【インタビュー】「悪人は自分のことを悪人とは考えていない」―ウィル・スミスと福原かれんが語る、DCコミックスの悪役集合映画『スーサイド・スクワッド』

ウィル・スミスと福原かれん

ウィル・スミスと福原かれん

DCコミックスの悪役が大集合する、これまでにないヒーロー映画『スーサイド・スクワッド』が9月10日に全国公開を迎える。その公開を直前に控えた8月某日、本作で人類最強のスナイパー:デッドショットを演じたウィル・スミスと、日本刀を武器に戦う冷酷な女サムライ:カタナに扮した福原かれんに、キャラクターへの印象や撮影中のエピソードなどについて話を聞いた。

―演じるキャラクターに対して最初に抱いた印象、そして演じる中で発見した個性は?

スミス:第一印象は、ハードコアな殺し屋というものだったな。デヴィッド・エアー監督は暗殺者を作りたいと言っていて、僕にとって、デッドショットは殺し屋だった。金のために人殺しをするなんて奇妙なことだから、デッドショットに感情移入することはできなかったな。それでも演じていく中で、キャラクターについて少しずつ理解していったんだ。悪人は、自分のことを悪人とは考えていないし、彼ら自身の物語では悪人がヒーローなんだという、目が覚めるような新事実に気づいたんだ。悪人からすれば、善人が悪人なのさ。そうしてデッドショットの考えに入り込むことができて、自分が正しいことをしているヒーローなんだと感じられるようになってから、演じるのがずっと楽しくなったし、極悪な行動も正当化できるようになったよ。

福原:初めてコミックを読んだ時には、カタナは冷酷でクールな女サムライというイメージがあったんですが、彼女の亡き夫や子供たちのストーリーを知って、暗い過去があるから、今は感情を抑えていること、嬉しさや喜びといった感情を隠していることに気づきました。悲しいキャラクターなのですが、本作を最初から最後まで見ると、ちょっとだけですが、私のキャラクターがスクワッドの一員になって、最初は警戒心を抱いていたけれど、終盤では信頼できるファミリーができるという進歩を見ることができます。

―撮影前に行ったブートキャンプはハードでしたか?

スミス:デヴィッドが素晴らしかったのは、俳優を一堂に集めて、人生で最高のこと、そして最悪のことまでを吐き出させたことさ。そうして僕らは、深く暗い痛みや秘密、あるいは栄光などの、あらゆるものを共有して、これがキャストの間に強力な団結を生んだんだ。まるで、ミッションを背負ったスポーツ・チームのようにね。とても強力なリハーサルの方法で、これまで経験したことがないものだったよ。

福原:感情面もそうなんですが、フィジカルのトレーニングをするときにも、実際に拳を握って戦ったり、そういったスキンシップがあったことが、キャストの団結のきっかけになったのだろうと思います。あと、エアー監督の人を見る目がすごいということについて、みんなでいつも話していました。私たちはブートキャンプに放り込まれて、何か月か後には信頼関係を築いていたんですが、今考えれば、監督は最初からそういう関係になることを予測してブートキャンプを始めたんですよね。映画を作る上で、キャストのメンタルや友情を考慮してくれる監督なんだなと思いました。

 

ウィル・スミスと福原かれん

―アクションシーンについて、スミスさんがガンアクションで求められたこと、福原さんが日本刀のアクションで受けた演出について、それぞれ教えてください。

スミス:流血や痛みの描写がないから、本物の銃撃よりも、ビデオゲーム寄りな描き方だよね。彼は見た目や感じるものは可能な限り本物っぽくしたがっていたけど、銃声は処理してあるし、劇中に登場する敵のEAたちが死ぬときも、肉体が滅びるというよりは、ガラスや石が壊れるという感じだ。エアー監督は、本物の殺戮のように感じられないようにこだわっていたんだ。だから現実世界的な暴力ではなくて、あの世界に対して忠実な暴力になっているね。

福原:エアー監督は、リアリティを追求する方として知られているんです。劇中にはエキストラとして、ネイビー・シールズが登場するんですけど、監督が過去にシールズの一員だったので、何人かはかつてシールズとして働いていた方を採用しているんですよ。エアー監督は、彼らにウィルや、(エリート軍人のリック・フラッグ大佐役を務めた)ジョエル・キナマンのトレーニングを頼むことで、リアリティを追求していましたね。

カタナのアクションについては、監督からはそれほど要望はありませんでした。私は、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でセカンドユニットの監督を務めたガイ・ノリス、そして劇中のアクションの振り付けを担当してもらったリチャード・ノートンという、アクション映画界におけるプロ中のプロから指導を受けたんです。このシーンでは、カメラがこのポジションだから、前のめりにした方が大きく見えるよとか、細かい指示は彼らから受けましたね。

 

ウィル・スミスと福原かれん

―本作の魅力の一つが多様性だと思います。近年のハリウッドでは、スーパーヒーロー映画に限らず、ダイバーシティの拡張が重要な課題となっていますが、お二人はどうお考えですか?

スミス:2000年以降に生まれた子供たちは、テクノロジーなしでは育ってこなかった。彼らは、人生の一部としての接続性を持っているんだ。これは、僕や両親が育った頃とは違うことだよね。例えば、僕が自分の子供に、日本人について嘘を付こうとしても、付けないんだよ。彼らは真実ではないと見抜いてしまうんだ。常に情報へのアクセスがあるからね(笑)。

僕は「ウーバー・ジェネレーション」と呼んでいるんだけど、彼らには多様性を求める接続性があるんだ。世界的に、若い世代は世界とより繋がるにつれて、彼らにとっての人類の真実を反映した経験を要求する。多様性は、映画だけではなくて、政治や宗教といった、あらゆる人間の交流の側面に見られるものであり、より多くの接続性と異なる経験に対する絶対的な要求なんだ。そして、世界的なマーケットで成功するために必要なものでもあるね。

もう一つ、言いたいことがあるんだ。通訳さんを観察して気づいたんだけど、通訳というアイディアは、人間が交流を持つ上で完ぺきな技術だよ。通訳において、僕がとても力強いと考える、通訳の3つのプロセスを挙げると、1つには聞くことがある。よく聞いて、集中する必要があるからね。その中で彼女は、自分が納得するための考えを排除している。彼女は納得しようとしているのではなく、ただ聞いているからさ。2つ目が、理解することだ。そして理解したら、同じように内容を繰り返す。聞いて、理解して、繰り返すという3つの要素は、思い通りに交流を持つために、絶対的に必要な要素だね。

福原:ウィルが、理解する前に聞くことが通訳には重要だと言っていましたが、彼は自分の考えを持ち込まないということが、交流を持つ上で必要だと言っているんだと思います。自分の考えが邪魔になって、交流が難しくなっているから、人種差別などが生まれてしまうんじゃないかと。

 

ウィル・スミスと福原かれん

―本作では全員が悪役ですが、役作りが一番大変そうだったキャストは誰ですか?

福原:間違いなく、(殺人ブーメランを操るキャプテン・ブーメラン役の)ジェイ・コートニーよね?

スミス:はっはっは(笑)

福原:冗談です(笑)。彼はそのままなんです(笑)。

スミス:たぶん、ジョーカー役のジャレッド・レトだね。過去にヒース・レジャーやジャック・ニコルソンが演じてきた歴史があるから、彼が最も大変だったと思うよ。一番ハードに役作りに取り組んでいたのは、(ジョーカーの恋人で、最凶ヒロインの)ハーレイ・クイン役を務めたマーゴット・ロビーだったね。

(取材・文:岸豊)


映画『スーサイド・スクワッド』
9月10日(土)全国ロードショー

配給:ワーナー・ブラザース映画
監督・脚本:デヴィッド・エアー(『フューリー』)
製作:チャールズ・ローブン、コリン・ウィルソン、リチャード・サックル
出演:ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン、ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・コートニー、カーラ・デルヴィーニュ、福原かれん
(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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アーティスト情報

ウィル・スミス

生年月日1968年9月25日(50歳)
星座てんびん座
出生地米・フィラデルフィア

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