新作映画『聖杯たちの騎士』を観るべき3つの理由――極上のビジュアルが問いかける、人生の謎(いみ)

(C)2014 Dogwood Pictures, LLC

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『聖杯たちの騎士』ってどんな映画?

脚本家として成功の階段を駆けあがろうとするリックは、華やかで悦楽的なセレブの世界に浸りながら、その一方で埋めがたい心の空白に悩まされる日々。超大作のオファーが舞い込んでも、高額ギャラと信念の板挟みに幸せを実感することができない。プライベートでは弟の自殺による一家の崩壊、さらに妻とのすれ違いで家庭の破綻に直面していた。そんなリックの前に年齢も性格もバラバラだが、それぞれに魅惑的の女性たちが現れて…。

観るべき理由:1――詩的で抽象的、でも思わず共感してしまう“心の迷走”

一言で表せば、人生に迷える男がさまざまな女性と出会い、人生と向き合う…。そんなヒューマンドラマだが、わかりやすいストーリー展開を頭で追うのではなく、詩的でときに抽象的な映像×音楽×モノローグが五感を刺激する、いわば体験型の映画に仕上がった。しばらくは戸惑いを覚えるかもしれないが、気づくと映画の放つ波長に、自然と身を委ねたくなる心地よさがクセになる作品だ。

人生における幸福とは、使命とは、意義とは? 答えがわからないまま“心の迷走”を繰り広げる男の姿はじれったくもあり、同時に「じゃあ、自分は?」と胸に問いかけると思わず共感もしてしまう。次々と目の前に登場する女性たちは、内にあるモヤモヤを映す鏡なのかも!?

観るべき理由:2――オスカー俳優が勢ぞろい、「見せたことがない表情」披露

人生に迷える主人公のリックを演じるのは、『ダークナイト』シリーズの主演で知られ、『ザ・ファイター』でアカデミー助演男優賞受賞に輝いたクリスチャン・ベール。肉体改造を含めたハードな役作りにも定評があるが、本作では「あえての飾らない姿」を思慮深く、それでいてパッションをこめた演技で表現している。

リックの妻で医師のナンシー役には、『アビエイター』で助演女優賞、『ブルージャスミン』で主演女優賞と2度のオスカー受賞を誇る名女優のケイト・ブランシェット。関係修復が無理だと承知しつつも、最後まで夫への愛を静かに叫ぶ姿が絶品だ。そして、『ブラック・スワン』でアカデミー主演女優賞を手にしたナタリー・ポートマンが、リックと不倫愛に落ちる女性を好演。3人の名優が「見せたことがない表情」をスクリーンに披露している。

観るべき理由:3――カンヌ制覇監督×3年連続オスカー受賞の撮影監督が極上のビジュアルを紡ぐ

メガホンをとるテレンス・マリック監督は映画界の生ける伝説として、多大なる尊敬を集める存在(本作の豪華キャストがその証明だ)。大作『天国の日々』でカンヌ国際映画祭監督賞に輝いた後、なんと20年も沈黙を守り、復帰作『シン・レッド・ライン』ではベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。ブラッド・ピットが主演した『ツリー・オブ・ライフ』で、カンヌ国際映画祭パルム・ドールに手にするなど、輝かしいキャリアの一方で、撮影現場以外の公の場にほとんど姿を現さない、謎に包まれた人物でもある。

そして、撮影監督を務めるのはマリック監督の作品を数々手がけ、2013年から3年連続でアカデミー賞撮影賞を受賞しているエマニュエル・ルベツキ。本作でもその手腕を存分に発揮し、マリック監督ならではの哲学的な視点と語り口を、圧倒的なリアリティとイマジネーションで肉付けし、映画が問いかける「人生の謎(いみ)」を具現化している。

(文・内田涼)


映画『聖杯たちの騎士』
12月23日公開

脚本・監督:テレンス・マリック
出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、ナタリー・ポートマン
提供:日活、東京テアトル
配給:東京テアトル

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