【インタビュー】オスカー女優ブリー・ラーソン、インドで出会った像がキングコングとの関係性のヒントに―映画『キングコング:髑髏島の巨神』

ブリー・ラーソン

ブリー・ラーソン

新鋭のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督がメガホンを取り、映画史において最も象徴的なモンスターであるキングコングをスクリーンに蘇らせた映画『キングコング:髑髏島の巨神』が3月25日に日本公開を迎える。トム・ヒドルストンサミュエル・L・ジャクソンジョン・C・ライリーなど錚々たる俳優が集結した本作において、数少ない女性キャラクターとして力強い輝きを放つ戦場カメラマンのメイソン・ウィーバーを演じたのは、『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたことが記憶に新しいブリー・ラーソンだ。去る3月某日、PRのために来日したラーソンに、本作で見せた素晴らしい演技や、女優としての哲学について話を聞くことができた。

―演じられたメイソンは、コングと最も感情的な繋がりを持つキャラクターですが、CGIでクリエイトされるコングとの間にそういった繋がりを構築することは至難の業だったと思います。どんなアプローチを取ったのでしょう?

想像力を使ったの。私の仕事の根底にはまず想像力があるのだけど、本作ではそれをさらに拡大したわ。みんなにとって、コングは何らかの意味を持っている。私にとっては、環境との繋がりをもう一度持つということだったわ。以前インドに行ったとき、1頭の像に出会ったのだけど、その時に私の心は揺さぶられたの。像はとても力強い生き物なのに、とても優しかったから。最初は怖かったし、彼らは強いから人を傷つけることもできるわけだけど、彼らはそういった行動を取らない。そこに感動したわ。本作ではその経験を頭に思い浮かべて、「実際にコングと触れ合うときにどうするか?」ということの基礎にしたの。

(C)2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

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―メイソンは強いヒロインでもありながら、女性らしいヒロインでもありますね。

両方の側面を表現することを楽しんだわ。人間って、内面にいろいろな側面を持っているものだから。このキャラクターを演じて、自分についての新しいものを発見することができたわ。メイソンは、自分が思っていることはハッキリ言わなければいけないということを私に教えてくれた。つまり、自分が重要だと考えることを伝えなければいけないってことを、彼女を演じることを通して学んだの。他の人みんなが賛成しなくても、間違っているということではないから。真実って、時間が経てば明らかになるものだしね。

―戦場カメラマンという女性を演じるうえでは、どんな役作りを?

実際に戦場カメラマンという職業がどんなものであるかを調べる必要があったわ。70年代に活躍した勇気ある女性の戦場カメラマンについての資料を読んだの。あと、今でもそういった戦場カメラマンがいるから、彼らと話をしたわ。そういった情報を基にして、キャラクターを構築し始めたの。高校の頃には、写真の授業を取っていたのよ。カメラの扱い方を知っていたから、本作をきっかけにまた写真を撮るようになったわ。カメラの扱い方に慣れるって、メイソンを演じる上ではすごく重要なの。これだけ画面が大きいと、カメラ使いが上手くないと、すぐにバレてしまうから。それに、当時のカメラの方が扱い方は複雑だわ。しかもモンスターたちから逃げているわけだから、すごく大変だった(笑)。他にも、毎日2時間のフィジカルトレーニングを積んだの。

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―コングとヒロインの関係性は、映画史において重要な意味を持つものとして描かれてきました。本作におけるコングとメイソンの関係では、どんなところが新しいと感じられましたか?また、コングの手に乗った感想も教えてください。

メイソンは、今までのヒロインと比べるとアクティブな女性ね。彼女は救われるのではなく、仲間たちを救うヒロインだから。今の時代だったら、そういう姿が見られても良いと思うの。コングの手のひらに乗るのは、素晴らしい感覚だった。毎日10時間、常に走ったりジャンプしたり登ったりしていて、5ヵ月にわたるハードワークの後で、ただ寝ていれば良い日があったのが嬉しかった(笑)。演技をしていたというよりも、疲れていたって感じね(笑)。

―これまではインディペンデント映画で活躍を重ねてこられたので、これほどの規模のブロックバスター映画に出演するのは初めての経験だったと思います。撮影で最も驚かされたことは?

一番驚いたのは、セットにいる人の数の多さね(笑)。あれほど多くの人と一緒に働いたことって、今までなかったもの。特にCGIに関わっている人の多さには驚かされたわ。彼らは毎日セットに来て、写真を撮って、どうやって表現するかを話し合っていたの。彼らはクレイジーな技術を持っていて、どうやってモンスターたちが観客に見えるかが頭の中に浮かんでいたと思うし、目の前に存在しないものを観客に示す方法を分かっていたんだと思う。でも撮影当時にそれらはなくて、私たちには、ダンボールに描かれた怪物が見せられるだけだった。2人のスタッフが攻撃しているような感じで、手に持って私たちの前にいただけだったのよ(笑)。あれには驚いちゃった(笑)。

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―最も辛かったことは?

天気よ。私たちは6か月にわたって3ヵ国で撮影を行ったけれど、天気は何度も変わったわ。ものすごく暑い日もあれば、すごく寒い日もあったし、いろいろな天気があったの。母なる自然が雨を降らせれば撮影はできない。そんな時は笑うしかなかった。この映画は膨大な製作費と緻密な計画に基づくものだけど、最もシンプルな自然が止めてしまうの。

―雨の日はどう過ごしていたんですか?

ハワイでは洪水になるくらいの雨が降って、何もできなかったの。だから、食料がたくさんあるトラックにいることを願うしかなかったわ(笑)。

―もし髑髏島に行くことになって、何か一つだけ持っていけるとしたら、何を持っていきますか?

そうね…ラベンダーオイルかしら。というのも、ラベンダーオイルは虫を自然に避けてくれるのよ。現場では、なぜかいつも刺されていたの!

―本作のコングはすごく男前なキャラクターだと思います。完成した作品を見た時には、コングに対してどんな思いを抱きましたか?

驚いたわ。どんな演技でも、私にとって一番重要なのは目なの。言葉や言葉の発し方よりも、目の見え方が大事ね。コングの目はとても大きいから、やっぱり重要。それに彼は喋らないから、私たちは彼の目を見て心を理解する。CGIチームが作り上げたコングの目には感動させられたわ。

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―劇中では、人間のキャラクターよりもカッコイイ気もします。

私たちは助演に過ぎないわね(笑)。

―インディペンデントからブロックバスターまで多彩な活躍をされていますが、出演する作品を選ぶ基準はあるのでしょうか?

ストーリーの伏線がどんなものなのかということね。私は行動主義、つまり考えていることを行動に移すために映画作りをしているの。映画は人々をつなげて、人生について考えさせるものだと思う。『ルーム』のような作品からは、いろいろなことを感じることができるわ。そういった自分とのつながりのようなものを、今度は巨大なモンスター映画で作ってみたいって思ったの。なぜなら本作のような映画では、作品を楽しむことができる同時に、新しい何かを学ぶこともできるから。私にとっては、そういった作品が完璧な映画ね。

―この作品を通して考えさせられたことは?

映画の方向性にワクワクしたわ。これほどの規模の大作であっても、何か考えさせられるようなものがあるという意味でね。

―自然と人間の関係性についても考えさせられるものがありますね。

その通りよ。あとは愛についての問いね。あとは人間の支配欲についての疑問についても。これらは長きにわたって取り組まれてきたものではあるけれど。

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『ショート・ターム』や『ルーム』といった作品に加え、本作や『Captain Marvel(原題)』といった超大作に出演し、サミュエル・L・ジャクソンと共演する『Unicorn Store(原題)』では監督デビューもされます。昨今のハリウッドでは女性の活躍と多様性が重要なトピックになっていますが、業界を牽引する一人の女優として、ハリウッドをどんな風に変えていきたいですか?

私の目標は、より多くの人を携わらせることよ。多くの映画は男性的なタイプのものだけど、私はいろいろな種類の人々が流入する業界の中で、世界についての見方をシェアしたいと思っているの。いろいろな国籍や、それぞれのバックグラウンド、異なる人生の物語を持つ人々とね。映画は、人々をつなげるための素晴らしい手段だと思うわ。私は自分が旅行できる前に、映画に携わることによって、世界のその他の地域がどんなものであるかを学ぶことができた。人々には、自分のストーリーを語って欲しいと思っているの。そうすることで、自分のものとは異なる観点を理解し始めることができるから。

(取材・文:岸豊)


映画『キングコング:髑髏島の巨神』
2017年3月25日(土)日本公開

監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、MIYAVI、ジョン・C・ライリー、他
日本語版吹替キャスト:GACKT(主人公:ジェームズ・コンラッド役)、佐々木 希(ヒロイン:メイソン・ウィーバー役)、真壁刀義 [新日本プロレス](米陸軍兵士:レルス役)

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アーティスト情報

ブリー・ラーソン

生年月日1989年10月1日(29歳)
星座てんびん座
出生地

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