚本を渡され、特に迷わず、まるでひらめきのように本作の監督を引き受けたという。

「脚本がずっしりと心に響いたんだ。家族というテーマは普遍だし、既に何千もの映画の中で同じテーマが扱われていますよね。家庭では、何もかもがむき出しに近い状態にある、という点に惹かれるんだ。そこが面白いと思う。原始的で動物的な感情で、それがたまたなくいいよね、笑いあり、涙ありで。家族が抱える真実に自分が向き合わなければならないという不公平さ。こういったあらゆる感情の中から一つを選ばなきゃいけないというのは好きじゃないんだ。僕はドラマと同じくらいにコメディも大好きなんだよ。実際の人生だって、コミカルだったり不条理でバカげた状況から、ドラマチックな状況が生まれるものだからね」と語る監督は、言葉通りシリアスになってしまいがちなテーマを本作ではコミカルに、そして感動的に描くことに成功している。

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主人公のポーラを演じたのは、映画初出演作にして主演となった新人のルアンヌ・エメラ。人気オーディション番組で注目を集めてポーラ役に抜擢された彼女は、セザール賞、リュミエール賞で最優秀新人女優賞をW受賞し、歌手としてのデビュー・アルバムも異例の80万枚セールを突破している、フランスのシンデレラガール。

エリック監督は、歌を歌える思春期の役者を探していたという。ルアンヌに出会った時のことは、「友人が“The Voice”というTV番組にいい子がいるよ、と教えてくれたんだ。それでルアンヌを発見し、一目惚れしたんだよ!彼女の華奢で壊れやすそうな雰囲気をとても気に入って。細い綱の上を歩いているようで、それでもしっかり彼女はそこにいる。そんな強い存在感があったんだ。それに、彼女はカメラを追わないんだ。実に優雅なことだよ、彼女がスクリーンテストに来た時、僕はビデオカメラのファインダーを覗いて、ああ特別な子だと眼差しでそう思った。力強い意志を感じ、彼女こそポーラだった!」と振り返っている。

本作でポーラの父親役を演じたベテラン俳優フワンソワ・ダミアンは、「エリックとは3、4年目に個人的な作品で知り合って、その時に僕たちは同じ周波数だとわかったんだ。だから彼からのこの作品の話がきた時、僕には彼の仕事ぶりがわかっていたし、彼の気配り上手な点も好きだしユーモアのセンスも抜群なんだよ!彼のユーモアは無意味なものではなく、いつも社会的なトピックを扱うからね」と本作への出演を決めた理由を明かしている。

また、ポーラの才能を見出す音楽教師役を演じたフランスの名優エリック・エルモスニーノは、「彼は物事を見逃すようなことは絶対にしないし、自分の目標に常に集中しているんだ。それは簡単なことじゃないんだ、だって聖歌隊の撮影シーンなどは大勢の役者がいたしね。ルアンヌに対しては、エリックは彼女を追いつめて彼女の魅力を最大限に引き出そうとしていたよ」とエリック監督を称賛している。


映画『エール!』

2015年10月31日(土)新宿バルト9他全国ロードショー

監督:エリック・ラルティゴ『プレイヤー』
出演:ルアンヌ・エメラ(新人)、カリン・ヴィアール『しあわせの雨傘』、フランソワ・ダミアン『タンゴ・リブレ君を想う』、エリック・エルモスニーノ『ゲンズブールと女たち』ほか
原題:「La famille Bélier」/2014年/フランス映画/アメリカン・ビスタ/DCP5.1ch/105分/

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