【バルスの未来】金曜ロードショー、ジブリを放送し続ける理由

金曜ロードSHOW!×ジブリ

金曜ロードSHOW!でジブリが放送されるワケとは…?

週末の金曜日21時、邦画から洋画、旧作から新作まで数多くの映画を放映してきた人気番組日本テレビ系列「金曜ロードSHOW!」。なかでも「○○はジブリ」と題したジブリ祭りが名物だ。2018年1月5日、12日でも「冬はジブリ」と題し『魔女の宅急便』『ゲド戦記』が放送予定とその人気は高い。

しかし、なぜジブリは地上波で放送され続けるのだろうか? そこで今回は、一年以上編集部で「金曜ロードSHOW!」を追い続けてきた筆者が、その理由を考察! そこから見えてくるジブリとテレビ映画の未来とは…?

地上波でも、ジブリはカットされにくい?

映画の地上波放送でネックとなるのは何と言ってもその上映時間だ。約2時間の枠でも、実際に本編が上映されるのはその4分の3程度(90分)いくかどうかといったところだろう。なので、120分を超える長編では、まるでダイジェスト映像のような後味となってしまうこともしばしば…。

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その点ジブリ映画は、比較的に上映時間の短い作品が多い。『となりのトトロ』86分、『紅の豚』93分、『猫の恩返し』75分、『借りぐらしのアリエッティ』94分、『コクリコ坂』91分、…。そのためノーカットでも、地上波の枠が確保しやすいと考えられる。

また、『天空の城ラピュタ』124分や『千と千尋の神隠し』125分など、長尺なタイトルの場合であってもノーカット版で本編がまるっと放送されることが多い。これも地上波放送におけるジブリの特徴だ。

日本国民、ほぼ鑑賞済み説。

しかし、地上波放送の2時間枠を引き延ばしてノーカットで映画が放送されるのは至って珍しい。そこには、ジブリ作品の人気に裏打ちされた「“数字”が取れる」という予測があってのものだろう。

1984年初作『風の谷のナウシカ』から30年以上に渡って、1~2年おきにコンスタントに作品を発表し続けているスタジオ・ジブリ。日本人の大半が、劇場公開のリアルタイムで、いずれかのジブリ作品に触れている、まさに国民的アニメといって過言はない浸透ぶりだ。

また、映画のジャンルもファンタジックな冒険活劇から、社会派コメディー、青春劇にラブストーリーと幅広い趣向に対応。さらに、『風の谷のナウシカ』など子供向けとは思えないような深淵なメッセージが含まれた作品も多く、大人になってから観返しても新たな視点で楽しむことができる。そんな幅広い世代を魅了するコンテンツと金曜21時のゴールデンタイムの相性は、言わずもがなバツグンなのである。

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何度も観返すワケは…?映画鑑賞第3世代の誕生。

しかし、なぜこれまでに私たちはジブリ放送回にチャンネルを合わせてしまうのか…? 何度も観返したはずなのに、タコができるほどセリフは聞いたのに。そこにはスマホ片手に映画を楽しむ、テレビ映画の新しいスタイルが大きな要因となっている。

映画のネット配信は、好きな時間に好きな作品を観る“個”の時代を本格的にもたらした。その一方で、テレビでの映画鑑賞は時間の“制約”となっていった。しかし、SNSの発達はそんなテレビに“場”をもたらし、制約だった時間をファン同士の“集合時間”に変えた。そして名シーンや名セリフ、ツッコミなど、主観的な感情や情報をシェアしながら映画を楽しむ新しい鑑賞スタイルが生まれたのだ。『天空の城ラピュタ』の「バルス」はその典型だ。

大スクリーンで共有され元来“全”であった映画が、ネット配信で“個”となり、そしてテレビとSNSによって再び“全”としても楽しまれている。そんなSNSを通じた“映画鑑賞第3世代”にとって、名シーンや名セリフが幅広い年齢層に周知されているジブリ映画は打ってつけの作品と言えるだろう。

【未来】ポスト「バルス」は、ユーザーによる映画鑑賞第4世代の到来!?

しかし、社会現象レベルの盛り上がりを見せた「バルス」も9月29日放送では若干下火に…、一時の熱狂ぶりは陰ってきているようだ。それに引き替え、新旧で圧倒的なファン層をもつ「名探偵コナン」シリーズの劇場版放送回や、主人公・健二(CV:神木隆之介)の決め台詞「よろしくおねがいしまぁぁぁぁぁぁぁす!」の細田守監督『サマーウォーズ』など、ポスト「バルス」を担うようなバズる系アニメ作品が大きな注目を集めている。

その中でも筆者を驚愕させる出来事が起きた。それは『バトルシップ』放送中止発表後、当初の放送予定日の6月23日。細かい経緯は割愛するが(詳しくは下:記事へ)、同日の同時刻にかねてより楽しみにしていたファンが有志でSNS上に集い、同一のハッシュタグを共有しながら映画を鑑賞し始めたのだ。そのツイートは瞬く間に爆増。最終的には同時刻に放送されていた「金曜ロードSHOW!」『ダーク・シャドウ』のツイートを大きく上回りトレンド1位を獲得。放送翌日にもトレンドに残り続ける、異様な熱狂ぶりをみせていた。

ユーザーの自発的な働きかけで映画を同時鑑賞で楽しむ“映画鑑賞第4世代”の先駆けともいえる出来事。もはや、映画というコンテンツは映画館やテレビが一方的に提供してきたものから、ファンによって自由に選択さた作品と時間で場所を選ばずに多人数が盛り上がれるツールに進化した。今後、ポスト「バルス」となるような作品も、一定のファンによる自発的な「祭」の中から生まれてくるのかも知れない。

関連記事:【バトルシップの奇跡】金曜ロードショー放送中止も「代替同時鑑賞祭り」でトレンド1位!#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り

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過去1年「ジブリ祭り」の見どころ記事一覧

▼2016年 秋のジブリ

・11月4日放送:『となりのトトロ』
【大人向け】金曜ロードショー『となりのトトロ』で見逃せない名シーン5選!

・11月11日放送:『紅の豚』
金曜ロードショー『紅の豚』名セリフから学ぶ、モテる男の5条件!

・11月18日放送:『猫の恩返し』
【声優がすごい!】金曜ロードショー『猫の恩返し』山田孝之ら「イケボ」な名シーンまとめ!

▼2017年 冬のジブリ

・1月13日放送:『風の谷のナウシカ』
【深読み】金曜ロードショー『風の谷のナウシカ』のリアルすぎるメッセージ、「ストックホルム宣言」と「冷戦」!?

・1月20日放送:『千と千尋の神隠し』
【ハク様!】『千と千尋の神隠し』女心をくすぐられる名シーン5選-金曜ロードショー

・1月27日放送:『耳をすませば』
高橋一生と疑似恋愛!『耳をすませば』の思春期恋愛あるある-金曜ロードショー

▼2017年 夏はジブリ(メアリと魔女の花)

・7月7日放送:『借りぐらしのアリエッティ』
【宮崎駿も認めた!】金曜ロードショー『借りぐらしのアリエッティ』が炙り出す“傲慢”さとは?

・7月14日放送:『思い出のマーニー』
『思い出のマーニー』の“ジブリっぽくない”魅力とは?―金曜ロードSHOW

▼2017年 秋のジブリ

・9月29日放送:『天空の城ラピュタ』
『天空の城ラピュタ』“バルス飽き”で代替案を模索?金曜ロードSHOW!

・9月22日放送:『崖の上のポニョ』
【考察】『崖の上のポニョ』宮崎駿のメッセージはシンプルだ!-金曜ロードSHOW!

▼2018年 冬もジブリ

・1月5日放送:『魔女の宅急便』
└【声優まとめ】『魔女の宅急便』コナン好き必見の豪華声優陣-金曜ロードSHOW!

・1月12日放送:『ゲド戦記』
原作者『ゲド戦記』“アレンの父親殺し”にガッカリ… ブログで酷評したワケとは?【ネタバレあり】

・1月19日放送:『カリオストロの城』
【名シーン】『カリオストロの城』なぜクラリスの“おでこ”にキス?神ってる演出まとめ!

(文・イラスト/nony)

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