【インタビュー】企画のキッカケは失恋!?-第2回TCPグランプリ受賞者・渡部亮平

渡部亮平氏

渡部亮平氏

11月10日(土)に都内で開催された、クリエイターの発掘と育成を目的とした第2回「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM(TCP)」最終審査会。375作品の応募企画からグランプリ1作品、準グランプリ2作品、審査員特別賞1作品の計4作品の映画化が決定した! 今回、本コンペにて『哀愁しんでれら(仮)』でグランプリを受賞した渡部亮平氏にインタビューを敢行。最終審査会での意外なプレッシャーや、企画が出来上がった意外な理由を明かしてくれた。

グランプリでなければ許してもらえないと思った…

日本テレビ系列ドラマ「時をかける少女」の脚本、読売テレビ系列ドラマ「黒い十人の女」の監督、さらに来春公開の映画『3月のライオン』(監督:大友啓史)でも脚本を務める渡部氏。前作の『かしこい狗は、吠えずに笑う』では、2012年「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」をはじめ多くの映画賞を受賞するなど脚本家、監督としても高い評価を受けてきた。しかし、今回のTCP出場にはそんな渡部氏だからこそのプレッシャーがあった。

最終審査会で鈴木京香さんと

最終審査会で鈴木京香さんと

「審査員の方の中には、過去作品で一緒に仕事をした人や、前作を評価してくれた方がいらっしゃいました。“知り合いだから”という理由だけで選んでくれる人たちではないのは分かってましたが、中途半端な結果では周りから出来レースのように思われかねない。だからこそ、審査員はじめ、ほかの参加者、会場全体を納得させることのできるプレゼンをしなければならない、グランプリをとらないと許してもらえないと思っていました」と並々ならぬ決意で今回の最終審査会に臨んだことを話してくれた。「めちゃめちゃ、緊張していました…審査員の鈴木京香さんと握手した時も手汗が大丈夫か心配でした(笑)」と当時の心境を振り返った。

企画のきっかけは、好きな子が突然結婚したこと

『哀愁シンデレラ(仮)』

『哀愁シンデレラ(仮)』

そんな渡部氏が、グランプリを獲得した『哀愁しんでれら(仮)』は、彼氏の浮気や、祖母の病気など不幸のどん底にいる主人公・聡子が、ひょんなことから優しくお金持ちの開業医・大輔と出会い結婚する、現代のシンデレラストーリーだ。しかし幸せ絶頂の聡子は、大輔とその連れ子ミカとの関係性の中で徐々に“異常な愛情”を抱き始める…。

この本作のストーリーを生み出したきっかけについて、監督は「実は企画のきっかけは、自分の好きだった子が知り合って間もない男と数か月で結婚してしまったことなんです(笑)その時に『大丈夫なの? 結婚してからすごいひとだったらどうするんだろう…』と思ったことから、このアイデアで物語ができないかなと考えました」とまさかの答えが。

『哀愁シンデレラ(仮)』イメージ画像

『哀愁シンデレラ(仮)』イメージ画像

自身の身近な出来事から今回の企画を思い立った渡部氏。「何もないところからオリジナルは生まれないです。いつも自分が生活している人の中にモデルとなる人がいます」と話し、日常の体験にアンテナを張り巡らせている様子を語った。

異常者だが、観ながら“否定できない気持ち”にさせたい

そんな本作の大きなテーマにについては「『かしこい狗は、吠えずに笑う』の時にように、基本は愛のために動いているが、ある一線を越えていく存在としてモンスターペアレンツが出てきて、“自分がそうなると思ってもいなかった存在になっている”という物語を書いてみようと思いました」とコメント。昨今ニュースでも話題のモンスターペアレンツが本作の大きなテーマであると語った。

渡部亮平氏

渡部亮平氏

「実際に『運動会をやり直せ!』と校長に包丁を突きつけた夫婦がいた事件があったそうなんですが、その親子にも何か事情があったのかも知れない。そこまでやらなきゃいけいない一面があったのではないか、そこにも家族愛があったのではと思いました。本作の登場人物についても、観客が感情移入するのではなく、観ながら否定できない気持ち『自分もそうするよな…この人はどこで間違えたんだろう』という気持ちを味わってもらいたい。観客を置いていかないようにしていくことを意識したいです」。

一見すると異常者な“モンスターペアレンツ”を、遠い存在として突き放すのではなく、観客との距離を詰めながら表現していくことで、観客にも理解できる一面が見えてくるのかも知れない。

おもしろい映画とは?-「思ってもないもの」

インタビューの最後、監督が考える、「おもしろい映画」について聞いてみた。すると「一番難しいですね、この質問は…(笑)」と悩みながらも「“思ってもないもの”ですかね…物語の展開だけじゃなくて、演出、撮り方、衣装、会話のひとつにしても“自分の考えにはないもの”を見てみたいです。でも、これって本当に難しいことで、ちょっとでも油断するとすぐに見たことのある“定型”にはまってしまうんです。といって壊し過ぎるとなにをやっているのかわからなくなる…」とコメント。多種多様なエンタメ作品が溢れる現代において、既視感のない作品を生み出すことの難しさを語った。

渡部亮平氏

渡部亮平氏

「だから、自分が撮る時も、形は見せながらうまく“外していく”ように常に狙いながら撮りたいですね。また、前作の時もやったんですが、途中でジャンルをスライドさせる映画を目指したい。最初はどストレートなファミリーの話なんですが、そのジャンルが変わっていくようにしていきたいですね」と、今回の映画化で渡部氏が目指す作品の形を語ってくれた。

さらに、「実はすでに、もう一作品考えていて…それを合わせてスライド系3部作を創り上げたいんです。だから来年のTCPにも出場したいですね(笑)」とさらなる映画作りへ野望も垣間見せた。

(取材・文/nony)

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アーティスト情報

渡部亮平

生年月日1987年8月10日(31歳)
星座しし座
出生地愛媛県

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