ジェームズ・ガンが語る映画への愛と監督としてのポリシー 映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』インタビュー

来日したジェームズ・ガン監督

来日したジェームズ・ガン監督

個性的なタイトルが並ぶマーベル・シネマティック・ユニバースにおいても、ひときわ異彩を放つのが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』だ。魅力的な音楽と軽妙なジョークを交えながら、銀河を救うヒーローとなるお尋ね者たちの姿を描いた同作は、全世界興行収入7億7300万ドルという驚異的なヒットを飛ばした。そんなメガヒット作の続編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が、5月12日からいよいよ全国公開となる。1作目に続きメガホンを取ったのは、「最も良いストーリーを語ろうと努力して、キャラクターに意識を集中させ、映画の瞬間・瞬間に意識を投じた」と語るジェームズ・ガン監督だ。去る4月某日、本作のプロモーションのために来日したガン監督に、映画への愛や監督としてのポリシーなどについて話を聞いた。

(C)Marvel Studios 2017

(C)Marvel Studios 2017

前作で銀河の危機を救ったスター・ロードことピーター・クイル(クリス・プラット)、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)、ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ベビー・グルート(声:ヴィン・ディーゼル)の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は、“黄金の惑星”ソヴリンにて、怪物から特殊な電池を守る仕事を達成し、報酬としてガモーラの妹ネビュラ(カレン・ギラン)を引き取る。しかし、ロケットが電池の一部を盗んだことから、一行はソヴリンの艦隊に襲撃を受けることに。絶体絶命の危機に陥ったガーディアンズだったが、何者かが艦隊を一瞬で壊滅させる。理想郷のような惑星に住むその人物は、ピーターの父親エゴ(カート・ラッセル)だった...。

映画の瞬間・瞬間に意識を投じた

前作同様に、劇中ではストーリー、音楽、ジョークが絶妙な調和を見せている。これを実現するうえで意識していたポイントについて聞くと、ガン監督は「意識するというよりも、自然にできるものなんだ」と明かす。「最も良いストーリーを語ろうと努力して、キャラクターに意識を集中させ、映画の瞬間・瞬間に意識を投じたよ。僕にとっては、どれだけその瞬間に集中できたかどうかが重要なんだ。ある瞬間から次の瞬間に向けて、観客の心を動かすことに集中できたかどうかっていうことさ。僕はそういったことを、使えるものすべてを使って実現するんだ」

(C)Marvel Studios 2017

(C)Marvel Studios 2017

本作では、予期せぬ対面を果たしたピーターとエゴの父子関係に加えて、家族としてのガーディアンズの絆が見どころになっている。では、ガン監督自身は、家族とどんな関係にあったのだろうか。「僕はとても伝統的で、信心深い家庭で育てられたんだ。1作目で描かれていたけれど、ピーターがそうだったように、アメリカの中西部に位置するミズーリ州のセントルイスで育った。たくさんの面において、すごく普通の家庭だったと思うよ。でも、みんなお酒が大好きで、父はある意味ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)みたいな人だったね(笑)」

映画と劇場を他の何物よりも愛したんだ

脚本家としてはチャーリー・カウフマンやクエンティン・タランティーノに影響を受けたというガン監督は、「僕は人生でずっと映画を愛してきた。4歳か5歳の頃、母に新しいディズニー映画を見に連れて行ってもらったんだけど、映画を見に行くことほど楽しいものは、正直に言って考えられなかったよ。僕の人生で起こったことの中で、最も素晴らしいものだった。そういうわけで、映画と劇場を他の何物よりも愛してきたんだ」と述懐。また「年齢を重ね始めると、スティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカスの作品を見るようになったよ。そんな中で、映画を作っている人々のことに気付き始めたんだ。彼らのストーリーはどんなものなんだろう?ってね。そうやって映画製作のフォーマットにのめりこんでいったんだ。そして、早くから映画を作り始めた。11歳か12歳の頃だね」と少年時代を懐かしそうに振り返る。

(C)Marvel Studios 2017

(C)Marvel Studios 2017

来日は叶わなかったが、ロケット役のブラッドリー・クーパーもガーディアンズの一員だ。ガン監督によれば、声優として参加しているクーパーへのディレクションは、他のキャストに対するものより細かなものになったという。「ブラッドリーには最も細かく指示を出したよ。ロケットがあるべき姿を、とても詳しく描いたからね。僕はロケットに深く心を動かされるんだ。彼は多くの人々が組み合わさったキャラクターなんだよ。ブラッドリーは声を担当していて、モーション・キャプチャーは僕の弟であるショーンが担当しているし、何千人ものとんでもない才能を持つビジュアル・エフェクト・アーティストたちもいる。ロケットを作るのは、オーケストラで演奏をするみたいなものだね」

最大のポリシーは、『十分に準備することはできない』ということ

本作に反映されている監督としてのポリシーを聞くと、「最大のポリシーは、『十分に準備することはできない』ということだね」と現実的な答えが返ってきた。「脚本はとても早い段階で書いて、撮影が始まる遥か前に書き上げたから、準備をすることができた。僕はビジュアルを重視する監督であり脚本家だから、セットで撮影を行う前に、すべてのショットを絵コンテとして描いたんだ」

(C)Marvel Studios 2017

(C)Marvel Studios 2017

入念な準備を行ったことを明かすガン監督だが、そのアプローチが仇になることもあったそうで「そういうわけで、僕は撮影がつまらないと思ったんだよ。頭の中で描いたように具現化していくだけだったからね」と苦笑。しかしその一方では「頭の中で描いたことよりも良いものを描けると思ったら、ゴーサインを出したよ。別のやり方にトライしてみたんだ」とも振り返る。

多くの観客の心に響くものになったと思うし、僕も感動したよ

インディペンデント映画でキャリアを積んだのちに、大規模なフランチャイズに参加したことで、キャストとのコミュニケーションの取り方など、様々な面で成長を実感したというガン監督。しかし、前作で犯したミスに後悔を滲ませる。「急ぎすぎてしまったんだ。撮影のスケジュールを超過しないように、キャストたちに多くのテイクを与えなかったんだけど、もっと多くの時間をかけることができたかもしれない」

(C)Marvel Studios 2017

(C)Marvel Studios 2017

その反省を踏まえ、準備に時間を費やした本作のエンディングには、大いに満足している様子。「多くの観客の心に響くものになったと思うし、僕も感動したよ」と笑顔で語るその表情は、作品の出来栄えに対する自信で満ち溢れていた。果たして、ガン監督自身が心を動かされたというエンディングでは、いったい何が描かれるのだろうか?その真相は、ぜひ劇場で確かめてほしい。

(取材・文:岸豊)


映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
2017年5月12日(金)日本公開

原題:Guardians of the Galaxy Vol. 2
監督:ジェームズ・ガン
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、カート・ラッセル 他
配給表記:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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