柿沢安耶が選ぶ「食への意識が変わる食育的映画」5本

野菜をスイーツにする斬新なアイデアを生み出したパティシエ、柿沢安耶さんは食育や農業にも関心が高い。彼女が薦める食育的映画を観れば、明日からの食生活が変わるはず。

※ピックアップ作品は、2011年末に発行された『シネマハンドブック2012』掲載のものとなります。ご了承ください。


柿沢安耶が選ぶ「食への意識が変わる食育的映画」5本

キング・コーン 世界を作る魔法の一粒

アメリカ最大の生産量を誇るトウモロコシをめぐるドキュメンタリー。トウモロコシのルーツを探るため、農業を始めたイアンとカートは補助金制度や化学肥料など現代農業の深刻な実情を目の当たりにする。

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未来の食卓

フランスのバルジャック村で学校給食のオーガニック化に取り組む人々を追ったドキュメンタリー。彼らの姿を通して、子どもの将来を脅かす食物汚染や環境汚染の実態もしだいに明らかになっていく。

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フード・インク

巨大企業の下請けにあえぐ一般農家の問題など、アメリカの食品業界の裏側に隠された実態を描いた衝撃のドキュメンタリー。第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。

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食堂かたつむり

小川糸のベストセラー小説を柴咲コウ主演で映画化。失恋のショックで一時的に心因性失声症を患った女性が、実家で食堂を開店。やがて彼女の独創的な料理が幸せをもたらすと噂が広まりはじめる。

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ジェイミー・オリヴァーのスクール・ディナー

イギリスの人気イケメンシェフ、ジェイミー・オリヴァーが、栄養度外視の子どもたちの食生活を改善しようと小学校に乗り込み、給食改革に挑む。やがて彼の熱意はさまざまな人々の心を動かしていく。

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『キング・コーン 世界を作る魔法の一粒』―まずは知ろうとすることが大事。それに気づくための映画

『キング・コーン 世界を作る魔法の一粒』

『キング・コーン 世界を作る魔法の一粒』

“食育”ってどうしても難しくなりがちですよね。でもこの映画は大事なことを伝えつつも、コミカルな部分もあるので、子どもも観られる作品だと思いました。映画の中で二人の青年がトウモロコシのルーツを探ろうとしますが、彼らの姿が教えてくれるのは、まず知ろうとすることが大事で、そこから自分が何を選択すべきかということ。みなさんには、より自然なものを調べたり、実際に農家に足を運んだりと、とにかく楽しんで自分の食に取り込んでいってほしい。今は食べものを自分で選べる時代。それに気づくための映画なんじゃないかなと思います。

『未来の食卓』―子どもたちの自然な反応で、彼らの味覚がいかに敏感かがわかる

『未来の食卓』

『未来の食卓』

食育の現場では“大人を食育しよう”という動きが多いんですが、この映画はまず子どもから変えていくんですね。子どもの味覚がいかに敏感であるかということが、彼らの自然な反応からも伝わってきます。私も小学校で食育をしていますが、意外と小さな子のほうが素直ですね。食べる楽しさや達成感を伝えていけば、その先に大切なものが見えてくると思っています。また、オーガニック野菜は高いというイメージがまだあるかもしれませんが、長い目で見て地球に優しいのが有機農業。値段の高さが安心安全につながっているんです。

『フード・インク』―ここまでアメリカの農家が追い込まれているとは知らなかった

『フード・インク』

『フード・インク』

食品業界の裏側を暴いた映画ですが、中でも遺伝子組み換え大豆の実態は衝撃でした。日本では禁止されていますし、『怖い』というぼんやりしたイメージしかありませんが、アメリカでは巨大企業のコントロールのもと、当然のように行われている。搾取と言ったらおかしいかもしれませんが、ここまでアメリカの農家の人たちが追い込まれているとは知りませんでした。私も農家にはよく足を運びますが、アメリカの農業の実情に比べたら、日本は直売所があったり、自分たちで販路を見いだせる分、まだ恵まれた環境にあると言えるのかもしれません。

『食堂かたつむり』―主人公が食材に触るシーンから、食材に対する敬意を感じた

『食堂かたつむり』
『食堂かたつむり』

『食堂かたつむり』

本を読んだときに、主人公が育てたブタを食べる行為が印象的で。いろんな考えがあると思うんですが、“食べることで成仏してもらう”という一つの答えがこの作品にはあります。映画では、主人公が食材に触る場面がとても丁寧に細かく描かれていますよね。料理人って素早さが求められるあまり、食材に対する敬意がおろそかになりがちだと思うので、いろいろ考えさせられました。時間をかけて料理ができ上がる過程が“おいしそう”という気持ちにもつながるし、さらに食べることで何かが起こる。こういう“魔法”が伝わる料理ってすてきですね。

『ジェイミー・オリヴァーのスクール・ディナー』―ジェイミーの作る給食が子どもたちの性格まで変えていく

人気料理人ジェイミーが給食を変えようとするんですが、まずこの給食がフライドポテトにハンバーガーとか、とにかくひどい! でもみんな野菜を食べたくないから彼の料理に大ブーイングで、口に入れてもすぐ戻しちゃう。挙げ句、彼は給食のおばちゃんとケンカしたり、自分の家族にも反対されたりで四面楚歌に。でもそのうち、暴れてばかりだった子が落ち着いて勉強しはじめたりと彼の作る給食が子どもたちの性格まで変えていき、最終的にはブレア首相から支援まで得るんです。まさに闘いの物語であり、食育を考えさせられるドキュメンタリーですね。


(C) MOZAIC FILMS INCORPORATED ALL RIGHTS RESERVED. (C) 2010「食堂かたつむり」フィルムパートナーズ

プロフィール

柿沢安耶

世界初の野菜スイーツ専門店「パティスリーポタジエ」(東京・目黒区)のオーナーシェフ。小学校での食育セミナーや生産地での野菜づくり体験ツアーを催すなど活動中。

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アーティスト情報

柿沢安耶

生年月日1977年3月5日(42歳)
星座うお座
出生地東京都

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