新作映画『ボーダーライン』を観るべき3つの理由――麻薬戦争を描くサスペンスアクションの新たな金字塔

(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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『ボーダーライン』ってどんな映画?

FBIで誘拐事件を担当する女性捜査官ケイトは、米社会を蝕むメキシコの麻薬カルテル壊滅を目的に、秘密裏に編成された特殊チームにスカウトされる。麻薬王が所有する一軒家の捜索で、同僚を失ったばかりの彼女は即志願するが、チームを指揮する特別捜査官グレイヴァーは「見るものすべてから学べ」と作戦の内容を一切話そうとしない。さらにコロンビア人の元検察官で、麻薬カルテルの内実に詳しいコンサルタントの男が作戦に加わり…。

観るべき理由:1――境界(ボーダー)を超えなければ見えない世界

巨大化する麻薬ビジネスが人々はもとより、警察や政府をも支配し、「世界で最も危険な都市」の異名をもつメキシコのフアレス。そこで日々繰り広げられる抗争と惨劇をあぶり出す本作は、何の情報も与えられない主人公ケイトの目線を通すことで、観客により一層のショックと緊張感を与えることに成功している。

撮影を前に、現地の覆面捜査官を連れた決死のロケハンや、麻薬戦争の犠牲者である移民への徹底リサーチを実施。ドキュメンタリーの分野では昨年、日本で『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』が公開されて大反響を呼び、5月にはオスカー監督のキャスリン・ビグローが製作総指揮を務めた『カルテル・ランド』も日本上陸を果たすが、これらに引けを取らない圧倒的なリアリティで、境界(ボーダー)を超えなければ見えない世界を突きつける!

観るべき理由:2――豪華キャストが掘り下げる麻薬戦争の深い闇

主人公のケイトを演じるのは、かつて『プラダを着た悪魔』で意地悪なアシスタントを演じ注目されたエミリー・ブラント。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』『イントゥ・ザ・ウッズ』など数々の話題作にも出演する実力派が、理想を胸に戦いながら、想像を絶する現実に打ちのめされ、激しく葛藤する女性捜査官を熱演。体当たりのアクションも披露する。

そんな彼女を捜査隊に抜てきするグレイヴァー役には、名優のジョシュ・ブローリン。そして同じく麻薬戦争を描いた『トラフィック』でアカデミー賞助演男優賞に輝いたベニチオ・デル・トロが、謎多き男アレハンドロを演じる。敵か? 味方か? その危うい存在感が善悪では割り切れない、麻薬戦争の闇の深さをさらに掘り下げている。

観るべき理由:3――『ブレードランナー』続編も手がけるドゥニ・ビルヌーブ監督

麻薬戦争という世界規模で拡大する問題に真正面から取り組み、重厚感あふれる社会派作品に仕上がった本作。同時に最後まで予想がつかないストーリーテリング、編集と音響の効果が見事にマッチングしたキレのあるアクション描写と、エンターテインメント性も忘れておらず、麻薬戦争を描くサスペンスアクションの新たな金字塔として記憶に残る作品だ。

監督は『灼熱の魂』『プリズナーズ』『複製された男』のドゥニ・ビルヌーブ監督。本作での評価が決定打となり、SF映画『ブレードランナー』の続編(2018年公開予定)にも抜てきされた。今年のアカデミー賞で12回目の候補になったロジャー・ディーキンスの撮影も素晴らしい。

(文・内田涼)


映画『ボーダーライン』
大ヒット上映中

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:テイラー・シェリダン
撮影監督:ロジャー・ディーキンス
出演::エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン

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