【来日インタビュー】ライアン・ジョンソン監督が語る『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』とシリーズの未来

ライアン・ジョンソン監督

ライアン・ジョンソン監督

「作り手が個人として大切に思っていることを込めなければ、映画に心や魂は宿らない」。そう語るのは、12月15日より全国公開中の映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』だけでなく、『スター・ウォーズ』シリーズの次なる3部作も手掛けることが決まっているライアン・ジョンソン監督だ。12月某日、ジョンソン監督が来日し、キャラクターの描き方や、劇中の見どころ、豪華なカメオ出演者、次なる3部作の構想などについて語ってくれた。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のその後を描く本作には、レイ(デイジー・リドリー)、レイア(故キャリー・フィッシャー)、キャプテン・ファズマ(グウェンドリン・クリスティー)に加えて、ローラ・ダーン演じる新キャラクター、そしてケリー・マリー・トランが演じる反乱軍メンバーのローズも登場します。女性キャラクターの活躍が拡大されていく予感があるのですが、女性の活躍という近年の映画界において重要なトピックをどう捉えながら物語を構成していきましたか?

ジョンソン監督:まず、彼女たちがとても力強いキャラクターであることを願うよ。力強いキャラクターを描くことは、常に第一の目標なんだ。僕自身、この40年間で見ることがなかった、いろいろな役割を持つキャラクターを、本作のような映画の中で目撃することにワクワクしたね。女優陣との仕事もすごく楽しかったよ。ローラに関しては、映画学校に通っていて、デヴィッド・リンチ監督のファンだった僕にとっては英雄の一人さ。とにかく何よりも重要なのは、ストーリーを推し進める力強いキャラクターを描くことだね。

キャリー・フィッシャー/(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

キャリー・フィッシャー/(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

―その力強い女性キャラクターの一人であるレイア姫を演じてきたキャリーの早すぎる死は、受け止め難い悲劇でした。どんなお気持ちを抱きながら監督を務めていたのでしょう?

ジョンソン監督:キャリーが亡くなったときには、ポストプロダクションもかなり進んだ段階だった。プロデューサーのキャスリーン・ケネディと、どうやってキャリーの映像を扱おうかと相談した時に、撮れるものは撮り終えていたから、そのままにすることにしたんだ。なぜなら、とても美しい演技だったからね。彼女が亡くなったことは、観客の解釈に影響を及ぼすとは思う。悲しみのレイヤーが加わってしまうと思うんだ。ただ、彼女を知っていて、彼女に対するイメージを持っていた人も、キャリーのことを知らずに見る人も、この映画の中で、ある種の彼女に出会えると考えているよ。彼女が亡くなって悲しんでいる人に対しては、慰めになるような芝居になっているといいね。

―予告編でコミカルかつ愛らしい姿を見せていた新キャラクター、ポーグについてお聞きします。撮影地にいた海鳥からインスピレーションを受けたそうですが、誕生秘話についてお聞かせください。

ジョンソン監督:ルークの島を撮影したのは、アイルランドに位置する「スケリッグ・マイケル島」という場所だ。あの島はアイルランド沿岸の無人島で、自然保護がなされている鳥たちの聖域なんだ。ツノメドリという小さな鳥がペンギンのように飛ぼうとバタバタ歩いていて、その姿を見た時に、“彼らは島の一部だから、『スター・ウォーズ』版のツノメドリを登場させよう!”と思ったんだよ。彼らはプロット的に大きな機能を持っているわけではなくて…あ、これはネタバレになっちゃうね(笑)。とにかく島のパートに関しては、何らかのコミックレリーフ(笑いを生む存在)を入れようと思っていて、それをどこから作り出せるかと考えていた時に、あの鳥たちに出会ったのさ。

チューバッカの右に鎮座するポーグ/(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

チューバッカとポーグ/(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

―過去にも大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』のシーズン3とシーズン5を手掛けて成功を収めましたが、人気のフランチャイズに監督あるいは演出家として途中参加するうえで、重視していることはありますか?

ジョンソン監督:まず僕が『スター・ウォーズ』に関わったときは、上質な『スター・ウォーズ』の映画を作りたいということしか頭になかったんだ。僕は4歳の頃から『スター・ウォーズ』の世界が大好きだし、小さい僕には『スター・ウォーズ』が全てだった。だから、良い物語を作りたいという気持ちがあったんだ。『ブレイキング・バッド』の時も同じで、素晴らしい脚本があり、それを監督として可能な限りうまく映像化するということが念頭にあったね。

―では、良い物語を作る上では、どんなことが重要になるのでしょうか?

ジョンソン監督:ジョージ・ルーカスが制作したオリジナルのエピソード4・5・6、そして1・2・3は、彼にとって非常に私的なプロジェクトだった。恐らく、キャスリーンやルーカスフィルムの面々、ディズニーの人々は、その点をきちんと理解しているね。僕が参加した時には、自分にとってパーソナルなものを見つけてほしいと背中を押してくれたんだ。本作では僕が脚本も手掛けているから、2本目の物語を自由に思い描くことができて、条件や大筋は一切提示されなかったから、僕は“自分”を見出すことができた。つまり、個人的な繋がりを持つパーソナルなものを見つけていくことができたし、そうするよう奨励されたんだ。僕は作り手が個人として大切に思っていることを込めなければ、映画に心や魂は宿らないと考えているよ。

貴重なオフショット/(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

貴重なオフショット/(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

―本作の公開を前に次なる3部作の舵取りを託されましたね。詳細な部分はお話しできないかと思いますが、どんな方向性で進めていき、どんな繋がりを描くのでしょう?

ジョンソン監督:今は構想のスタート地点に立っていて、何ができるのかと考えているところだから、話せる内容はないんだ。繋がりという意味では、ディズニーとキャスリーンにこんな構想があると最初に提案したときは、「新しいストーリーや新しいキャラクターや新しい舞台を描こう。でも、これは『スター・ウォーズ』なんだ」という言い方をしたよ。3部作という新たなキャンバスで、今までの作品と同様にパワフルな物語を作りたいという気持ちがあるね。説明するのは難しいけれど、子供の時に自分が触れて経験して、感じた『スター・ウォーズ』、そして『スター・ウォーズ』が自分にとってどんな意味があったかということを、3部作を通して再び捉えたいと思っているよ。それは今回の3部作でやっていることでもある。言葉で表すのは難しいんだけど、子供も大人も『スター・ウォーズ』だからこそ感じるものは間違いなくあって、それを何とかして捉えていきたいね。

―日本文化からの影響については、継承していくのでしょうか?

ジョンソン監督:日本文化に影響を受けた『スター・ウォーズ』のフィーリングや美術面におけるエッセンスみたいなものは引き継いでいくよ。だからと言って、“TIEファイター”や“Xウィング”が登場するとは約束できないけれど、ダース・ベイダーのビジュアルが侍からきているとか、『スター・ウォーズ』のすべてのセンスというものが、どこかシンプルでクリーンなアプローチであるということ、それはどんな映画作家が『スター・ウォーズ』に携わったとしても、世界観の一つとして最初に抑えなければいけないから、継承していくことになるね。

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

―『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に話を戻しましょう。本作はヘヴィな物語を描くようですが、マスコミ向けに公開されたフッテージ映像ではユーモラスなシーンが印象的でした。

ジョンソン監督:マーケティングではヘヴィな作品として伝えられているかもしれないね。確かにヘヴィな物語なんだけれど、今回はユーモアも満載なんだ。フッテージではユーモアの部分を伝えることができたと思うし、エモーショナルなシーンもあったから、本編の雰囲気が伝わるサンプルになったと思っているよ。

―では最後に、一度見ただけでは気づかないような、隠れた見どころを教えてください。

ジョンソン監督:前回の来日で明かしたように、友人であるジョセフ・ゴードン=レヴィット(ジョセフはジョンソン監督の『LOOPER/ルーパー』に出演)がボイスキャストでカメオ出演するよ。それに、同じく友人であるギャレス・エドワーズ監督(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』など)、エドガー・ライト監督(『ベイビー・ドライバー』など)、ジョー・コーニッシュ監督(『アタック・ザ・ブロック』など)もカメオ出演しているんだ。彼らは実際に役を務めているよ。どこに出演しているかは言えないから、『ウォーリーをさがせ!』じゃないけれど(笑)、観客のみんなは目を光らせて!

(取材・文・写真:岸豊)


映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
公開中

監督・脚本:ライアン・ジョンソン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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アーティスト情報

ライアン・ジョンソン

生年月日1973年12月7日(45歳)
星座いて座
出生地米・メリーランド州

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キャリー・フィッシャー

生年月日1956年10月21日(60歳)
星座てんびん座
出生地ロサンゼルス

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