映画『スポットライト 世紀のスクープ』レイチェル・マクアダムス インタビュー/女優とジャーナリストの意外な関係。輝き続ける秘訣に迫る

レイチェル・マクアダムス/(C)MASAHIRO MIKI

レイチェル・マクアダムス/(C)MASAHIRO MIKI

第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞のダブル受賞を果たした『スポットライト 世紀のスクープ』。レイチェル・マクアダムスは「本作との出会いは、一生に一度といえるくらいの巡り合わせ」と女優としての転機となった作品だと心を込めて語る。初来日したレイチェルを直撃し、本作との出会いがもたらしたもの。キラキラと輝き続ける秘訣までに迫った。

アメリカの新聞ボストン・グローブ紙が報じて世界中に衝撃を与えた、神父による児童への性的虐待。本作は、カトリック教会が隠蔽していた大スキャンダルを暴こうとした記者たちの姿に肉薄した社会派ドラマだ。レイチェルは「脚本を読んだときは、この映画を誰が観るんだろうと思ったの。実際の記者たちに会ったときも、『自分たちはジャーナリストがやるべきことをやったけれど、この題材は全然、映画的じゃないぞ』といわれたわ」と振り返る。

(C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

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「語られるべき物語だと思った」からこそ出演を決意したレイチェルだが、濃密な撮影を経て完成した作品は多くの人に支持された。「決して派手な作品ではないけれど、たくさんの人に支持をされたことで私はとても勇気をもらったわ。観客の方も『真実に迫る映画が観たいんだ』と思った。これからももっとこういう作品に出たいという思いを強くしたのよ」と社会派ドラマが受け入れられたことに感激の面持ち。

「報道されたものを映画として綴り直すというプロジェクトに参加できてとても光栄に思っている。私にも『自分たちがよく知らなかった物語を伝えてくれてありがとう』『私も被害者を知っている』と声をかけてくれる方がたくさんいたの。アカデミー賞に絡んだ部門で一番うれしかったのは作品賞ね。作品賞を受賞したことでアメリカでは1,500館で拡大上映されたのよ。みんながこの話題をするようになって、『自分も被害者だ』という方にとっては、『自分だけじゃない』と孤独感を癒すことができたかもしれない。映画は傷を癒すことができるかもしれないと思ったし、それこそが映画の力だと思ったわ」

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女性記者のサーシャ・ファイファーという役柄からも大きな力をもらった。サーシャ本人ともたくさんの時間を共有して役作りに挑んだ。「真実を伝えるべきだ、正しいことをするべきだというサーシャの粘り強さやタフさは、本当に素晴らしいもの。役作りにも重要な要素となったわ」と演じる上で柱となったものを明かす。「サーシャは、すごく好奇心のある人なの。そして非常に思いやりのある聞き手ね。だからこそ被害者の方々は、彼女に気持ちを打ち明けられたんだと思う」

ジャーナリストと女優の共通点にも気づいたそう。「素晴らしい聞き手であることって、女優にとってもすごく重要で欠かせないことだと思ったわ。女優は相手のセリフを聞いて、それに答えなければいけない仕事ですもの。そしてたくさんの質問をぶつけるということも、女優にとって大事なこと。キャラクターをリサーチする段階では、演じるキャラクターや、そのキャラクターが身を置く世界観を理解するために、たくさんの質問を投げかけるべきだと思うの。そういう意味ではジャーナリストと女優というのは、似た人種なのかもしれないわ」

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『きみに読む物語』『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』といったロマンチックムービーでキュートな魅力をふりまいてきたレイチェル。本作ではアカデミー助演女優賞へのノミネートも果たし、着実にキャリアを積み重ねているが「女優という仕事に突き進む上では、毎日が不安よ」と意外な言葉を口にする。

「でもね、不安になるのが女優の仕事かもしれないわ。仕事を前にすると、『なんでこれを引き受けちゃったんだろう』『私、何を考えていたんだろう』って思ったりもするのよ(笑)!でもその撮影の日になると、ちゃんと現場に行くわけ。そういった自己疑念があるからこそ、もっとベターな仕事をしたい、もっとベターな自分でありたいと感じられるんだと思う。私を駆り立てているのは恐怖心や、達成できるかわからないものへの挑戦心なのよ」

飾らずに心からの言葉を語ってくれたレイチェル・マクアダムス。リフレッシュ方法は「旅行と読書」だとか。「一生に二度の巡り合わせがあることを目指したいわ」とまぶしいほどのキラキラとした笑顔を見せる。宝物となった作品を糧に、また新たなステージへと羽ばたく。

(取材・文:成田おり枝)


映画『スポットライト 世紀のスクープ』
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