映画『ギャラクシー街道』監督・脚本 三谷幸喜インタビュー

三谷幸喜

近未来の宇宙にあるハンバーガーショップを舞台に、宇宙人たちのやり取りをユーモラスに描いた、三谷幸喜初のSFコメディ『ギャラクシー街道』がレンタルに登場。この作品で、三谷監督が描きたかったものとは…?

宇宙でも変わらない、男の情けない部分を描きました

宇宙空間という何でもアリの世界に、自分が大好きなものをすべて詰め込んだ作品です。伏線など、いつもだったら緻密に計算して構成する“数式”的なものを一度取っ払って、とにかく筆の赴くままに作りました。それだけに愛着のある作品となり、自分としては解き放たれた感があります。三谷幸喜という名前や、SFというくくりであるとか、そういうことを考えずに素直な気持ちで観てほしいです。

改めて感じたことは、僕が描きたいのは“人間”だということです。時代劇であろうが未来が舞台であろうが、変わらない。それが、自分が作ってきたすべての作品に当てはまる一つの方向性のような気がします。この作品の場合は、男の情けない姿ですね。つまり、立川談志家元の言葉を借りれば「業の肯定」。結局、僕が描きたいのは、そういうものなんだなと。今回、未来の宇宙を舞台に設定したことで、逆に場所が変わろうが、時代が変わろうが、男たちが持っている感情はそんなに変わらないんだということを表現したかったんです。今後もそういう作品を作っていきたいですね。

今回はポップなもの、とにかく色の多い映画にしたかった。どうしても邦画ってリアリズム重視なので、派手なものは基本的にはない。でも、僕はたまにはそういうものが観たいし、同じような人も多いんじゃないかな。今回は衣装にしても美術にしてもなるべく色をたくさん使おうと考えました。実はキャスティングもその一環。“原色”に近い人たち、そんなイメージですね。いろんな色が混ざった複雑な芝居をする俳優さんではなく、ハッキリした演技をする俳優さんに演じてほしかったんです。

もちろん映画はスクリーンで観るのが一番いいのですが、こういう閉鎖的な、こじんまりとした店からほとんど外に出ない展開の作品というのは、モニターのサイズに合っています。ハンバーガーショップのお客さんの一人として、実際に席に座っているかのような体験ができるはずです。

また、音にも注目して観ていただきたいです。宇宙なので音はないはずですが、“ない音”をどう入れるのか、いろいろと工夫しました。そこも楽しんでほしいです。本当はあってはいけないすきま風とか(笑)。すごく繊細に音を付けていますので、そこは聴きどころですよ。

◆PROFILE

みたに こうき/'61年東京都生まれ。'83年、日本大学在学中に劇団「東京サンシャインボーイズ」を立ち上げ、以降、多数の舞台やTVドラマ、映画で演出、脚本を手がける。近作は映画『清須会議』('13)など。現在、脚本を務めるNHK大河ドラマ『真田丸』が放送中。

『ギャラクシー街道』

『ギャラクシー街道』

5.3 RENTAL & ON SALE
'15年・日
監督・脚本/三谷幸喜
出演/香取慎吾、綾瀬はるか、小栗旬、優香、西川貴教、遠藤憲一、段田安則、石丸幹二、秋元才加、阿南健治、梶原善、田村梨果、浅野和之、山本耕史、大竹しのぶ、西田敏行
【セル】3,800円(税抜)、6,800円(税抜/スペシャル・エディション)、4,700円(税抜/ブルーレイ)、7,700円(税抜/ブルーレイ スペシャル・エディション)

(取材・文:相田冬二/撮影:江藤海彦)

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アーティスト情報

三谷幸喜

生年月日1961年7月8日(58歳)
星座かに座
出生地東京都世田谷区

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