『3月のライオン』や『キングコング』など必見作品を厳選!3月のおすすめ映画ガイド

『3月のライオン』

『3月のライオン』/(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

映画ライター岸豊がおすすめ作品を紹介する連載の第三回。今回は3月に公開を迎える作品から、天才コメディエンヌが放つお下品コメディ、原作の再現度が高すぎる青春ドラマ、スマホを軸に展開する笑劇のサスペンス、怒涛の展開がひたすら続くアクション・アドベンチャーの4本をピックアップ。それぞれの魅力を紹介する。

笑いたければこれを見よ! 『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』

彼氏がいるにもかかわらず、手当たり次第にセックスしまくるダメダメ女のエイミー(エイミー・シューマー)が、心優しい医者のアーロン(ビル・ヘイダー)と織りなす恋模様を描く超B級コメディ。とにかく素晴らしいのは、脚本を兼任したシューマーによるゲスなギャグの数々だ。知能が下がると分かっていても、盛大に笑ってしまう。『スカーフェイス』『ユージュアル・サスペクツ』といった名作を絡めたジョークもパンチが効いており、シューマーの脚本家としての非凡さが感じ取れる。一方、無駄に豪華なキャスティングにも驚かされる。昨年に『ルーム』でオスカーに輝いたブリー・ラーソンや、『ジャスティス・リーグ』でフラッシュを演じるエズラ・ミラー、そして『ドクター・ストレンジ』のティルダ・スウィントン、さらにはNBAのスーパースターであるレブロン・ジェームズなど、超がつくほど豪華なキャストの面々には「なぜこの作品を選んだんだ!?」と思わずにいられない。『40歳の童貞男』『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』など、「意識低い系映画の巨匠」として知られるジャド・アパトー監督の求心力の強さがあるからこそ、ばかげたキャスティングは実現したのだろう。

再現度高すぎ!原作ファン必見の青春将棋ドラマ 『3月のライオン』【前編】

美大生たちが送る青春の日々を描いた『ハチミツとクローバー』で知られる羽海野チカが、ヤングアニマルで連載中の同名コミックの実写版。劇中では、高校生棋士の桐山零(神木隆之介)が、あかり(倉科カナ)、ひなた(清原果耶)、モモ(新津ちせ)の川本三姉妹や、義理の姉である香子(有村架純)、ライバルの二海堂晴信らと織りなす人間模様が描かれる。特筆すべきは、実力派キャストによる原作キャラクターの再現度の高さだ。羽海野による可愛らしいキャラクター造形とは雰囲気を異にする部分はあるものの、原作ファンを満足させるクオリティであることは間違いない。特に、神木、倉科、有村、そして零が研究会に入る島田開にふんした佐々木蔵之介のビジュアルおよび演技は、キャラクターが原作から飛び出てきたように錯覚させるほどレベルが高かった。登場人物それぞれが抱えるものを拾い上げながら構築されていくストーリーも、厚みがあって見ごたえ十分。盤上での戦いや会話の端々から見えてくるドラマの数々には、どこかに必ず感情移入できる瞬間があるはずだ。伊勢谷友介が川本三姉妹の父・誠二郎役で登場する【後編】は4月に公開する予定。

あなたはスマホの中身を友人に曝け出せますか? 『おとなの事情』

パオロ・ジェノヴェーゼ監督がメガホンを取り、ジュゼッペ・バッティストン、アンナ・フォリエッタ、マルコ・ジャリーニ、エドアルド・レオ、ヴァレリオ・マスタンドレア、アルバ・ロルヴァケル、カシア・スムトゥニアクが7人芝居で魅せ続ける本作は、イタリアのアカデミー賞と言われる「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」で作品賞と脚本賞をW受賞している秀作。劇中では、久々に再会して一緒に夕食を楽しむ大人たちが、ふとした会話がきっかけで、スマホの通話とメッセージの内容を明かし合う姿を通じて、人間の二面性や現代人のスマホ依存が暴き出される。最初は冗談交じりにゲームを楽しむ大人たちだが、セクシャリティや不貞が露見することによって、友人・夫婦関係は破たんしていくことに…。それぞれが隠し持つ人間的な醜悪性が露呈されていくプロセスは、まるで心理サスペンスのようにスリリングだ。もはや人々はスマホなしには生きられないこと、そしてスマホの中にはその人のすべてが隠されているといっても過言ではないという恐ろしい事実にも、深く考えさせられるものがある。

エンドロールまで必見! 『キングコング:髑髏島の巨神』

ベトナム戦争の終結後に、髑髏島と呼ばれる未開の地に踏み入った愚かな人間たちが、キングコングをはじめとする超ド級の怪物たちから逃れるために繰り広げるサバイバルを描いたアクション超大作。島に着くまででも既に面白い人間模様が展開されるのだが、着いてからがすごい。というのも、これでもかというくらいに戦いが続くのだ。コングを筆頭に次々と登場するモンスターたちは、容赦なく調査隊へ襲い掛かり、髑髏島において人間がいかにちっぽけな存在であるかを痛烈に示す。そんな緊張感たっぷりのアクション映画でありながら、戦闘の合間には絶妙なギャグが必ずと言って良いほど挿入されているギャップも良い。過去の『キングコング』映画へのオマージュや、名作映画のパロディも盛りだくさんで、見るたびに新たな発見があるのも魅力。主人公の元兵士コンラッド(トム・ヒドルストン)や、ヒロインで戦争写真家のウィバーの演技も素晴らしいのだが、劇中では2人のおじさん俳優が輝きを放つ。一人はサミュエル・L・ジャクソン、そしてもう一人はジョン・C・ライリーだ。前者はマッドな演技で、後者はコミカルな演技で物語に起伏を生み、各々の魅力を爆発させてくれた。そうそう、最後の最後にアッと驚くような仕掛けが待っているので、エンドロール中には劇場を出ないように。

(文:岸豊)

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