人間模様に魅せられる。いつもより人生を考えたくなる珠玉の群像劇映画4選―TSUTAYA映画通スタッフおすすめ

主人公が大活躍してハッピーエンドな映画も楽しいけれど、時には様々な登場人物たちの人生が交錯していく中で、いろいろなかたちの喜びや悲しみや怒りが描かれる群像劇はいかがでしょうか。
生き方はひとつではなく、人生は複雑だけど素晴らしい。そんなことを感じさせてくれる4作品をご紹介します。

それは偶然ではない―時代と場所を越え、すべての人生はつながっている

  クラウド アトラス

クラウド アトラス

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それぞれ時代も場所も違う6つのエピソードが入れ子状に関連しながら大きな物語を構成していく物語を、『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟とトム・ティクヴァ監督が、エピソードごとにジャンルの違う語りで映画化した一大映像叙事詩。

【人間模様のPoint】
まるで手塚治の「火の鳥」のような壮大な物語。

19世紀の大航海時代から文明崩壊後の25世紀までの6つの時間軸が、並行に展開するパラレル群像劇です。巧妙に計算された物語に終始惹きつけられて3時間の長尺も気になりません。

悪と善、生と死。輪廻していく中で、人の運命はどのように創られていくのか。普遍的で哲学的なこの叙情詩を一度見て理解するのは難解ですが、観た後には奇妙ながらも美しい余韻が胸に留まるはずです。

最大の見どころは、約10人の俳優たちが各時代の複数の役を見事に演じきっているところ。トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・スタージェスなど、名だたる役者たちが見事な変幻を披露しています。

エンドクレジットで、誰がどの役を演じたかが明かされますが、あなたは何人気づけるでしょうか。探しながら鑑賞するのも、ひとつの醍醐味です。

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人生には後悔があり、愛がある

  マグノリア

マグノリア

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『ブギーナイツ』のポール・トーマス・アンダーソン監督による感動の人間ドラマ。死期を迎えた大物プロデューサー、彼と確執のある息子、プロデューサーの妻とその看護人、ガンを宣告されたTV人気司会者、過去の栄光にすがる元天才少年など、LAに住むさまざまな人間たちの24時間を描く。

【人間模様のPoint】
人生は偶然なのか、なるべくして起こっているのか。

登場人物は全員が罪や後悔などのわだかまりを抱えたまま人生を過ごしています。
これは因果と偶然の物語。クイズのように正解はない―。

フィリップ・シーモア・ホフマンやジュリアン・ムーアといった豪華な俳優陣の中、怪しいカリスマ教祖役のトム・クルーズの怪演がとりわけ見事。トムは助演の時の方が気骨ある演技で人間臭い魅力を放ってくれています。

ラストシーンは、シュールであり衝撃的。一度見たら忘れられません!本当に度肝を抜きますが、これもまたPTA的な救いのひとつの形なのかもしれません。

決して前向きな出来事は起こらないしどちらかといえば鬱な出来事が続きますが、セリフに散りばめられた人生哲学は、決して否定的でなくありのままを肯定してくれます。
そう、人生には後悔もあるが愛があると―。

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ぶつかりあって、それでも人は生きていく

  クラッシュ

クラッシュ

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『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本で注目を集めたポール・ハギスが監督・製作・脚本を務め、豪華キャストの競演で描く衝撃のヒューマン群像サスペンス。黒人刑事グラハム、ペルシャ人の雑貨店経営者ファハド、白人検事の夫婦などLAで暮らす人たち。やがて彼らの人生は思いがけない形で交錯、大きく狂い始める…。

【人間模様のPoint】
ポール・ハギス監督が、交通事故に実際にあった経験から着想を得て映画化された本作。まさにアメリカ社会の縮図的な映画であり、多人種国家・銃社会の複雑さが描かれています。

交通事故という突発的な出来事をきっかけに、登場人物たちの価値観や人生そのものが大きく変えられます。他人とぶつかって生まれる思いは、善意もあれば悪意もありえる。その感情と行動の違いがもたらす結末が光となり闇となっていきます。

サンドラ・ブロック演じるキャメロンのように、自身の出来事から不安や苛立ちを募らせて偏見を助長することもあれば、自分にかけられた善意から心を開くこともあります。

中盤の「透明マント」のエピソードは感動的です(ネタバレになるので書きませんが、胸に迫るものがあり涙します)。人生は闇だけではなく、光が宿る瞬間があると改めて感じさせてくれる一作です。

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間違いだらけの真実の物語

  スモーク

スモーク

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アメリカを代表する作家ポール・オースターの原作を基に、ニューヨーク、ブルックリンの街角の煙草屋に集う三人の男を巡るさまざまな物語を綴るユーモアと人情味あふれる人間ドラマ。男たちの中に隠された哀しいロマンティシズムを描いた大人のための物語。

【人間模様のPoint】
14年間毎朝同じ時刻に店の前で写真を撮り続けている煙草屋の店長オーギー、彼の馴染みの客で突然の事故により妻を失って以来ペンを持てずにいる作家のポール、彼が車に跳ねられそうになった所を助けた黒人少年ラシードの3人を軸に、ブルックリンのとある煙草屋に集まる男達女達の日常を、過去と現在を嘘と本当を巧みに交差させながら進みます。

店長を演じるハーヴェイ・カイテルの渋さとウィリアム・ハートの哀愁漂う雰囲気が、なんとも言えない空気感を作り上げています。そんな彼らの会話の間を煙草の煙がゆったりと立ち昇ってゆきます。語られるエピソードが嘘か真実かはっきりしないのと同じ様に曖昧に流れていくのです。

最後に語られる、原作オリジナルの「オーギー・レンのクリスマスストーリー」が珠玉です。モノクロで再現される繊細な映像は美しく、見終わった後は心が洗われます。
疲れた時や忙しい時にこそ見直したくなるそんな優しい映画です。

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【オススメ人】
TSUTAYAスタッフ:小谷恵梨

TSUTAYAのレンタル在庫管理を担当。好きなジャンルは、ドラマ・ラブストーリー・ミュージカル。好きな監督は、クリストファー・ノーランとクリント・イーストウッドです。

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アーティスト情報

トム・ティクヴァ

生年月日1965年5月23日(54歳)
星座ふたご座
出生地

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ポール・オースター

生年月日1947年2月3日(72歳)
星座みずがめ座
出生地米・ニュージャージー

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