入江悠監督、新作『ビジランテ』記者会見で北野武からの影響に言及「10代のころに衝撃を受けた」

入江悠監督

入江悠監督

12月9日よりテアトル新宿ほか全国順次公開となる映画『ビジランテ』が、公開に先立ち14日、日本外国特派員協会にて上映され、脚本・監督の入江悠が記者会見を実施。入江監督は、タイトルの意味や、北野武監督からの影響などについて語った。

作品を手掛けるきっかけについて入江監督は、「家族という問題を描くのを避けていましたが、2年前に江戸時代を舞台にした時代劇を制作したときに自分の家族を遡って調べて、家系、家、血について考えることがあり、本作制作のきっかけになりました」と述懐。タイトルについては、「もともと自警団という存在にとても興味がありました。それと個人的な問題なのですが、私は、集団生活が苦手で“集団”にとても恐怖を感じる人間なんです。『ビジランテ』は三兄弟が主人公になっていますが、個人を飲み込んでいくようなコミュニティだったり、力を描こうと思ったときにこのタイトルを思いつきました。それともうひとつ言うと、関東大震災のときに日本の自警団が自発的に発生して私の地元の方でも事件を起こしたという歴史があって、それを20代のときに知りました。タイトルを決める際にこのことも意識にありました」と説明した。

若者にどう受け止めてほしいかについては、「僕が10代のころに衝撃を受けた監督がいて、すごく痛いバイオレンスが描かれているのですが、その監督は北野武さんです。人を傷つけることはこんなに痛いことなんだとか、人を追い詰める暴力はこうやって派生するんだとか、そういうものを学びました。暴力とは何なのか、人を傷つけるとはどういうことかを自分の中で追及したい気持ちがありました。肉体的な痛みだけではなく精神的な痛みもあると思うのですが、今まで避けてきたそういうものを『ビジランテ』に込めました。キラキラした学園青春映画を観ている人に『ビジランテ』を観てほしいです」とコメント。

作品に込めたメッセージを聞かれると、「個人を飲み込んでいく集団のメカニズム、経済の合理性のメカニズムという“暴力”を映画で捉えられないかと思いました。この映画を観て、自分だったらどう行動するか、映画館を出た後に少しでも考えてもらえたらうれしいです」と回答。「マリオ・バルガス・リョサという作家がボヴァリー婦人を論じた本があって、そこで『ボヴァリー夫人が死ぬことは私たちの希望だ』と書いていて、それを読んで自分の中で腑に落ちるところがありました。『作中の人物が読者である私の代わりに死んでいった。私に訪れるかもしれなかった未来を先取りしている』」という意味で、リョサは救いだと言っています。そのように『ビジランテ』を観てくれる人がいたらうれしいです」とも語った。


映画『ビジランテ』
12月9日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

出演:大森南朋 鈴木浩介 桐谷健太 篠田麻里子 嶋田久作 間宮夕貴 吉村界人 般若 坂田聡 
岡村いずみ 浅田結梨 八神さおり 宇田あんり 市山京香 たかお鷹 日野陽仁 /菅田俊
脚本・監督:入江悠
音楽:海田庄吾
製作:間宮登良松 江守徹 太田和宏 平体雄二
エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫 江守徹 
プロデューサー:佐藤現 平体雄二
音楽プロデューサー:津島玄一
キャスティングディレクター:杉野剛
企画協力:國實瑞恵
撮影:大塚亮
照明:新井和成
録音:田中博信
美術:松塚隆史
編集:佐藤崇
スタイリスト:荒木里江
衣装:越智雅之
ヘアメイク:金森恵
音響効果:松浦大樹
助監督:松本壇
製作担当:松村隆司
製作プロダクション:スタジオブルー 
配給:東京テアトル
製作:「ビジランテ」製作委員会
【2017年/日本/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/125分】 R15+

このタグがついた記事をもっと見る

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

桐谷健太

生年月日1980年2月4日(39歳)
星座みずがめ座
出生地大阪府

桐谷健太の関連作品一覧

北野武

生年月日1947年1月18日(72歳)
星座やぎ座
出生地東京都足立区梅島

北野武の関連作品一覧

大森南朋

生年月日1972年2月19日(47歳)
星座みずがめ座
出生地東京都

大森南朋の関連作品一覧

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST