吹替初挑戦! 映画『キング・オブ・エジプト』永野芽郁インタビュー「その場の空気に応じて何かを返せる、バトンを渡しあえるような人になれたら」

永野芽郁
『アイ・ロボット』や『ノウイング』などを手がけたアレックス・プロヤス監督が贈る、7年ぶりの最新作―『キング・オブ・エジプト』は、人間と神が共存する世界で巻き起きる、冒険ファンタジー超大作。本作で主演を務めるのは、盗賊の青年・ベック役のブレントン・スウェイツと、ヒロイン・ザラ役のコートニー・イートンというフレッシュな二人。日本語吹替版で彼らを演じるのは、Kis-My-Ft2の玉森裕太と、モデル・女優として活躍する現役女子高生の永野芽郁というこちらもフレッシュな若手の組み合わせだ。
現在放送中のTVドラマ「こえ恋」(初主演)やカルピスウォーターのCMなどで存在感を放っている永野にインタビュー。映画では、初のヒロイン役を射止め、鈴木亮平や坂口健太郎と共演した『俺物語!!』が記憶に新しい彼女。吹替初挑戦となった本作の役どころや映画の魅力について聞いた。

中央の2人がザヤ(左)とベック(右)/(C)Photo Courtesy of Lionsgate.
「最初はやっぱり、何をどこから初めていいのかわからないっていうところからスタートしました」という永野。声だけで演技することの難しさを現場で実感したという。
「自分の声だけとなると、こんなにも表現しづらいものなんだって思いました。(初めての経験で)すべてが平坦なところから始まったので…ザヤに合わせて表情を作って、想いを出すっていうのがすごく難しかったのですが、現場でいろんな方に相談をして指導していただきながら、ちょっとずつ変えていきました」
本番収録を一日で撮り終えたという彼女は、事前の準備からキャラクターのおおまかなイメージを作った。
「大人っぽくて、綺麗でベックのことが大好き…っていう誰もわかるような想像とか、DVDを観ながら自宅で声を当ててみたりして、セリフからザヤの考えや性格を想像したりもしました」
練習に一日、本番に一日と、タイトなスケジュールで初の声優をやりきった永野。長期にわたって役と馴染んでいく連続ドラマや映画撮影とは違った難しさがあったはずだが、彼女自身はどう感じたのだろうか?
「収録が始まってから終わるまでがすごく早かったんです。ずっと集中していたからか、『終わりです』って聞いたときには『あっ、終わったんだ…』と瞬間的にはホッとしたのですが、時間が経つにつれて『ちゃんと出来てたのかな』とか不安になるところもありました」

しかもアフレコ作業は1人だったというが、玉森と同じ空間でやりたいという気持ちもあったのではないだろうか?
「それは思ったりもしたのですが、玉森さんの声がベックすぎたので、そこに安心して頼ってできました。なので、それを考えていることはほとんどなかったですね。収録中はあまり余裕もなかったのですけど(笑)」
現場でキャラクターを作っていた永野になされた演出とは一体どんなものだったのか。
「細かくは言われなかったので、それは普段の現場とあまり変わらないところなのかなと思いました。声の出し方とか、映像と声を合わせるっていう意味での“相手の芝居を観る”という部分であったり、声について言われたことが結構多かった気がしますね。例えば…ちょっと喉がガラガラになったり、声が裏返ったりとか、自分では気づかないくらいのものなのですけど、そこを指摘されて。『今ちょっと喉痛そうだったからもう一回やろう』みたいな。自分では気付かずにそうなっていることが普段もあるんだなというのが多くて、これから気をつけようって思いました」

また、映画もドラマも経験してきた永野にとって、それらの経験が活きた瞬間はもちろんあった。
「息遣いですかね。実際のザヤの表情を見ながら、笑っていたら私も笑いながら台詞を言うし、今までも(現場で)結構息を出していることが多かったんです。なので、表情に合わせるというよりも、実際の言い方が想像できたので、普段やっていることがそこで唯一活かされたと思いますね」
本作のヒロイン・ザヤは、パートナーのベックに絶大な信頼を寄せているだけでなく、彼女自身も意思の強い女性だ。そんなザヤを永野はどう見ているのか。
「ザヤの一途なところはわかるなっていうか、(自分も)好きな人ができたらその人のこと絶対ずっと好きだろうし、なかなか会えなくてもベックのことを信じて待ち続けていて。見た目は大人っぽくて芯の強そうな人なのに、健気で可愛らしい女の子っぽいところもあるので、そういうところは共感もできるし、応援もしたくなるし、ちょっと尊敬できちゃうところでもあるなって思いました」

スフィンクスも立ちはだかる/(C)Photo Courtesy of Lionsgate.
神と人間が一緒に繰り広げる冒険ファンタジーとくれば、どうしても男性が好きそうなようにも思える本作、女性目線で見た魅力とは―?
「正直はじめは『怖そう』とか『難しそう』とかいうイメージがありました。でも、観てみると、ザヤとベックのことを応援したくなるというかずっと観ていたくなるし、(登場人物の)誰にでもなれる映画だと思います。変に怖さとか難しさがなくって、自分自身が映画の世界の中に入っているような気持ちになれるので、女性目線でも観てほしいなって普通に言える映画です」
そんな永野が好きなシーンは、どちらかと言うとコミカルなシーンだった。

ホルスとベック。神は人間よりも一回り大きい/(C)Photo Courtesy of Lionsgate.
「自分が出ているところではないのですけど、ホルスとベックが走って大蛇から逃げているシーンですね。あそこはなぜか自分が逃げているようにも感じるし、追いかけている気もするし。本当にこれこそジェットコースターっていうかアトラクションに乗っているようなドキドキ感、ハラハラ感がすごかったです!」
ちなみにそのホルスはベックと旅をすることになる神様なのだが、彼も気になったようで…。
「好きなキャラクターはホルスですね。カッコよくないですか? 最初に登場したときは『この人なんかなぁ~』と思ったりはしていたんですけど(笑)、物語が進んでいくにつれて、自分以外の人のことをちゃんと考えていくようになっていくので、「あぁ…変わったぁ」って勝手に親目線になっていましたね(笑)」

ホルス、確かにイケメンです/(C)Photo Courtesy of Lionsgate.
永野は現在TVドラマやCM、映画、モデルと幅広く活躍している上に、学生なので学業もある。活躍の幅が広がることは彼女にとってどういう意味を持つのか、そして将来専業にしたいものはあるのだろうか?
「どれか一つというのはないですね。今、一つの仕事に絞っていないからこそ、切り替えだったりリフレッシュできるところがすごくあります。それがもし一つになると考えると…自分が迷ったり苦しくなった時に切り替えるのが難しくなっちゃうんじゃないかなっていう気がしているので、今のところは考えていません」
そう迷いなく答えてくれた永野は、こちらの「この先大変になっていくと思うんですが?」という問いかけにも「その時になってみないとわからないんですけど(笑)、きっと好きなことは大変でも乗り越えられると思うので、大丈夫です」と前向きだ。

最後に、永野が本作の吹替を通じて得たものを聞いてみた。
「現場に行って考えることがすごく多かったので、感覚や感じたことをそのまま素直に出すのが簡単そうで難しいなと改めて感じました。他の皆さんはそれを当たり前のようにやっていて、引っ張ってもらっている自分がいました。なので、自分がどこの現場に行ってもその場の空気に応じて何かを返せる、バトンを渡しあえるような人になれたらいいなと思いました」
映画『キング・オブ・エジプト』
9月9日 TOHOシネマズ スカラ座他全国超拡大ロードショー
監督: アレックス・プロヤス(『アイ、ロボット』)
出演:ブレントン・スウェイツ(『マレフィセント』)、ニコライ・コスター=ワルドー(「ゲーム・オブ・ストーンズ」シリーズ)、チャドウィック・ボーズマン(『ブラックパンサー』)、エロディ・ユン(『G.I.ジョー バック2リベンジ』)、コートニー・イートン(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)、ルーファス・シーウェル/ジェラルド・バトラー(『300 <スリーハンドレッド>』)/ジェフリー・ラッシュ(『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ)
配給:ギャガ
2015/127分/アメリカ/カラー/2D 3D 4DX MX4D .D-BOX
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