【インタビュー】マイケル・ファスベンダー「全部、裸で撮りたかった」映画『アサシン クリード』超絶アクションの裏側を語る

マイケル・ファスベンダー

マイケル・ファスベンダー

全世界累計3,700万本以上を売り上げた同名ゲームシリーズの世界観を基にした、ミステリー・アクション『アサシン クリード』が3月3日(金)に公開。主演を務めるのは、『X-MEN』シリーズや『プロメテウス』『スティーブ・ジョブス』に出演する俳優マイケル・ファスベンダー。このたび、アクションから繊細な心理描写まで幅広い役柄を演じるファスベンダーに本作の魅力を聞いた!

「アクションは、ゴムのような動きなんだ」

映画『アサシン クリード』

(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

長きに渡り、人間の自由意志を守ろうとするアサシン教団と、自由を制限することで人類を支配しようとするテンプル騎士団との間では、伝説の秘宝“エデンの果実”を巡る戦いが繰り広げられていた…。

テンプル騎士団が設立した多国籍複合組織・アブスターゴ財団のリハビリ棟に連れてこられた死刑囚カラム・リンチは、遺伝子操作によって、祖先の記憶を追体験させられる。そこでカラムは自分の祖先が、禁じられた秘宝“エデンの果実”のありかを知るルネサンス期の伝説のアサシン・アギラールだったことを知る…。

本作の見所は、ゲームの世界観を実写で表現するアクションだ。ジャスティン・カーゼル監督は、CGや特殊効果を多用せずに、パルクールの技術を取り入れるなど実写でのアクションにこだわった。そんな、アサシンのアクションをファスベンダーは「“ゴム”や“踊り”のような動き」と表現する。

「大きな爆発的な動きがあったと思えば、すごく静かな動きもある…まるで“ゴム”が伸びたり、縮んだりするような動きなんだ。ある種“踊り”のような雰囲気もあると思う。ゲームの中でも、非常に大きな表現力のある動きと、洗練された動きがあって、それを参考にして取り組んだよ」

映画『アサシン クリード』

(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

ゲームから飛び出してきたかのような、激しいアクションと冷静な雰囲気。静と動が共存するアサシンたちの動きは、ゲームの世界をリアルに表現する核となる要素だ。

「吊るされるのは居心地が悪いものだね(笑)」

映画『アサシン クリード』

(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

また、本作で印象的なのは、ファスベンダー演じるカラムが先祖・アギラールの記憶を追体験するための装置“アニムス”だ。『マトリックス』『インセプション』『アバター』など、“意識と肉体をかい離させる装置”はこれまでにも数多く描かれてきたが、アニムスの特筆すべき違いは、ロボットアームの形状をしていることだ。

「ゲームの中では椅子で表現されていたが、それではカラムが受け身の人間になってしまう。アギラールの記憶を追体験をしている時は、カラム自身にも感じたり動いたりするものが欲しいと思ってアームの形にしたんだ。でも、実際のアームはCGだから、撮影はワイヤーに吊るされてて行われた。アームだったらどのような動きになるか色々想像しながらやっていたけど、吊るされている状態は居心地が悪いモノだったよ(笑)」

先祖の記憶を追体験すると同時に、カラムの肉体もアギラールと同じ動きが再現される。そんな意識と肉体を“シンクロ”させるアニムスは、カラムの追体験をビジュアル的にもドラマティックに演出している。

遺伝子操作装置“アニムス”

遺伝子操作装置“アニムス”/(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

さらに本作での積極的な記憶の追体験は、カラムに心理的な変化を及ぼす。

「カラムとアギラールは、もともとは全く違うキャラクターなんだ。アギラールには仲間がいて、自分の使命感を持っている。一方で、カラムは何をしていいかわからない状況で、誰も信用できない。しかし、そんな迷える状況の中でアギラールの記憶を追体験し、最初はしぶしぶだけれども、自分より大きな目標や意義を見つけ出しリーダーとなっていくキャラクターなんだ」

アニムスを通して実体験するアギラールの記憶によって変化してくカラムのキャラクター。ファスベンダーの繊細な心理描写にも、注目して頂きたい。

「アニムスのシーンは全部、裸で撮りたかった…」

映画『アサシン クリード』

(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

そんなアニムスによって、アサシンとしての目標、使命感を感じ始めるカラム。その中で、重要なアイテムとして登場するのが“エデンの果実”だ。ファスベンダーは「エデンの果実こそ、映画化にあたり最も困難な挑戦だった」と明かした。

「ゲームの中ではエデンの果実は、力を与え、次の旅のヒントになるアイテムとして、単に探すこと自体が重要だった。しかし映画化するにあたり、アサシンにとっては自由意志を象徴するものになった。エデンの園で、アダムとイブが初めて表明した自由意志。エデンの果実には自由意志の暗号が隠されており、人類にとって自由に決められる選択肢があることを象徴するように捉えているんだ」

リアリティのある形として映画化するために、新たな解釈を加えた“エデンの果実”。ゲームとは異なる自由意志の象徴は、本作のストーリーにアクションだけではない魅力を与えている。

それを象徴するシーンの一つとして、ファスベンダーはクライマックスの「裸で戦う場面」を挙げた。

「アニムスの追体験は全部裸でやりたいと思っていたけれど、ハーネスやワイヤーにつながれている部分を後で消すのに、すごくお金がかかってしまうから無理だったんだ。美意識的にも、肉体が見えた方がアスレティックで動物的、原始的な魅力がある。最後の追体験だけは、カラム自身が自由意志で闘いに挑むシーンだから服を脱いだ。またシャツを脱いで『さあ行くぞ!』という意気込みもあるんだ」

ファスベンダーの鍛え抜かれた肉体美はもちろんのこと、本作のテーマでもある自由意志が力強く映し出されるクライマックスは本作でも必見のワンシーンだ。

映画『アサシン クリード』

(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.

「一行だけのシーンや即興のほうが良かったりもする」

そんな本作では、主演とプロデューサーも兼任したファスベンダー。今回の映画作りでは「情熱だけで映画はできない」事を学んだと語った。

「本作を創って変わった事は、ちょっと白髪が増えたことかな?(笑) 以前自分の制作会社DMCで創った『スロウ・ウエスト』とはスケール感が違っていて、全く新しい体験があった。例えば、脚本の中ではすごく重要だと思って書いたシーンが、実際撮影してみるとイマイチだったりする。一方で、一行しかかいてなかったり即興だったシーンが、実際に撮影してみるとすごくメッセージ―性があったりビジュアル的に良かったりした。そういうチャンスを逃さないという要素の中で“交渉力”も学んだ。情熱だけではない、外交的手段の技術も必要だったよ」

先に挙げた、「服を脱がなかった」という選択も、プロデューサーとしての決断もあったのだろう。演技、アクション、そしてマネジメントまで、ファスベンダーの多彩な才能が光る映画『アサシン クリード』。今後の活躍にもさらなる期待が高まる一本だ。

(取材・nony)


映画『アサシン クリード』
2017年3月3日(金)全国ロードショー

◇監督:ジャスティン・カーゼル ◇出演:マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズ
(C) 2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved. 配給:20世紀フォックス映画

X-MEN:アポカリプス

X-MEN:アポカリプス

出演者 ジェームズ・マカヴォイ  マイケル・ファスベンダー  ジェニファー・ローレンス  オスカー・アイザック  ニコラス・ホルト  ローズ・バーン  オリヴィア・マン  エヴァン・ピーターズ  コディ・スミット=マクフィー  ソフィー・ターナー
監督 ブライアン・シンガー
製作総指揮 スタン・リー  トッド・ハロウェル  ジョシュ・マクラグレン
脚本 サイモン・キンバーグ
音楽 ジョン・オットマン
概要 X-MENの誕生を描いた「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に始まる新トリロジーの最終章となるSFアクション大作。長き封印から目覚めた最古にして最強のミュータント“アポカリプス”と若きX-MENの壮絶な戦いの行方を描く。監督は引き続きブライアン・シンガー。1983年、プロフェッサーXは“恵まれし子らの学園”で若きミュータントの教育に尽力し、マグニートーは身を隠して妻子とともに静かに暮らしていた。そんな中、かつてその強大なパワーで神と崇められた人類史上初のミュータント“アポカリプス”が長き眠りから目覚める。そして堕落した人類への怒りを募らせた彼は、世界の再構築を決意する。そんなアポカリプスの恐るべき野望を阻止すべく、若きX-MENのパワーを結集して立ち向かうプロフェッサーXだったが…。

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スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ

出演者 マイケル・ファスベンダー  ケイト・ウィンスレット  セス・ローゲン  ジェフ・ダニエルズ  マイケル・スタールバーグ  キャサリン・ウォーターストーン  パーラ・ヘイニー=ジャーディン  リプリー・ソーボ  サラ・スヌーク  ジョン・オーティス
監督 ダニー・ボイル
脚本 アーロン・ソーキン
原作者 ウォルター・アイザックソン
音楽 ダニエル・ペンバートン
概要 「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」のダニー・ボイル監督が、独創的な発想で数々の革新的商品を生み出し、人々の日常生活に革命をもたらしたカリスマ経営者スティーブ・ジョブズの知られざる素顔に迫る異色の伝記ドラマ。主演はマイケル・ファスベンダー、共演にケイト・ウィンスレット。スティーブ・ジョブズの人生において大きな転換点となる3つの新作発表会に焦点を絞り、それぞれの本番直前の舞台裏を描く斬新なスタイルで、スティーブ・ジョブズの仕事と家族を巡る葛藤と信念を浮き彫りにしていく。1984年。Macintosh発表会の40分前。“ハロー”と挨拶するはずのマシンが何も言わず、激高するジョブズ。そこへ、ジョブズの元恋人クリスアンが、娘のリサを連れて現われるが…。

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アーティスト情報

マイケル・ファスベンダー

生年月日1977年4月2日(42歳)
星座おひつじ座
出生地独・ハイデルベルク

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