東出昌大が将棋の初段に! 羽生三冠からの授与に「将棋を続けて段を取りに行きたい」と決意表明

 

(c)2016「聖の青春」製作委員会

映画『聖の青春』の初日舞台挨拶が19日、都内で行われ、キャストの松山ケンイチ、東出昌大、リリー・フランキー、柄本時生、メガホンを取った森義隆監督、そして本作で松山が演じた故・村山聖とライバル関係にあった、羽生善治三冠がゲストとして登壇。劇中で壮絶な対局シーンを生んだことを称えられ、羽生三冠から初段の免状を授与された東出は、「将棋を続けて段を取りに行きたい」と思いを語った。

村山を演じた松山は「今日は初日に劇場にお越しいただきありがとうございます。あいにくの雨ですが、どこかひねくれたところのある天国の村山さんが降らせたのかなと思います(笑)。本作を観て、皆様の中に何かが生まれれば嬉しいです」と挨拶。その村山最大のライバル、羽生を演じた東出は「お足元が悪い中、ご来場ありがとうございます」と感謝。「楽しめましたか?」と会場に問いかけ、大きな拍手が返ってくると、「公開を心待ちにしていました」と満面の笑みを浮かべた。

村山を献身的に支える師匠・森信雄を演じたリリーは、「撮影中は男くさくて泥くさかったが、完成した作品を観てみると、必死で生きている人の清潔感で満ちていた」としみじみ。村山と共に闘うプロ棋士、荒崎学を演じた柄本は「一つのことにここまで生涯を掛けた人というのは本当に貴重。この作品に関われて光栄な気持ちです」とコメント。そして森監督は、「29歳で原作に出会ってやっと今日、初日を迎えることができた。8年の歳月がかかりましたが、それは素晴らしいキャストたちに出会うための期間だったのだなと思います。我々の手を離れ“みなさんの映画”になります。手塩にかけた子どもが旅立つような心境です」と胸中を明かした。

 

(c)2016「聖の青春」製作委員会

村山が亡くなった29歳と同じ歳に原作と出会ったと語る松山は、「もし村山役を演じられたら5年に1本の作品になる」と思っていたそう。しかし、内面・外面から役にアプローチをし撮影を重ねるうちに、「10年に1本の作品」に変わったという。「村山さんと羽生さんが対局の先に新しい世界をみたように、私も東出君と演技の先の世界を見ることができました」と撮影を振り返り、「もう二度と体験できないかもしれないと思いつつ、またあの世界を観たいと思っています」と語った。

この想いに同意したのがリリー。「対局シーンを観ながら、村山さんと羽生さんはなんてすごい人なんだと思いました。それを伝える映画ってすごい、演じる役者ってすごいと感じた」と話し、松山の徹底した役作りエピソードを披露。「劇中で村山さんが師匠からマージャンを教わったというセリフがあるんです。でも実際はマージャンシーンは無いんですが、松山君は役作りの為に一度マージャンをしてみたいと言って…」と、俳優の新井浩文やピエール瀧に協力してもらい、松山がマージャンをしに行った裏話を明かした。

プロ棋士の所作が役作りの上で大変だった話すのは柄本。自身は左利きにもかかわらず、右手での駒打ちを練習したそう。東出はその理由を、森監督に「芝居をするな」と言われたことだったと明かし、本物のオーラを漂わせることに苦労をしながらも、読んだ瞬間に惚れ込んだという脚本を、情熱を持って演じたと胸を張った。

 

(c)2016「聖の青春」製作委員会

当日は、東出が演じた、村山の最大のライバルで本作のヒロインとも言える羽生三冠が、特別ゲストとして舞台に登壇する一コマも。「村山聖という存在を知って頂けて嬉しい。映画に関わった全ての人にお礼を言いたい」と感謝の気持ちを示した羽生三冠は、松山の演技について、「村山さんにまた会えた気持ちになり嬉しかった」と絶賛。そして、自身が出る映画を観ることについて「死んだ後に映画で描かれることは多いですが、生きているうちに観られるのは幸運なのかもしれないですね」とコメントした。

作中、村山が答える雑誌のアンケートに「もしも神様がいるとしたら何を願いますか?」という印象的なシーンがあることにちなみ、登壇者が同じ質問に答えるコーナーも。松山は、「良いことも悪いことも両方見ていてほしい」と答え、東出は「神様には頼りません」と断言。リリーは「自身が演じた森さんにあった際、役作りで、汚い格好をしていたからそれを消したい」と話して笑いを誘い、柄本は「ジェームズ・ディーンになりたい」と願望を告白。そして羽生三冠は、「劇中の村山さんの回答が素晴らしく、それ以上のことが言えません」と語り、森監督は「褒められて伸びるタイプだか毎日褒めて欲しい」と答えた。

本作では、松山、東出が共に役作りのために将棋道場へ通うなどの努力を惜しまなかった結果として、壮絶な対局シーンが生まれていることが話題を呼んだ。その努力を称えて、公益法人日本将棋連盟より、二人へ初段の免状が贈呈されることに。通常の免状には将棋連盟会長・名人・竜王の直筆署名が入るものだが、今回は特別に羽生三冠の署名入りの特別免状が用意され、羽生三冠本人から渡すという粋な演出が。最初に受け取った松山は誇らしげに特別免状を掲げ、「将棋という美しい世界で生きる棋士の方々からこのようなものをもらいとても嬉しい。自分の人生への戒めとして受け取りたい」とコメント。続いて受け取った東出は「映画の舞台挨拶だという事を忘れて舞い上がっております。実力的にまだまだなので、将棋を続けて段を取りに行きたい」と作品が終わっても将棋との付き合いを続けることを誓っていた。


映画『聖の青春』
公開中

監督:森義隆『宇宙兄弟』『ひゃくはち
脚本:向井康介『クローズEXPLODE』『陽だまりの彼女
出演:松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、北見敏之、筒井道隆/竹下景子/リリー・フランキー
原作:大崎善生(角川文庫/講談社文庫)
配給:KADOKAWA

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