【来日インタビュー】 ヒュー・ジャックマンが気絶!映画『LOGAN/ローガン』の壮絶な撮影とは?

 

T-SITEのインタビューに応じてくれたヒュー・ジャックマン(写真は来日記者会見より)

『スーパーマン』『バットマン』『スパイダーマン』...。アメコミ映画は数多くあれど、このジャンルで同じキャラクターを17年にわたって演じた俳優は、『X-MEN』シリーズおよび『ウルヴァリン』シリーズの、ウルヴァリンことローガン役で知られるヒュー・ジャックマン以外に存在しない。6月1日に公開を迎える映画『LOGAN/ローガン』で、いよいよローガン役を卒業するジャックマンは、今までとは異なる戦いを描く本作の撮影を振り返り、「あるシーンでは、本当に気絶してしまったんだよ」と告白する。果たして、屈強な肉体を誇るジャックマンをも気絶させた、壮絶な撮影とは...?

彼を定義するのは、爪ではなく、心

超金属アダマンチウムによって自身の肉体を毒された結果、治癒能力を失ったローガン(ジャックマン)が、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)とともに、謎めいた少女ローラ(ダフネ・キーン)を、メキシコ国境近くの荒野からカナダの国境に接するノースダコタまで送り届けようと奮闘する姿を描く本作。いよいよローガン役を卒業するジャックマンは、17年間心がけてきたことについて「超人ではなく、人としてのローガンに意識を集中させてきたよ。なぜなら彼を定義するのは、爪ではなく、心だからさ」と語る。

ローガンの最後の戦いを描く本作を「非常に複雑だよ。英雄的であると同時に、とても暗くて、悲劇的だ。ローガンは愛することが難しく、戦うことが簡単だと知るんだ」と紹介するジャックマンは、人と距離を取りがちな孤独なヒーローの内面について「彼は自分が望むことをするんだ。彼は人々を疑っていて、誰のことも信用しない。私は、彼が自由な男なのだと思う。西部劇に登場する、名もなき善良な男のようにね」と分析する。

(C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

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人生における平穏や、愛、家族といったものに辿りつく

本作では、そんなローガンが初めて抱く父性が描かれるが、ジャックマンはローガンとローラの関係性に苦笑する。「映画のほとんどで、ローガンはローラを遠ざけようとするんだ。『おいおい勘弁してくれよ...』って感じでね。というのも彼は、老いたチャールズの世話をしようともがいているからね。私が思うに...最初の頃、ローガンは、ローラに対して爪を使いたいと思っていたんじゃないかな(笑)」

しかし、そういったローガンの厳しい態度は、戦い続きの逃避行を通じて軟化していく。共闘を通じて、彼らの間には特別な絆が芽生え始めるのだ。「最終的に、ローラはローガンにとっての“扉”になると思うんだ。ローガンは最後に、人生における平穏や、愛、家族といったものに辿りつくことになるんだよ。とても長い時間がかかるけれどね」と振り返るジャックマンは、「あれほど若く、恐ろしく、強く、タフでクールな女性キャラクターが登場するのは素晴らしいことだよ」と劇中におけるローラの存在の大きさを強調。続いて「ダフネには驚かされた。この映画ではたくさんの奇跡が起こったけれど、彼女もその一つさ」と、ローラ役を務めた本作でスクリーン・デビューを飾ったキーンを絶賛する。

(C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

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肉体的な老いはかなり意識した

ローラに対して垣間見せる父性とともに、本作ではローガン自身の老いも重要なテーマの一つとなっている。「およそ200歳のキャラクターを演じる上では、老いはとても重要なことだった」と述懐するジャックマン。「ローガンが知っている人や愛した人は、みんな死んでしまったんだ。彼は戦士として生き続けてきたけれど、ある時点でそれは代償となった。彼は煉獄で生きているんだよ」としみじみ語る姿からは、哀しい人生を歩むキャラクターへの思い入れの深さがうかがえる。

「肉体的な老いはかなり意識したよ。関節の痛みや、アダマンチウムの毒がもたらす痛みなどもね。それと同時に、精神的な老いも意識したんだ」とも話すジャックマンは、実際に演技をする上では、ある俳優が実践したスタイルを取り入れたそう。しかしこれには、思わぬ"お土産"が伴った。「ある俳優のトリックを真似たんだ。20歳から80歳までを演じた彼は、だんだんと先が鋭くなっていく、6つの異なる大きさの石を、自分のかかとにテープで留めたまま演技をして、腰が悪いことを表現したんだよ。僕もこの作品で真似してやってみたんだけど、撮影が終わった1か月後まで、ひどい傷がついたままだった(笑)」

(C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

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パトリックは私が知っている人の中で最も若い人の一人だ

劇中で老練な演技を見せているのが、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアを演じたパトリック・スチュワートだ。『X-MEN:フューチャー&パスト』以来となったスチュワートとの共演について聞くと、「パトリックは私が知っている人の中で最も若い人の一人だ。彼はダフネのような精神を持っているんだよ。まるで11歳のようなね。とてもエネルギッシュで好奇心旺盛なんだ」とにっこり。しかし、実際に撮影で再会した時にはショックを受けたという。「彼はおよそ10キロも減量したんだ。メイクもした状態だったけれど、すごく痩せ細っていたんだよ」

続けてジャックマンは、電動車椅子に乗っていたスチュワートが、意図せずして転んでしまった際の衝撃エピソードも紹介。「パトリックは文字通り転んでしまったんだけれど、なんと後ろに一回転してから立ち上がったんだ!彼が何歳かは言いたくないんだけど(笑)、みんな『ああっ!』って思った次の瞬間には、『ええっ!?』って感じだったよ。『なんでそんなことが可能なの?』ってね(笑)」

(C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

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あるシーンでは、本当に気絶してしまったんだよ

本作がこれまでの『ウルヴァリン』シリーズと大きく異なる点として、R指定を受けたことが挙げられる。劇中では強烈なアクションの数々が描かれているが、ジャックマンいわく、最も苦労したのは「エンディング近くのシーン」だという。「標高3000メートルくらいの場所で撮影を行ったんだ。私は富士山の3500メートルくらいまで登ったことがあるんだけど、それってつまり、私は富士山の頂上の近くでアクションをしていたようなものってことだよね(笑)」

この山中のパートで、ローガンは走っては戦いをひたすら繰り返すことになる。「あるシーンでは、本当に気絶してしまったんだよ」と壮絶な撮影ぶりを明かすジャックマンは、「みんな昼ご飯を食べてから現場に行くまでで『はあ...はあ...』って感じだったけど、私は一日中丘を駆け上がっていたんだ!(笑)」と豪快に笑う。困難な撮影を乗り切ったためか、その表情は満足感に満ちており、「ネタバレできないから詳しくは言えないけど、“農場のシーン”もすごく難しかったよ」とも話してくれた。

(C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

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どこでケリをつけるかが大事なんだ

ジャックマンは、再びローガン役のオファーが来ても、受けることはないと断言する。その理由を聞くと、痺れる答えが返ってきた。「パーティーに行ったとき、よく『もう一杯飲もう』と言われる。その時は飲みたいと思うものだけど、その一杯が翌朝の後悔になってしまうものさ。つまり、どこでケリをつけるかが大事なんだ」

その確固たる決意があったからこそ、ジャックマンはキーン、スチュワート、そしてメガホンを取ったジェームズ・マンゴールド監督とともに、本作を映画史に残る名作として完成させることができたのだろう。筆者が保証するが、その結末はアメコミ映画では類を見ないほど感動的なものとなっている。ジャックマンが肉体と精神の全てを捧げ、才能あふれる仲間たちとともに作り上げた映画『LOGAN/ローガン』は、ぜひ劇場で見届けてほしい。

(取材・文:岸豊)


映画『LOGAN/ローガン』
2017年6月1日(木) 全国公開

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート
20世紀フォックス映画配給

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アーティスト情報

ヒュー・ジャックマン

生年月日1968年10月12日(50歳)
星座てんびん座
出生地豪・シドニー

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