C.ノーラン監督「『ダンケルク』は戦争映画ではなくサスペンススリラー」Youtube SPACE TOKYOスペシャル・トークイベント

『ダンケルク』クリストファー・ノーラン監督スペシャル・トークイベント

『ダンケルク』クリストファー・ノーラン監督スペシャル・トークイベント

ダークナイトインセプションインターステラークリストファー・ノーラン監督最新作『ダンケルク』が9月9日よりいよいよ全国公開。このたび、本作の公開を記念し、映像クリエイターを目指す学生100名とクリストファー・ノーラン監督のスペシャル・トークイベントが東京・六本木ヒルズ Youtube SPACE TOKYOにて開催された。そこで語られた天才監督の“創造の秘密”とは…?

映画作りは“情熱”だった

クリストファー・ノーラン監督

クリストファー・ノーラン監督

まず初めに、「映像の世界に入ったきっかけ」を質問されると、「7~8歳くらいの時に、父がスーパー8のカメラを貸してくれて、弟と一緒にショートフィルムを作っていました。私にとって映画を作ることは情熱でした」と映画作りへの熱い想いを語る。

また、フィルムメーカーになるために「学生の内に何を学ぶことが大事ですか?」と聞かれると、「沢山、映画を見て楽しんでください。そして作品を分析してください。私自身大学で英文学を学んでいましたが、色々な映画を見続けて、フィルムメーカーたちが何を描こうとしたのか理解しようと分析していました」とアドバイス。

さらにこれまでの様々な予算規模での撮影を振り返えり、「(どんな規模であれ)大事なことは映画作りのクリエイティブなプロセスの本質を、監督として貫かなければいけない。つまり、フレームの中に何を収めるか、そのインフォメーションがストーリーを進めているかどうか、そしてそれがまた次のイメージをどのように決めていくか…? 一番最初に監督として感じた衝動でイメージを作りストーリーを語ることが大事だと思います」と監督としての本質を語った。

見えない敵に隠された、「ダンケルクの主観的な経験」とは?

最新作では、第二次世界大戦中のフランス北部の都市ダンケルクを舞台に、迫りくるドイツ軍の猛威の中、1940年5月26日から9日間、860隻の船舶でイギリス軍、フランス軍の兵士約30万人以上もの命を救った救出作戦「ダンケルク作戦」を描いたノーラン監督。会場の学生からは「本作で一度も敵兵の顔が映し出されないのはなぜですか?」との質問が飛んだ。ノーラン監督はそこに「主観的な経験」として救出作戦を描こうとした想いを明かす。

「ダンケルクのストーリーの本質は、戦闘についてではなく“撤退”の物語ということがユニークでした。(本作で敵兵が一切写らない理由は)そこにいた人たちの主観的な経験になるべく寄り添うためです。本作で私は、戦争アクション映画としてよりもサスペンススリラーとしてストーリーを語ろうとしました。見えない敵にジリジリ寄られてくるサスペンスこそ、その場にいた人たちを描く忠実なやり方だと思いました」

また、陸、海、空がリアルタイムの時系列で、さらに入れ子になっている構図についても、「観客に“その経験”をしてほしいという視点」があったと話す。

「観客の人に、ダンケルクにいた人たちの気持ち、感覚、そしてキャラクターたちが知っていることを知ってもらいたかった。それと同時に、大きな構図として何が起こっているのか知らせたかった。しかし、地図や政治家がしゃべるシーンは入れないで、“人間的な視点”で語りたかった。そのため、陸海空の違う視点から違う時系列が織り込むことで、これらの時系列を経験として感じ取ってもらいたかったのです」

そんな本作について、イベント終盤に監督は日本映画の影響を受けていることもコメントした。

「『ダンケルク』について言うと、黒澤明監督の『羅生門』には非常に大きなインスピレーションを受けていると言っていいと思います。物事を色々な視点から見て、一つの大きなストーリーを語っている。異なる話が散在しているようであって大きな物語を語っている。何度も見返していますが、間違った誤解や誤った記憶をもっているというテーマ非常に面白く感じています」

観客を没入感の極致まで追い込む究極の映像体験。客観的な戦場を見るのではなく、主観的な戦場を経験する100分。ただならぬ映画作りへの情熱を持ったノーラン監督の最新作をぜひ、お見逃しなく。

(取材・文・写真/nony)


映画『ダンケルク』
9月9日公開

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
出演:トム・ハーディ、マーク・ライランス、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズ ほか

フォトギャラリー

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

クリストファー・ノーラン

生年月日1970年7月30日(48歳)
星座しし座
出生地英・ロンドン

クリストファー・ノーランの関連作品一覧

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST