『ラ・ラ・ランド』でオスカー獲得なるか?「何でも屋」俳優ライアン・ゴズリングの魅力

映画『ラ・ラ・ランド』

映画『ラ・ラ・ランド』より、エマ・ストーンとライアン・ゴズリング(C) 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

第89回アカデミー賞で、作品賞を含む最多14のノミネートを受けたことで話題の映画『ラ・ラ・ランド』。本作でジャズピアニストのセブを演じたライアン・ゴズリングは、同賞の主演男優賞の筆頭候補と目されており、今映画界で最も注目を集めている俳優の一人だ。今回は、そんなゴズリングの俳優としての魅力について、これまでのキャリアを振り返りながら解説する。

作品の質を見極めて出演する姿勢

カナダ出身で、幼少の頃から芸能界に身を置いていたゴズリングは、デンゼル・ワシントンが主演を務めた感動作『タイタンズを忘れない』で注目を集め、その後も『16歳の合衆国』『きみに読む物語』『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』といった秀作に出演。ゼロ年代以降は同世代の俳優が次々とスーパーヒーローものや超大作に飛びついていったが、ゴズリングは一貫してインディペンデント映画やアート系の作品を中心に活躍してきた(実は『ドクター・ストレンジ』役をオファーされた過去も)。1996年のデビューから出演してきた映画は、公開を控える『ブレードランナー 2049』を含めて22本。およそ1年に1本という抑えの効いたペースからは、作品をしっかりと選んで出演していることがうかがえるし、実際に彼の出演作品は見ごたえのあるものばかりだ。

はまり役は「女性に尽くすいい男」

ゴズリングは、その渋みのある姿から男性の映画ファンにも根強い支持を受けているが、やはり女性ファンが圧倒的に多い。おそらく彼女たちがゴズリングのファンになったきっかけは、『きみに読む物語』『ブルーバレンタイン』『ドライヴ』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』、あるいは『ラ・ラ・ランド』のいずれかだろう。というのも、これらの作品には共通して女性に訴えかけるポイントがあるのだ。それはゴズリング演じるキャラクターが、愛する女性に対して何らかの形で自己犠牲を果たしていること。ゴズリングは女性への深い愛情と、これに基づく献身を繊細に表現するのが実にうまく、これらの作品で彼が演じたキャラクターには、男である筆者自身も「抱かれてもいいな」と思わされた(いやマジで)。後述するように、何でもできる俳優ではあるのだが、ゴズリングの魅力が最大限に発揮されるはまり役は、今のところ「女性に尽くすいい男」だと思う。

できないことなどない「何でも屋」

『ラースと、その彼女』ではダッチワイフに真剣に恋する純朴な青年を生々しく体現し、『幸せの行方...』では愛する妻を追い詰めていくサイコパスな夫を怪演したほか、『ドライヴ』では感情を表に出さない凄腕のスタントドライバーにふんして激しいアクションを披露し、『ナイスガイズ!』(公開中)では仕事ができないへなちょこ探偵役で爆笑を誘ったゴズリング。演じてきた役柄は様々だが、彼はそれらすべてにリアリティや説得力をまとわせることができるのが素晴らしい。驚くべきことに、『ラ・ラ・ランド』では歌と踊りに加えて、ピアノも自分で演奏している。練習に練習を重ねた結果として手にしたその腕前には、共演したミュージシャンのジョン・レジェンドも嫉妬したという…。できないことなどない。そう感じさせるゴズリングは、まさしく「何でも屋」と称すに相応しい俳優だ。

アカデミー賞の行方は?エマ・ストーンとのカップル受賞にも期待

既に記したように、ゴズリングは『ラ・ラ・ランド』の演技によって、第89回アカデミー賞の主演男優賞にノミネート(恋人役で共演のエマ・ストーンは主演女優賞にノミネート)されている。第79回では『ハーフ・ネルソン(原題)』の演技によって同賞にノミネートされたゴズリングは、10年越しに映画界最高の権威を手にして、俳優としてもう一段上のレベルに到達することができるのか?前哨戦として位置づけられるゴールデングローブ賞では、ミュージカル・コメディ部門の主演男優賞に輝いているだけに、その可能性は非常に高いだろう。また、ストーンとのカップル受賞にも期待が高まるところだ。気になるアカデミー賞の結果は、現地時間2月26日に、カリフォルニア州ハリウッドのドルビー・シアターで発表される。

今後もその活躍からは目が離せない!

作品の選び方がうまく、「女性に尽くすいい男」というはまり役を構築し、様々なことに挑戦して役者としての幅を広げてきたゴズリングは、今日のハリウッドにおいて、間違いなく、最も魅力的な俳優の一人だ。今年はSF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編で、ハリソン・フォードと共演した『ブレードランナー 2049』の公開も控えているので、その活躍からはまだまだ目が離せそうにない。

(文:岸豊)

>【インタビュー】ライアン・ゴズリング&デイミアン・チャゼル監督、第89回アカデミー賞 最有力『ラ・ラ・ランド』への思いを語る!


映画『ラ・ラ・ランド』
公開中

監督・脚本:デイミアン・チャゼル『セッション』
出演:ライアン・ゴズリング『ドライヴ』、エマ・ストーン『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、J・K・シモンズ『セッション』
提供:ポニーキャニオン/ギャガ
配給:ギャガ/ポニーキャニオン

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