「失敗して、挫折して、そこから立ち上がるのが伍介の魅力」―映画『たたら侍』青柳翔×錦織良成監督インタビュー

青柳翔、錦織良成監督

青柳翔、錦織良成監督

劇団EXILEメンバーとして活躍する青柳翔を主演とし、AKIRAEXILEEXILE THE SECOND)や小林直己(EXILE/三代目 J Soul Brothers)といったレーベルメイトも多数出演する映画『たたら侍』が、5月20日よりついに公開となる。今回青柳が演じるのは、島根県(奥出雲)に古くから伝わる製鉄技術“たたら吹き”の伝統を受け継ぐ身でありながら、侍に憧れる青年・伍介。彼が戦国の乱世の中に翻弄されながらも自分の生きる道を見出していく姿を、島根の広大な自然を舞台に描いている。本作について、主演を務めた青柳翔と錦織良成監督に話を聞いた。

――まずは、間もなく映画が公開となりますので、今の心境から聞かせてください。

青柳:撮影したのが2年前で、そこから公開に向けていろんな方が協力してくださっていたので、いよいよか!っていう感じですね。僕自身、公開するのが本当に楽しみですし、たくさんの方に観ていただきたいなと思っています。

錦織:全く同感ですね(笑)。雪のシーンなんかは去年も撮っていますし、準備期間も入れると3年はかかっていますから、いよいよか!っていう感じです。こういうオリジナルの作品で、フィルムで撮影したものを4Kで仕上げる(高画質で高精彩の映像美を体験できる映像にする)というのは、今は極一部の作品だけしかやっていないことなので。もちろん、TSUTAYAをご利用される映画ファンの方は、映画館でご覧になるだけでなく、後からレンタルでご覧になる方も多いと思うんですが、映画館でしか感じられない初めての体験ができる作品になっていると思います。

(c)2017「たたら侍」製作委員会

(c)2017「たたら侍」製作委員会

――お二人は、2013年に公開された映画『渾身 KON-SHIN』でご一緒されていますが、初めて出会ったのはいつ頃だったんでしょうか?

錦織:2011年かな?6年ほど前、『渾身 KON-SHIN』のオーディションでお会いしました。僕が映画を撮る時は、今でこそみなさん有名になっていらっしゃいますけど、有名・無名関係なくオーディションするんです。で、青柳くんに会った時も僕はまだどういう方かよく知らなかったんですけど、この目を見た瞬間に「お!」と思って。もう彼にしようと決めていましたね。昔の役者のような落ち着きのある若者だなと思いました。

青柳:監督は、作品に対する想いとか、1シーン1シーンに対する想いがすごく強くて。当時のことを振り返ってみても、本当にこだわり抜いて作っていたなぁと思いますね。監督のエネルギーが周りの人を引っ張ってくれている感じがあって。『渾身 KON-SHIN』の時は、同じ島根県の中でも隠岐諸島で撮影したんですけど、隠岐の青年も、おじいちゃんおばあちゃんも含めて、チーム一丸となって取り組める体制を整えてくれる方だなと思いました。今回も、監督の出身地である島根県で、大勢のスタッフさん、キャストさんと撮影させていただいたんですけど、本当にやりやすい環境の中で撮影させていただきました」

(c)2017「たたら侍」製作委員会

(c)2017「たたら侍」製作委員会

――今作『たたら侍』では、青柳さんはたたら吹きの村下(たたらの技を受け継ぎ、現場を仕切る者)の一家に生まれた伍介という役を演じています。ちょっと頼りない印象の役ですが、こういった役柄を青柳さんにオファーした理由はなんですか?

錦織:以前、『渾身 KON-SHIN』のタイミングで青柳くんと一緒に海外の映画祭に行った時に、海外の方の反応がすごく良かったんですよ。海外では往年のスター・三船敏郎のファンが多いので、三船敏郎の匂いがするって好評だったんです。それが、彼を主演に抜擢した僕としてはすごく嬉しかったので、その場で“次に一緒に撮るなら時代劇をやろう!”って話をして。そこからHIROさんも交えて、話を作っていきましたね。だから、当て書きというか、青柳くんにはあえて難しい役を(笑)。男らしくて頼もしい青柳くんのイメージとは全然違うキャラクターを書きました。

青柳:伍介は決してスーパーヒーローではなく、人間の弱さや脆さを持っている役なんですけど、伍介なりの正義も確かにあって。失敗して、挫折して、そこから立ち上がるのが伍介の魅力なんじゃないかなと思いますね。そして、映画を観ていただければわかると思うんですけど、伍介が最後にとる行動が、この映画を象徴しているんじゃないかなと思っています。

(c)2017「たたら侍」製作委員会

(c)2017「たたら侍」製作委員会

――実際に演じてみて、苦戦したところもありましたか?

青柳:映像作品として時代劇に出演するのは初めてのことですし、伍介が生きている環境は、そもそも時代が今とは全然違って“死”が今の僕らよりも身近にあったと思うので、どういう立ち振る舞いをしていたんだろう?とか、自分なりにいろいろ悩んだりはしましたね。でも、スクリプターさんが“でも、その当時生きてた人は今いないからね”って言ってくださって、それが支えになりました(一同笑)。

錦織:スタッフも、時代劇を一度も撮ったことのない人ばかりでしたしね。でも、だからこそ、全部一から調べて、しっかり時代考証をした上で撮影しているので。すごく深みが出ているかなと思います。セットも丸ごと作っちゃいましたからね(笑)。

青柳:そうですね(笑)。スタッフさんが村のセットを一から作ってくださっていたのを僕ら(キャスト)も知っていたので、その中でお芝居ができるというのは、俳優としてありがたいことだなと思いました。それに、僕らも2~3ヵ月現場に住み込む形で撮影していて、今回は作品や役と向き合う時間をたくさんいただけたので、すごく勉強になりました。

(c)2017「たたら侍」製作委員会

(c)2017「たたら侍」製作委員会

――昨年はそのセットを「出雲たたら村」(現在は終了)として一般公開されましたし、本当に地域に密着した撮影だったんですね。

錦織:そうですね。それこそ、僕が土地を見つけるところから始めましたし……って言うと不動産屋みたいだけど(一同笑)。そういった昔の映画で普通にやっていたことも、今では時間や予算の関係でなかなか難しくなっているんですけど、僕としては“どれだけ作り手の想いを届けられるか?”っていうのがやっぱり大事だと思うから。そこはEXILE TRIBEのライブやエンターテインメントに通じるものがあるんじゃないかなと思います。という想いもあって、AKIRAさんや直己さんや杏奈ちゃんにも僕の方から出演をお願いしました。AKIRAさん達の役柄は、青柳くんとは逆で、本人のイメージに寄せて決めていきましたね。

――そうだったんですね。では最後に、お二人が印象的だったシーンを教えてください。

錦織:雨のシーンは水を10トン運び入れて撮影したんですよ。青柳くんと直己さんが倒れているところに雨が降ってくるんですけど……溺れそうになってたよね?(笑)。

青柳:あれは大変でしたね。自分は俯せで倒れているのでまだいいんですけど、直己さんは仰向けで倒れているところに上から降ってくるので大変そうだなと(笑)。でも、直己さんは一言も愚痴をこぼすことなくやられていて、さすがだなと思いました。

錦織:直己さんは本当に侍みたいですよね。最近の撮影では、殺陣を練習する時間がなかったりして、撮影した後からCGを加えたり、エフェクトをかけたりするんですけど、今回は一切なしですから! 映画ファンの中には“EXILEの映画”って思っている方もいるかと思うんですけど、それは良い意味で裏切っていると思います。

青柳:そうですね。あとは、景色も素晴らしいですし、たたら吹きの操業も実際に体験させていただいて……1回目が見学、2回目が体験、3回目が本当に3日3晩寝ずに操業している中を切り取る形で撮影させていただいたので、本物の中でのお芝居というのがこの作品の魅力かなと思います。ぜひ、映画館でご覧ください。

取材・文/斉藤碧、スタイリスト/松川総(TRON)、ヘアメイク/鵜飼雄輔(TRON)


映画『たたら侍』
2017年5月20日(土) 新宿バルト9・TOHOシネマズ新宿 ほか全国公開

【監督 脚本】錦織良成
【エグゼクティヴ・プロデューサー】EXILE HIRO
【出演】青柳翔、小林直己、田畑智子、石井杏奈、
高橋長英、甲本雅裕、宮崎美子、品川徹、でんでん、氏家恵、橋爪遼、安部康二郎、
菅田俊、音尾琢真、早乙女太一、中村嘉葎雄、佐野史郎、豊原功補、山本圭、笹野高史、
AKIRA/ 奈良岡朋子 / 津川雅彦
【配給】LDH PICTURES

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アーティスト情報

青柳翔

生年月日1985年4月12日(34歳)
星座おひつじ座
出生地北海道

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AKIRA

生年月日1977年7月4日(41歳)
星座かに座
出生地石川県

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