オスカー受賞の『ムーンライト』バリー・ジェンキンス監督が用意していた幻のスピーチ原稿が解禁

 

第89回アカデミー賞より

第89回アカデミー賞で作品賞受賞の栄光を手にした『ムーンライト』が、3月31日より全国公開する。今回、メガホンを取ったバリー・ジェンキンス監督が、受賞用にあらかじめ用意していた幻のスピーチ原稿が到着した。

自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで圧倒的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴ったこの物語に、世界中は瞬く間に虜になった。北米で大ヒットを記録すると、第74回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)受賞、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞・脚色賞・助演男優賞を受賞し、見事オスカーの栄光に輝いた。

ではなぜ『ムーンライト』は世界中を魅了しているのか―。それは、人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれているからだ。どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔…思いもよらない再会により、秘めた想いを抱え生きてきたシャロンの暗闇に光がさしたとき、私たちの心は大きく揺さぶられ、深い感動と余韻に包まれる。

作品賞発表時の前代未聞のハプニングで、混乱と興奮の中、簡単に受賞スピーチを終えたバリー・ジェンキンス監督だが、実は事前に受賞スピーチを用意していたことを「The Hollywood Report」が報じている。主人公のシャロンのような生い立ちであるジェンキンス監督は、父親がおらず、薬物中毒の母親のもと、貧困家庭で育ち、自ら自分自身にリミットを設け、夢なんてかなうはずないと否定してきたという。幻のスピーチ原稿は、アカデミー賞を受賞した彼が、自分のような多くの人々の象徴となりたいという真摯な思いを伝える内容になっている。

【用意されていた受賞スピーチ】
「この映画の元になった戯曲を書いたタレル・アルバン・マクレイニーと僕は“シャロン”である。僕たちはあの少年なんだ。『ムーンライト』を観たら、あのような環境で育ってきた少年が、大人になってアカデミー賞に輝く作品を作るとは誰も思わないだろう。それは僕も繰り返し言ってきた。実はそうやって自らの夢を抑え込んで、否定したきたんだ。君たちや周りに否定されたわけではなく、僕自身がね。だから僕たちに自分を投影している人は、これを機に自分自身を愛してほしい。なぜなら、そうすることによって夢を見るだけでなく、許されないと思っていた夢を実現できるかもしれないからだ。アカデミーに感謝する。愛をこめて。ありがとう」


映画『ムーンライト』
3月31日より、TOHOシネマズシャンテ他にて公開

監督/脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス、アンドレ・ホーランド
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ/朝日新聞社
配給:ファントム・フィルム【2016/アメリカ/111分/シネマスコープ/5.1ch/R15+】原題:MOONLIGHT

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