新作映画『キャロル』を観るべき3つの理由―普遍的な愛の尊さが胸に響く

(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED

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『キャロル』ってどんな映画?

舞台は1952年のニューヨーク。高級百貨店でアルバイトをするテレーズは、子どものクリスマスプレゼントを買いに来たエレガントな女性・キャロルと出会った。彼女が売り場に置き忘れた手袋をきっかけに、親しくなる二人。やがてお互いへの好意は、愛情に変わっていくが、閉鎖的な時代に同性同士の恋愛はタブーとされていた…。ベストセラー作家パトリシア・ハイスミスが実体験をもとに1952年、別名義で出版した“幻の小説”を映画化した。

観るべき理由:1―今年唯一、アカデミー賞女優賞でダブル候補に!

気品あふれるセレブ夫人・キャロルを演じるのは、過去にアカデミー賞主演女優賞(『ブルージャスミン』)、同助演女優賞(『アビエイター』)に輝いたケイト・ブランシェット。最近では『シンデレラ』の意地悪継母役でも知られるハリウッドきっての名女優が、偽りの結婚生活と決別し、真の愛を貫こうとする女性の生き様を堂々と演じきった。

一方、そんなキャロルに導かれ、本当の自分に目覚めるテレーズ役に、『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラ。その無垢な存在感が高く評価され、昨年のカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞している。そんな二人がそれぞれ主演女優賞、助演女優賞にノミネートされた今年のアカデミー賞。同一作品で女優がダブル候補に挙がるのは、『キャロル』だけだ。

観るべき理由:2―超一流スタッフが生み出す映像美に、視線が釘付け

キャストが一流なら、スタッフも各分野のトップクラスが勢ぞろいした本作。50年代のニューヨークを生きる人々の衣装を再現したサンディ・パウエルは『恋におちたシェイクスピア』『アビエイター』などで、過去に3度もアカデミー衣装デザイン賞を受賞しており、本作でも同賞の候補に。

また、撮影を手がけたエド・ラックマンは、通常よりも画角が広いスーパー16mmフィルムを使用し、キャロルとテレーズが織りなす純愛を流麗なカメラワークで捉え、こちらもアカデミー賞の撮影賞候補に挙がっている。テレーズがキャロルに注いだ“視線”が、すべての始まりである本作。観客もまた、超一流のスタッフが生み出す完ぺきな映像美に、一瞬にして視線が釘付けになるはずだ。

観るべき理由:3―普遍的な愛を描いた珠玉のラブストーリー

すでに紹介した部門に加えて脚色賞、作曲賞と計6部門にノミネートされている『キャロル』だが、当初“大本命”と目されていたアカデミー作品賞、監督賞の候補は逃す結果となった。同性同士の恋愛を描いた内容に加えて、トッド・ヘインズ監督(『エデンより彼方に』『アイム・ノット・ゼア』)が同性愛者であることを公言しており、保守的な高齢の白人男性が大多数を占めるアカデミー会員が支持しなかったと批判があがっているのも事実だ。

実際に本作を見てわかるのは、間違いなく作品賞候補に値する作品だということ。そして、“禁断”とは程遠い「普遍的な愛の尊さ」が胸に響くということ。キャロルがそうであったように、自分に正直に生きてこそ、相手を愛し抜けるのだと教えてくれる珠玉のラブストーリーである。

(文・内田涼)


映画『キャロル』
全国公開中

原作:パトリシア・ハイスミス
監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ

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アーティスト情報

ケイト・ブランシェット

生年月日1969年5月14日(50歳)
星座おうし座
出生地オーストラリア

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ルーニー・マーラ

生年月日1985年4月17日(34歳)
星座おひつじ座
出生地米・ニューヨーク

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