「これまでのフランクとは違う側面を見せるチャンスだと思った」―『トランスポーター イグニション』エド・スクレイン インタビュー

エド・スクレイン

エド・スクレイン

リュック・ベッソンの製作&脚本の映画『トランスポーター』シリーズ3作によって、ジェイソン・ステイサムはアクション俳優としての地位を確立した。その彼の後を引き継ぎ、ワケありの依頼品を運び届けるプロの運び屋=トランスポーター、2代目フランク・マーティンに抜擢されたのは、英国俳優エド・スクレイン。新たに生まれ変わったシリーズ新章『トランスポーター イグニション』にはどんな魅力が詰まっているのか。初来日を果たしたエド・スクレインが語る。

大ヒットシリーズを引き続くことはそれだけでもプレッシャーだが、フランク・マーティンは愛車のアウディS8を自在に操る“天才的”ドライビングテクニックと格闘センス、そしてセクシーさを兼ね備えた“天才運び屋”。初代が築いたキャラクターをどう活かし、自分らしさをどう加えたのだろう。

(C)2015  EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo

(C)2015 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo

「大作だから、人気のキャラクターだから、というプレッシャーはまったく感じなかったんだ。世界的な超大作であろうと、小さなインディーズ作品であろうと、僕はいつも同じ気持ちでオーディションにも撮影にも臨む。プレッシャーがないわけじゃないけれど、あるとしてもそれは外部からのものではなく、自分の内からくるプレッシャーだ。だからといって抱え込んでしまうということではないし、何か挑戦があったとしても、ネガティブなところではなくポジティブなところに目を向けるようにしている。その助けになるのは家族の存在だね。俳優としての仕事を終えた後、僕は自分の一番大切な仕事をする。父親という仕事をね。しっかりやっているつもりだけど、もしかしたらパートナーと母は異論があるかもしれないけれど(笑)」

このシリーズに欠かせないのは興奮必至のカーアクションと格闘アクション(マーシャルアーツ)。前2作に続いてアウディがフランク・マーティンの相棒となり、シリーズ史上最速の走りとミリ単位で計算されたアクションを披露する。エド・スクレイン自身にはフランク・マーティンになるための身体づくりと高度なアクション修得が課せられた。

(C)2015  EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo

(C)2015 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo

「肉体的な準備としては、ロンドンで12週間にわたって身体の強靭さやコンディションニングを目的としたトレーニングを行った。マーシャルアーツは今回が初めてだったけれど、ファイト・コーディネイターでメンターでもあるアラン・フィグラースからは、(トレーニング以外は)何もしないでくれと言われてね。それは、僕の強みを活かしたマーシャルアーツを考えて、一緒に作っていきたいということだったんだけれど、撮影の3週間半前にパリ入りしてからは、1週間のうち5日間、毎日5~9時間にわたって、クラヴマガ、カリ、ボクシング、キックボクシングを取り入れながらフランクらしいスタイルを作り上げていった。大変だったけれど、僕はもともとトレーニング好きで、撮影がなくても週6日はトレーニングをしているから、大変さも楽しめた。今回の役作りですごく面白かったのは、肉体面と精神面がリンクしていることを強く感じられたことだ。(アクション作品以外では)ふだんはセリフを口にしながら、そのキャラクターの感情を模索していくけれど、今回は身体を動かすことによってフランクの感情を掘り下げることができたんだ」

あまりの壮絶アクションゆえに、本当にこれをリアルに撮影したのか! と疑いを持ってしまうほどカーチェイスも飛行機とのスピード競争も、どのアクションシーンも手に汗握るスリリングさとド迫力! そのなかで、エド・スクレイン自身が特に大変だった撮影としてピックアップしたのは、クライマックスでのカラゾフ(ラシャ・ブコヴィッチ)とのファイトシーン。微調整を加え続けて、6日間かけて撮った、こだわりの名シーンとなっている。そして、フランクの父親とフランクにワケありの仕事を依頼する妖艶な美女アンナによって紡ぎ出されるストーリーによって、エド・スクレイン流のフランク・マーティンが出来上がった。

(C)2015  EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo

(C)2015 EUROPACORP – TF1 FILMS PRODUCTION/Photo:BrunoCalvo

「これまでのフランクとは違う側面を見せるチャンスだと思った。強さと弱さのどちらも見せることでより深い人間造型ができたんじゃないかな。特に父親とのシーンはどれも大好きで、レイ・スティーブンソンとは撮影の合間にいろいろと話をした。ここでは言えないようなくだらない話もね(笑)。アンナを含めた3人の美女たちとの共演も面白かったよ。3人とも同じウィッグをつけて、同じドレスを着ているから、最初は見分けがつかなくて混乱したんだ。その3人のブロンド美女を運ぶ依頼を受けてしまったことで、フランクは彼女たちを追いかける人物から狙われることになる。彼女たちにコントロールされてしまうわけだ。僕自身、仕事とか人生のいくつかの面においては自分でコントロールしたいと思うけれど、私生活においては当てはまらないかもしれない。私生活をコントロールしたがる男性のことをアルファ男って言うんだけど、僕はアルファっぽくはないからね(笑)。というのも、小さい頃はアヒルの子みたいに母にくっついて育ったし、今はパートナーが僕を導いてくれている。彼女の影響はとても大きい。だからフランクも(僕みたいに)素敵な女性を見つけて、危険な仕事を辞めて、家族を作って子供を育てたらいいのに……って思うけど、フランクがそうなっちゃうと次の『トランスポーター』ができなくなってしまうね(笑)」

2代目フランク・マーティンは「プロモーションの仕事も大好き」だと言うほどの良い人であり、家族想いの良き夫、良き父親であり、何よりも演じることのための努力を惜しまない俳優。彼が引き継ぐ『トランスポーター』シリーズも面白いものになりそうだ。

(取材・文/新谷里映)


映画『トランスポーター イグニション』
10月24日(土)全国ロードショー

監督:カミーユ・ドゥラマーレ『フルスロットル』『96時間 リベンジ』(編集)
製作:リュック・ベッソン『LUCY/ルーシー』
脚本:リュック・ベッソン、アダム・クーパー『エクソダス:神と王』、ビル・コラージュ『エクソダス:神と王』
出演:エド・スクレイン「ゲーム・オブ・スローンズ」、レイ・スティーブンソン『マイティ・ソー ダークワールド』

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アーティスト情報

ジェイソン・ステイサム

生年月日1972年9月12日(47歳)
星座おとめ座
出生地英・ロンドン

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