【インタビュー】映画『一礼して、キス』主演・池田エライザ「余計なことを考えずに素直にやらせてもらえていました」

池田エライザ(クリックでフォトギャラリーへ)

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小学館「ベツコミ」連載・加賀やっこ原作の同名コミックを実写化した2017年11月11日公開の映画『一礼して、キス』は、『ReLIFE リライフ』『恋と嘘』に続き今年3本目のマンガ実写化を手掛ける古澤健監督が、主演に池田エライザを迎えた作品。相手役には『動物戦隊ジュウオウジャー』で、主演のジュウオウイーグル/風切大和を演じ、今後の活躍が期待される中尾暢樹ほか、メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のタカシとして活躍中の松尾太陽ら若手イケメンが顔を揃える。

今回、中学から青春を弓道に捧げてきたピュアな先輩・弓道部3年生の岸本杏を演じた池田エライザにインタビュー。その杏に恋をする弓道部のエースで後輩の三神耀太を演じた中尾との関係性や『ReLIFE リライフ』でも一緒だった古澤監督らの話を聞いた。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

――今回、映画では初主演となりますね。『ReLIFE リライフ』に続き古澤監督ですがいかがでしたか?

古澤監督とは『ReLIFE リライフ』でお会いしたのですが、実はこの作品の話もその時に同時に決まりました。なので『ReLIFE リライフ』を通じて監督との関係も築けていたので、(初顔合わせで)身構えることなく弓道の稽古から入って、弓道にのめり込んで、そして撮影が始まっていきました。撮影期間中は他のドラマとかもあってバタバタしていたんですが、この現場はすごく集中して取り組めたのかなと思いますね。

――『ReLIFE リライフ』のときは、古澤監督が自分たちに近い距離感でいてくれたということでしたが、この現場も同じでしたか?

この現場はでは男性として、いち男の子としていてくれた瞬間もありましたし、監督としていろんな距離から見てくださっていました。杏という女の子をいかにいじらしく素敵に撮るかということをすごく考えてくださっていて「エライザを可愛く撮りたいんだ!」って意気込んでくださっていたので、私は「可愛く見せよう」とするのではなく、なるべく杏ちゃんっていう女の子に寄り添って、素直な状態でいられればいいなと思っていました。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

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――『ReLIFE リライフ』の時にすでにこの作品が決まっていたことでしたが、相手役が中尾くんだというのもその時決まっていました?

後でちゃんと決まってから聞きましたね。

――1年後輩の三神を演じた中尾くんは同い年ですがいかがでしたか?

どちらかと言うと私がわりとちゃきちゃきしていて、中尾くんはまったりしてくれているという関係性で、そのバランスが良かったと思います。杏ちゃんと三神くんで言うとぜんぜん違ってくるんですけどね。中尾くんも古澤監督と話していろいろと葛藤があったと思うので、そこは中尾くんが三神として居やすいように寄り添ってあげられたらないいなと思ってやっていました。現場にいる中尾くんはひょうきんで明るくて、笑かそうとしてくるというか、全然面白くないんですけど(笑)すごく中尾くんの優しさを感じましたね。私は余裕がなかったのでそこはすごく感謝しています。あと中尾くんがキスシーンがはじめてだったらしくて、手が震えているのを感じていました。でもそういうのも杏ちゃんはきっと守っていきたいなと思うんだろうなとか、杏ちゃんとして見る三神くんや中尾くんはすごく母性をくすぐる存在でした。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

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――ちなみに、原作は読まれていましたか?

はい。お話いただいてから読みました。

――映画を観てから原作を何話か読んだのですが、映画の方がキャラクターの感情を抑えめにしていた印象がありました。

そうですね。加賀先生のタッチがとても表情豊かで、(原作の杏が見せる)艶っぽさとかは「どうすればこんな風になるんだろう??」とかずっと考えたりもしました。でも、(表に)全部出し切るというよりは、私達の表情一つ一つだったり、所作でバレたほうがリアルだなと思って。なので「ここは見せよう」とか余計なことを考えずに素直にやらせてもらえていましたね。でも、きっと2人とも内側で悶々としていたんだと思います。

――そうですね。だから原作では通常の三神くんが明るい感じで、真剣な時には映画のような表情を見せる印象に対して、映画だと一貫して…

けっこうネットリな三神くん。それは中尾くんの解釈だと思います。

――映画の出だしから、先輩を…

すごかったですよね。ボーッと現れて。

――ホラー映画かな、みたいな「見てますよ」っていう(笑)

見てますよっていうカットがあって。でも最後こう、ちょっと少年みたいな顔になっていたりとか。そういうところのギャップが良いんじゃないかなって思います。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

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――中尾くん演じる三神とは先輩後輩の関係で、劇中では名前で呼ばれていないと思います。学校の先輩後輩の関係って、一種の憧れみたいな感覚もあるのかなと。

男の子が女の子に「先輩」って言うのもいいですよね。私は言われたことがなかったので嬉しかったです(笑)。杏ちゃんは先輩を振りかざしていなかったので、先輩=杏って呼ばれているようなものだと思って受け止めていました。でも中尾くんが「先輩」という言葉に込めている重さがすごいので…なるべくそれには鈍感でいようと思いました。

――本作の恋愛の描き方は「ここを観てくれ」ではなく、全体的にすごく自然な流れなのが良いですよね。

見ちゃいけないものを見ちゃっているというか…いつも弓道に真面目に取り組んでいる2人が裏でこんなにイチャついているとか、映画を観ている人たちに目撃者になってほしくて。基本、中尾くんとはかなり近い距離で密になる芝居が多かったですね。演じていてイケないことをしている感じはあって、弓道の神聖な場でこんなにイチャついて良いもんだろうかと(笑)。それは原作を読んでいたときにも思いましたし、映画の中で成り立っているので。

――「一礼して、キス」なので爽やかな感じかなと思いきや、結構グイグイ来ますもんね、三神くんは。

そうなんですよね。私にとっては、弓道も恋愛も常にバトルしてる感じでしたね。自分と向き合って彼にも向き合ってもらって…っていうことをずっとしていますから。2人の不器用なところは素直に楽しんでもらえると嬉しいです。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

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――本作で弓道を体感してみていかがでしたか? 知らない人間が観ても一連の動きがとても重要なのだ理解できましたし、なによりごまかしが効かないですよね。

ごまかしが効かないというのは全くそうですね。前の日に出来ていても、次の日には体がバランス良く使えていなくて、どこかだけに力がこもってしまったりとか、気が張っていて上手く出来なかったりといったことも全てばれてしまいますけど、逆にそれがなくなればスッと引けて気持ちよく的にスパーンと当たってくれる魅力もあります。教えてくださった小笠原流の方々へもそうですし、こういう芸事だったり部活ものというのはやってらっしゃる方から厳しい意見を頂くこともあると思うんですが、私達に出来ることは「与えられた期間の中でどれだけの誠意を見せられるか」ということですね。代弁者でいようとかではなく、なるべく弓道をやってらっしゃる方にも物語にのめり込んでいただきたいと思っていたので…。作品に携わったことで私達もとても弓道が好きになったので、その気持ちも伝わったら嬉しいなと思ってやっていましたね。

――実際稽古されて、的に当てられるようになるまでどのくらいかかりました?

私は、本番で当たりました。練習期間中、射形を覚えてからも呼吸タイミングの位置だったり、自分と向き合うところがまた始めないといけませんでした。練習中は不安もたくさんありましたが、本番初日で当たって、みんな「あれっ!?」って。しかもその瞬間見てなくて(笑)。初日に当たったのでこれは大丈夫だと。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

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――弓道のルールって意外と知らないんだなと、映画を観て思いました。要は、的にとにかく当たればいいっていうのがわからなかったので。

基本的には何発当たるかとか、連続で当たるかとか、競技の種類にもよるんですけど。

――劇中では専門用語(主に射形の説明)もたくさん出てきますね。

常に現場には小笠原流の方々が来てくださっていたので、私たちは質問し放題でした。私たちは弓道にハマっていたので、空きの時間はずっと弓道のことを聞いて、時間が空けば練習して、作品とはまた違うところで練習したりとか、的に当てようとか競っていたので、それをずっと監督してくださっていました。撮影のときにはスラッと言えるようにはなっていましたね。

――中尾くんの印象は練習期間から撮影終わるまでで変化しましたか?

かなりあったと思います。どちらかと言うと私自身の変化だと思うんですけど、人見知りをしてしまうので男性に対してなんて声をかけてあげたら良いのかわからなくて。ずっと話しかけないという手段を取ってしまうので、最初は割と距離があったんですが、練習などを通して関係は自然と築けていけました。練習で中尾くんとやっと会えたときは、お互い何回か練習した状態で会ったんですね。私はずっと中尾くんに負けたくないと思っていたので、「今中尾くんどこまで行きました?」って聞いて「今ここまで行っていて…」って先行していたことを聞かされてムカついたり(笑)。その時期「僕まり(ぼくは麻理のなか)」を撮っていたので弓道がやりたくても出来なくて(先行されるのが)ムカつく!って(笑)。現場に入ってからは最後まで変わらず仲良しでしたよ。みんな初対面同士でもすごく仲良くなっていたんですが、それは同じ服を着て同じことをやっているという部活ならではのものだったと思います。

――それこそ本当に高校で部活をやっている感覚になった感じですね。

そうですね。リアルだと思います。そこはどこまでも。

(C)2017 加賀やっこ・小学館/「一礼して、キス」制作委員会

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――今回2人の関係は、池田さんが中尾くんの芝居を受けて返すことが多かったと思いますが、返しの芝居はいかがでしたか?

私はもともと受けるのが下手で自己発信が強くなりがちなんですけど、今回は監督にも「エライザは杏ちゃんでいてくれればいい」と言っていただいて、最初から受けの体勢というか、中尾くんが現場に持ってきたものに影響されようと思っていました。なので私が出したものは中尾くんからもらったものに受けた結果なんですよね。ある場面で声かすれちゃっているとこなんかも、中尾くんの勢いに負けてああいう声になっちゃっているんです。自分は気になっていましたが、でもあれで良いんだろうなと思います。

――本作を通じて女優として得たなと思うものは何かありましたか?

お芝居をしていていつも思うのは、その時の私自身の集大成だなということですね。私はとても多趣味ですけど、そういうものに向けた熱意とか、それが作品に関係なくても自分のものとして中に注ぎ込まれていくものだと思うので、お芝居は自分を分け与えるという意味では、とても責任を持ってお届けするものだと思うし、私個人としては楽しんでいます。現場では色んな人に出会うんですが、私は運がいいのか素敵な人によく出会うので、一緒に面白いものを作っていければいいなと思いますね。それは映画なのか、音楽なのか、PVなのか、小説なのか、お芝居からも色々と派生していくと思うんですけど、そこに前のめりに行けたらいいなと思います。


映画『一礼して、キス』
2017年11月11日(土)新宿バルト9 ほか 全国ロードショー



出演:池田エライザ 中尾暢樹
松尾太陽 鈴木勝大 前山剛久 萩原みのり 結木滉星
金森啓斗 奥仲麻琴 押田岳 牧田哲也 吉岡睦雄
三谷輝也 向井拓海 斎藤夕夏 福田桃子 中村浩太郎 植田浩崇 高山範彦 夏嶋カーラ
中村琉葦 山本杏珠
佐藤友祐(lol-エルオーエル-)(特別出演) /眞島秀和
監督:古澤健
原作:加賀やっこ「一礼して、キス」(小学館「ベツコミフラワーコミックス」)
主題歌:lol-エルオーエル-「think of you」

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