スカーレット・ヨハンソン「自分の脳から離れないものになった」 ハリウッド版『攻殻』への思いを語る

 

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』来日記者会見より

士郎正宗によるSFコミックの金字塔『攻殻機動隊』の実写版で、4月7日に全国公開を迎える映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』のキャスト・監督来日記者会見が16日に都内で実施され、キャストのスカーレット・ヨハンソンビートたけしピルー・アスベックジュリエット・ビノシュ、メガホンを取ったルパート・サンダース監督が登壇。ヨハンソンは「自分の脳から離れないものになった」と作品への思いを語った。

脳以外が全身義体である世界最強の捜査官・少佐(ヨハンソン)が、上司の荒巻(たけし)やバトー(アスベック)らエリート捜査組織「公安9課」の面々とともに、脳をハックする脅威のサイバーテロリストとの戦いに身を投じる姿を描く本作。主演のヨハンソンは実写化への想いを聞かれると、「初めて素材をもらってアニメを見て、どう実写化していくかがはっきりと見えていなかったんです。気持ちが怯むこともあったんです」と告白。

それでも、詩的で夢のような世界観に惹かれたことを明かし、「私としては興味がありましたし、アニメも心の中に残りました。ルパートから彼が集めた映像や資料を見せてもらいましたが、彼の考えている世界観は、原作に敬意を持ちながら、独自のものがありましたね。自分が演じるキャラクターの経験を見て、彼女の人生や存在について会話をすることによって、それらはどうしても否定できないようなものになりました。この『ゴースト・イン・ザ・シェル』という作品が、自分の脳から離れないものになったのです」と述懐した。

また、「これだけ愛されている作品であるということで、出演できて光栄に思いますし、責任も感じています。この役に息を吹き込むことになりましたが、自分としては素晴らしい経験になりました。感情的にも肉体的にも大変な経験になりましたが、人として学ぶことも多かったですし、役者としても本作から色々と学ぶことができました。役が遂げる成長と同じように、自分も成長することができたので、とても感謝しています」と笑顔で語った。

一方、「公安9課」をまとめる荒牧を演じた北野は「やっと幸福の科学から出られて、今度は統一教会に入ろうとしたときに、やっぱりこの映画のためには創価学会が一番いいという気がしないんでもないんですけども」と挨拶代わりのジョーク。続けて「初めて本格的なハリウッドの、コンピュータを駆使したすごい大きなバジェットの映画に出られて、自分にとってもすごくいい経験だし、役者という仕事をやるときには、もう一度、どう振る舞うべきかっていうのを、スカーレットさんに良く教えていただいた。流石にこの人はプロだと、日本に帰ってきてつくづく思っています。そのくらい、素晴らしい映画ができたと思っています」とコメント。

また、批判を浴びることも多い実写化については、「実写版というのは、もともとのコミックとかアニメに必ず負けて文句を言われる作品だというのが定説なんですけど。『そういうのは違う違う、こういうんじゃない』っていう感じがよくあるんですが、今回は自分の周りにも、その世代の子供たちがいっぱいいて、昨日ちょっと見たんだけど、すごいということで。忠実であって、なおかつ新しいものが入っていて、もしかすると、アニメやコミックの実写版で最初に成功した例ではないか?というような意見があって」と手ごたえを明かし、「唯一の失敗作は、荒巻じゃないかっていう噂があるんです。それは言わないようにと言っているんですが」と続けて会場を沸かせつつ、「それくらい見事な作品だと自分は思っているし、現場でも、監督が如何にこの作品に懸けているかっていうのもよく分かった。全編、大きなスクリーンで見ていただければ、いかに迫力があって、ディテールまでこだわっているかが良く分かります」と作品の魅力をアピールした。

少佐を支えるバトー役のアスベックは、「もちろん怖い思いはありました。特にバトーは愛されているキャラクターで、ファンの期待を裏切ることはできません。そんな思いもありましたが、この素晴らしいチームに恵まれて、不安は吹き飛びました」とコメント。「私も『攻殻機動隊』のファンなんです。出会ったのは、私が14歳のころに、ヨーロッパに押井監督の最初のアニメが世界公開された時だったんです。物語も、アイデンティティを模索する話だったと思います。自分はまだ14歳で、まさにその只中にあったので、とても共感することができました」とシリーズへの愛をアピール。

そして「2015年の秋にルパートに会ったのですが、色々な話を聞きながら、士郎正宗さんの漫画シリーズを手に取りました。そこでバトーを見つけたんです。というのも、最初に言われていたバトー、特にアニメのバトーは、軍人で年上で、私はもっと若いし平和主義者だったので、共通点は見えませんでした。ですが、漫画を読んだらビールやピザが大好きで、これだ!と思いました。そこからキャラクター作りができました。道のりは簡単ではありませんでしたが、スカーレットやジュリエット、たけしさん、監督と一緒に仕事をできたことは、大きな喜びでした」と懐かしそうに振り返った。

オリジナルキャラクターのオウレイ博士役のビノシュは「脚本を受け取って一読した時には、なにも理解できませんでした(笑)。SFというジャンルに馴染みがないですからね。ただ、私の息子が3D関係の仕事をしているのですが、彼は原作の大ファンなんです。私が監督と話し合いを重ねている間に、彼は脚本を二回も読んで、説明してもらって、素晴らしいコンテンツだからと勧められたのが、出演の後押しになった理由の一つでした」と出演の経緯を説明。

ただ、難解な世界観を理解するのに苦労したそう。「独自の言語や暗号に近いコードが存在する話で、自分の役柄も非常に複雑なキャラクターでした。なので、喧嘩したというわけではないのですが、監督とかなり熱論を交わしまして(笑)、それから役作りをしていきました」と回顧し、「スカーレットは朝から一生懸命にトレーニングしていたり、ルパート監督が目の下にクマを作って昼夜働きづめだったり。国際色豊かなキャストやスタッフたちが、一丸となってこの映画に取り組んでいるという意味で、本当に素晴らしく、活気あふれる現場でした」と撮影の日々をにこやかに語った。

最後に実写化への思いを改めて聞かれたサンダース監督は、「この作品を作ることは大きなチャレンジでした。アニメーションでは簡単にできることが、実写ではとても難しいんです。例えばバトーの目は、実写だと滑稽なものになってしまう可能性があります。荒巻の髪形もです。また少佐のスーツも、きちんと作らないと、映画的には良くないことになります。私は若いころにアニメにつながりを持ちましたので、あらゆるチャレンジを受けて立つという気持ちで臨みました。この作品では、カットのスタイルやペースで日本映画を意識しています。『酔いどれ天使』『ブレードランナー』が出会うような世界観ですね」と秘話を披露。また、「士郎さんが最初に漫画を発表したときは、インターネットや携帯電話のない時代でしたから、本作のテーマはより今日的なものになっています。多くの観客に、今日的なテーマやアイディアを持つ本作を見ていただきたいと思います」と話していた。

(取材・文:岸豊)


映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』
4月7日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

監督:ルパート・サンダース『スノーホワイト』
原作:士郎正宗「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハンandジュリエット・ビノシュ
邦題:ゴースト・イン・ザ・シェル
原題:GHOST IN THE SHELL
公開日:(北米)2017年3月31日(日本)2017年4月7日
配給:東和ピクチャーズ

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