奥浩哉が選ぶ「『GANTZ』に影響を与えた映画」10本

人気漫画家の奥浩哉さんは、代表作『GANTZ』の主人公像やクリーチャーデザインに影響を及ぼしたSF&アクションを選出。「そんなところに!?」という驚きの秘話がいっぱい。

※ピックアップ作品は、2011年末に発行された『シネマハンドブック2012』掲載のものとなります。ご了承ください。


奥浩哉が選ぶ 「『GANTZ』に影響を与えた映画」10本

ダイ・ハード

ブルース・ウィリス主演のアクション超大作。クリスマスイヴに、超高層ビルが13人のテロリストによって占拠された。たまたま立ち寄って事件に巻き込まれたジョン・マクレーン刑事が孤立無援の闘いに挑む。

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ブレードランナー

フィリップ・K・ディックの原作をリドリー・スコット監督&ハリソン・フォード主演で映画化。2019年のLAを舞台に、暴走する人造人間を抹殺するため、賞金稼ぎデッカードが追跡を開始する。

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エイリアン

未知の生命体の恐怖を描いた人気SFホラー。ある惑星で宇宙貨物船ノストロモ号に潜伏した謎の宇宙生物が次々と乗組員を抹殺。生き残った航海士リプリーがたった一人で壮絶なサバイバルに挑む。

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プレデター

アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション。捕虜となった政府要人の救出という任務でジャングルに派遣されたコマンド部隊が突然何者かに襲われる。その正体は宇宙から来た肉食獣プレデターだった。

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遊星からの物体X

'51年につくられたSFホラー『遊星よりの物体X』を、B級映画の鬼才として知られるジョン・カーペンターがリメイク。南極の観測基地で未知の生命体がイヌに侵入し、隊員たちに次々と襲いかかる。

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ロボコップ

近未来のデトロイトを舞台に、殉職した警官が巨大企業が開発したロボコップとなって復活し、犯罪捜査に臨むSFバイオレンスアクション。人気に火がつき、続編はもちろん、TVシリーズやアニメも製作。

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スターシップ・トゥルーパーズ

'59年のSF小説『宇宙の戦士』を映像化したスペクタクルアクション。“バグズ”と呼ばれる超巨大昆虫型宇宙生物と地球連邦軍が繰り広げる壮絶バトルを、軍に入隊した新米兵士の視点から描く。

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ジャッジメント・ナイト

ふと迷い込んだスラム街でストリートギャングの制裁場面を目撃してしまった青年4人が、ギャングから逃げつづける姿をスリリングに描く。主演はエミリオ・エステヴェス。

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キング・コング

'33年に作られた同名アクションアドベンチャーの金字塔を『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソンが最新CG技術を駆使してリメイクした超大作。

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必殺!III 裏か表か

藤田まこと主演の人気TVシリーズの劇場版第3弾。江戸に存在する地下金脈を巡り、闇の金融集団と対決する仕事人。彼らは金融集団が送り込んだ刺客相手に苦戦する。

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『ダイ・ハード』―“等身大のヒーロー像”は『GANTZ』の玄野に反映されている

『ダイ・ハード』

『ダイ・ハード』

公開初日に観に行きましたが、期待以上に面白かったのを覚えてます。ジョン・マクレーン刑事は、事件に巻き込まれ、文句を言いながらも闘い、しぶとく生き延びて最後は大きな敵を倒しますが、この“等身大のヒーロー像”は、『GANTZ』の玄野にかなり反映されていますね。それに一本の映画としても完成度がすごく高い。バンバン伏線を張って、悪役も含めてキャラクターが魅力的に見えるように回収していくなど、脚本と演出がうまくかみ合っています。『ダイ・ハード』以前と以後で分けられるぐらい、アクション映画史上に影響を及ぼした作品だと思います。

『ブレードランナー』―SFにおける架空の武器ってカッコいいという概念を学びました

『ブレードランナー』

『ブレードランナー』

映像としてのSFを語る上では欠かせない作品。クールな世界観も影響を受けていますし、ねぎ星人の口癖「ねぎだけで十分ですよ」は、うどん屋の親父が言う「2つで十分ですよ」のパロディ(笑)。あと、デッカードブラスターは、当時デザインがカッコいいとマニアの間で話題になりましたよね。SFにおける“架空の武器”ってカッコいいという概念みたいなものはこの映画で学んだ気がします。でも考えてみたら“ブラスター”って熱線銃のことなのに、劇中ではバン! って弾が出てるし(笑)。僕も『GANTZ』でXガンという武器を勝手に作ってみました。

『エイリアン』―エイリアンとは違うデザインにしたくても、どうしても似ちゃう

『エイリアン』

『エイリアン』

エイリアンのクリーチャーデザインを超えたものはこの映画以降、出てきていないですよね。僕も星人をデザインするときに、できるだけ“エイリアンに似ないように”頑張るんだけど、どうしても似ちゃう。困ったものです。それで行き着いたのがねぎ星人で、ギャグ方向に走りました。あと、H・R・ギーガー特有の“性器”をモチーフにしたデザインを最大限に生かしているのが、最後のリプリーがエイリアンと対峙するシーン。リプリーが宇宙服を半裸になって着替えるんですが、怖さと性的な感じ、その対比がうまく出ている名シーンだなと思いましたね。

『プレデター』―なんだ、この宇宙人!? プレデターのキャラ造型が特殊

『プレデター』

『プレデター』

『エイリアン』もそうですが、こんな宇宙人のキャラ造型を観たことがなくて。プレデターは、とにかく強いヤツと闘うために地球にやって来ます。ジャングルで強いヤツが来るのをずっと待ち、最初は姿を隠しながら攻撃してるんだけど、特に手強そうなヤツが現れると鎧を脱ぎ捨てて、「よし、素手でいっちょいこうか」と闘うっていう…。「なんだ、この宇宙人!?」って(笑)。この男くさいプレデターとシュワルツェネッガーが闘うシーンは燃えました。『2』はプレデターがたくさん出てくるラストが好きで『GANTZ』の星人が増えていく描写に反映しているかも。

『遊星からの物体X』―閉鎖空間で疑心暗鬼になっていくストーリーには影響を受けた

『遊星からの物体X』

『遊星からの物体X』

SF&クリーチャー好きにはたまらない作品。『エイリアン』のクリーチャーデザインがメジャーだとすれば、この映画のデザインは言わば裏の主役。恐怖作家のラヴクラフトの『クトゥルー神話』からヒントを得たようなデザインで、とにかく革新的でした。人体がグニャーッと変形したり、違うところから顔のパーツが出ていたりする造型は、僕も影響を受けましたね。『エイリアン』と同じで、“閉鎖空間で疑心暗鬼になっていく”というストーリーにも少なからず影響を受けていると思う。ジョン・カーペンターの中でも最高傑作に近い映画だと思います。

『ロボコップ』―ヴァーホーベンの“容赦ない残酷描写”がすごく好き

『ロボコップ』

『ロボコップ』

最初にポール・ヴァーホーベン監督を知った作品です。彼の“容赦ない残酷描写”がすごく好きなんですよね。この映画でも、冒頭、主人公が殉職するんですが、殴り殺しというむごたらしさ。この人ムチャクチャするなぁって思うし、次の展開が怖くて仕方がない。その残酷性は『GANTZ』にも反映されていると思いますね。ロボコップの、かわいそうなのにカッコいいっていう境遇にも惹かれます。ヴァーホーベンはCGにしてもメイクにしても、かなりクオリティ高く、リアルに作る監督。お約束のユルさを許さないところは、僕も刺激されていますね。

『スターシップ・トゥルーパーズ』―ヴァーホーベンのように“読者を手玉に取ってる感”を出したい

『スターシップ・トゥルーパーズ』

『スターシップ・トゥルーパーズ』

リアルに人間がバラバラになる描写に凄まじい絶望感を感じました。しかも全体を通してカラッとしてるので主人公にも感情移入できないし、誰が死んでもおかしくないから余計に怖い。『GANTZ』でも襲われた基地が出てきますが、リアルにこだわって、下に落ちた死体まで全部自分で描いています。それぐらいやらないと生々しさが出ない。あと、ヴァーホーベンってふざけたいのか怖がらせたいのかわからない(笑)。僕も漫画家として読者を手玉に取ってる感を出したいと思っていて。読者が先の展開を予測しづらいほうが、より“怖さ”が出ると思うんです。

『ジャッジメント・ナイト』―地味な主人公が本性を表し、邪悪な敵と闘う設定が好き。

『ジャッジメント・ナイト』

『ジャッジメント・ナイト』

周りにも薦めたんだけど、どうやら僕しか好きじゃないみたいで(笑)。主人公は昔は不良だったけど、今は温和なサラリーマン。そんな彼が極限状態に追い込まれるうち、昔を取り戻していくという描写は、子ども時代はヒーローだった玄野の人物描写に反映されていると思います。おとなしい主人公が本性を表し、邪悪な敵と闘って勝つという設定が好きなんですよ。スラム街の描写もリアルで怖かったです。

『キング・コング』―ピーター・ジャクソンの趣味が全部入っていてうらやましかった

『キング・コング』

『キング・コング』

ブルーレイで何回も観ている映画です。最初から最後までお金をふんだんに使ってやりたい放題。ピーター・ジャクソンの趣味が全部入っていますよね。観ていてひたすらうらやましかったです(笑)。キング・コングが劇場で暴れはじめて、客席がガラガラ崩れていくシーンとか、僕、でっかいものが動いているだけで興奮するんですよ。というのもあって、『GANTZ』の敵キャラもできるだけ大きくしていますね。

『必殺!III 裏か表か』―夜は“裏の顔”を持つ中村主水の人物造型は玄野に反映

『必殺!』シリーズは大好きなんですが、その中でも、中村主水が一番カッコよく描かれています。いつもは裏からこっそり刺したりとなかなか闘わない主水が、『Ⅲ』ではピンチに立たされるシーンが多い。すると数々の危機を通して、主水の、昼行灯ではない“裏の顔”が見えてくるんです。この人物造型も、昼間はボーッとしているけど裏では目が変わるというような玄野の主人公像に影響を与えています。


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プロフィール

奥浩哉

1967年福岡県生まれ。主な作品に『変[HEN]』、『HEN』、『01 ZERO ONE』。'00年より週刊「ヤングジャンプ」で連載中の『GANTZ』は2部作で映画化された。

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アーティスト情報

奥浩哉

生年月日1967年9月16日(51歳)
星座おとめ座
出生地福岡県福岡市

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